体外受精は新鮮胚と凍結胚のどちらが良い?

排卵のある女性に対する体外受精では、新鮮胚と凍結胚のいずれを移植しても生児出生率に差はないとするランダム化比較試験の結果が「New England Journal of Medicine」1月11日号に掲載された。

第1回目の体外受精を受ける女性約2,000人を対象とした同試験では、体外受精後の生児出生率は新鮮胚で約50.2%、凍結胚で48.7%と同程度であることが示されたという。

この研究を実施したのは米ペンシルベニア州立大学医学部産婦人科学・公衆衛生学教授のRichard Legro氏ら。
以前、同氏らは無排卵の多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の女性を対象としたランダム化比較試験を実施し、体外受精による生児出生率は凍結胚が新鮮胚を上回っていたとする結果を報告していた。
ただ、排卵のある女性に対する体外受精に関しては、どちらを移植すると成功率が高まるのかについては不明だったという。

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そこでLegro氏らは今回、排卵はあるが不妊期間が1年を超えている20~35歳の女性2,157人を、第1回目の体外受精で新鮮胚を移植する群と凍結胚を移植する群のいずれかにランダムに割り付け、生児出生率を比較した。

その結果、生児出生率はそれぞれ50.2%、48.7%で、両群間に有意差はなかった。ただ、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)の発生率は新鮮胚群の2.0%に対して凍結胚群では0.6%と低かった。
OHSSは不妊治療で使用される排卵誘発剤による影響で発生しうる病態で、重症例では危険な状態あるいは死亡に至る可能性もあるという。

この結果について、Legro氏は「全ての不妊女性に合った治療法は存在しないということを示すもの」と説明。
その上で「個々の患者の特徴に合わせた治療を選択すべきだろう」と話している。
また、同氏は「今回の結果を踏まえれば、新鮮胚よりもOHSSリスクが低い凍結胚の方が、全ての体外受精患者に対して安全性が高いと考えられる」との見解を示している。

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HealthDay News 2018年1月11日
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