高血圧の診断基準を130/80mmHgに引き下げ―米学会

米国心臓病学会(ACC)と米国心臓協会(AHA)は11月13日、新たな高血圧診療ガイドラインを公表した。

これまで高血圧の診断基準は「収縮期血圧(SBP)140mmHg以上または拡張期血圧(DBP)90mmHg以上」だったが、新ガイドラインでは「SBP130mmHg以上またはDBP80mmHg以上」に引き下げられた。
これによって米国の成人のほぼ半数が高血圧の基準を満たすことになるという。

新ガイドラインの血圧分類ではSBP130~139mmHgまたはDBP80~89 mmHgを「ステージ1」、血圧値がこれらを上回る場合を「ステージ2」の高血圧と定義。
SBP120~129mmHgかつDBP80mmHg未満も「血圧上昇(elevated blood pressure)」と定義し、生活習慣の是正や3~6カ月ごとの血圧測定を含む再評価が望ましい状態としている。
したがって、正常血圧は「SBP120mmHg未満かつDBP80mmHg未満」となる。

さらに、降圧目標値は一律に「SBP130mmHg/DBP80mmHg未満」に設定した上で積極的に治療を行うことを推奨している。
ただし、血圧値にかかわらず生活習慣の是正の重要性が強調されており、ガイドラインには「推奨に従うことで降圧薬の処方が急増することにはならない」との見解が示されている。

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以前は高血圧の前段階である「高血圧前症(prehypertension)」と定義されていた「SBP130~139mmHgまたはDBP80~89mmHg」が高血圧に分類された背景について、ガイドラインの作成委員で米オレゴン健康科学大学(OHSU)のJoaquin Cigarroa氏は「血圧値がこの範囲でも、より低値の場合と比べて心筋梗塞や脳卒中、心不全、腎不全などのリスクが約2倍であるとの最新エビデンスがある」と説明している。

ただし、ガイドラインの作成委員長で米テュレーン大学教授のPaul Whelton氏は「SBP130~139mmHgまたはDBP80~89 mmHgでも薬物療法が必要なのは既に心疾患があるか、リスク評価で10年以内に心疾患や脳卒中を発症するリスクが高いと判定された人のみ。
この層で実際に薬物療法の対象となるのは30%程度だろう」としている。

今回の診断基準の変更によって米国の成人における高血圧患者の割合は32%から46%に増加すると推定されている。
特に大きな影響を受けるのは45歳未満で、高血圧患者の割合は同年齢層の男性で約3倍に、また女性では約2倍に増えるとの予測も示されている。

生活習慣を是正するための具体策として推奨されているのは、減量や健康的な食事、減塩、カリウムが豊富な食品の摂取、運動、適度な飲酒など。
また、血圧値を正確に測定するために少なくとも2回以上の異なる機会に2~3回測定し、平均値を求めるよう勧めている。
また、診察室で測定すると血圧が上昇してしまう「白衣高血圧」を避けるため、家庭血圧の測定も重要であることが強調されている。

ガイドラインの概要はAHAの年次集会(AHA 2017、11月11~15日、米アナハイム)で発表されたほか、全文が「Hypertension」と「Journal of the American College of Cardiology」の11月13日オンライン版に掲載された。

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参考情報:リンク先
HealthDay News 2017年11月13日
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