心疾患予防に「瞑想」が有効な可能性、米学会が見解

「瞑想」が心疾患のリスク因子に対して有効である可能性があるとする米国心臓協会(AHA)の声明文が「Journal of the American Heart Association」9月28日オンライン版に掲載された。

近年、瞑想がストレスや抑うつといった心疾患のリスク因子を軽減することを示唆する研究結果の報告が相次いでいたことから、今回AHAは初めて瞑想に関するエビデンスのレビューを実施し、それに基づき現時点でのAHAの見解を示したという。

AHAのプレスリリースによると、瞑想が健康に好影響を与えることが、多くの研究で示唆されているという。
また、米国人の約8%がなんらかの瞑想を行っており、心血管疾患患者の17%が瞑想の効果を検証することを目的とした臨床試験への参加に興味を示しているとの調査報告もあるという。

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瞑想にはさまざまな種類があるが、今回のレビューでは座禅やマインドフルネス、ラージャヨーガ、サマタ、ヴィパッサナーなどの米国で一般的な座ったまま行う瞑想に関する研究論文を対象とした。
その結果、瞑想によってストレスや不安、抑うつのレベルが低下し、睡眠の質や全般的な健康状態が向上する可能性があることが分かったという。
また、瞑想は血圧値の低下や禁煙成功率の向上、心筋梗塞リスクの低下にも寄与する可能性が示されているが、実施された研究が少ないため十分なエビデンスはなかったとしている。

以上を踏まえ、AHAは「心疾患リスクの低減では脂質値や血圧値の上昇に対する確立された治療と生活習慣の是正を主軸とすべきだが、これらに加えて瞑想を取り入れることもリスク低減に役立つ可能性がある。
ただし、瞑想によるベネフィットが確実にあるかどうかは現時点では不明であり、従来の治療に代わるものではないことを認識しておく必要がある」との見解を示している。

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参考情報:リンク先
HealthDay News 2017年9月28日
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