緑茶摂取が2型糖尿病リスクの低減に有用か 九州大、久山町研究から

緑茶成分のL-テアニンの代謝産物であるエチルアミンの血清濃度が高い人は、2型糖尿病になりにくい可能性があることが、福岡県久山町の住民を対象とした大規模疫学調査、久山町研究から明らかになった。九州大学大学院衛生・公衆衛生学教授の二宮利治氏らが「Diabetes Care」7月号に発表した。

 二宮氏らの研究チームは、緑茶に含まれる成分の一つであるテアニンの代謝産物、エチルアミンが摂取から24時間以上、血清中に残存することから、血清エチルアミン濃度が緑茶摂取量を反映する客観的指標となり得る点に着目。2007年の健診を受けた糖尿病のない40~79歳の久山町住民2,253人を対象に7年間追跡した。研究では、対象者を血清エチルアミン濃度で4つの群(0.86ng/mL以下、0.87~2.10ng/mL、2.11~5.28ng/mL、5.29ng/mL以上)に分けて2型糖尿病の発症を比較検討した。

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 追跡期間中に282人が2型糖尿病を発症した。年齢や性で調整した2型糖尿病の累積発症率は、血清エチルアミン濃度が上昇するに伴い有意に低下することが分かった(傾向P値=0.04)。その他の交絡因子で調整後の解析でも同様の結果が得られた。

 また、複数の因子で調整した多変量解析の結果、血清エチルアミン濃度が最も高い群では、最も低い群に比べて2型糖尿病の発症リスクが31%有意に低いことが示された(ハザード比0.69、95%信頼区間0.49~0.98)。特にこれらの関連は、中年層や糖尿病予備群、肥満者、インスリン抵抗性を有する人でより顕著であった。

 さらに、久山町研究とは別の健康なボランティア12人を対象に、血清エチルアミン濃度の推移を検討した結果、高濃度L-テアニンを含有する緑茶飲料を12時間間隔で1日2回、継続的に摂取すると、5.90ng/mL超の一定量でエチルアミンが体内に残存すると推定された。この血清エチルアミン濃度は、久山町研究で2型糖尿病の発症リスクの低減が認められた群よりも高かったという。

 これらの結果を踏まえ、二宮氏らは「日本人は緑茶の摂取量が多いほど2型糖尿病リスクが低減する可能性が示された。また、血清エチルアミン濃度の測定は、緑茶摂取量の客観的な指標になり得ると考えられる」と述べている。なお、この研究はサントリー食品インターナショナルと共同で実施された。

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HealthDay News 2019年7月16日
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