「生後24時間以内にB型肝炎ワクチン接種を」米学会が声明


声明文をまとめた同学会感染症委員会のFlor Munoz氏は「B型肝炎ワクチンは乳児が生まれて初めて接種するワクチンとなる。B型肝炎ワクチンを接種しないまま産院を後にする新生児を1人も出さないことが重要。小児科医には、全ての妊婦に対して出生直後のB型肝炎ワクチン接種の必要性について説明することを勧める」と述べている。
B型肝炎ウイルスに感染すると、肝臓が障害され、急性あるいは慢性の肝炎を発症する可能性がある。慢性化すると肝不全や肝がん、さらには死亡に至ることもある。同学会によると、母子感染を防ぐには出生直後のワクチン接種が有効だが、現在も米国では年間約1,000人もの新生児でB型肝炎ウイルス感染が確認されているという。こうした現状を踏まえ、同委員会のElizabeth Barnett氏は「このワクチンは出生の時点から乳児を重篤な感染症から守る重要なセーフティネットである」と強調している。

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また同氏によると、B型肝炎ウイルス感染者の多くで自覚症状がなく、周りから見ても普段と様子が変わらないことが多いため、感染に気付きにくい。しかし、感染している母親が乳児の世話をする過程で乳児に感染してしまう可能性もあるという。これに対し、B型肝炎ワクチンを必要回数(3~4回)接種すれば、乳児の98%はB型肝炎ウイルスに対する免疫を獲得できると推定されている。
同委員会のKaren Puopolo氏は「オピオイド系鎮痛薬の乱用が全米に広がる中、一部の州ではB型肝炎ウイルスの新規感染者が増えている。出生直後の乳児は特に感染しやすい状態にあるため、生後すぐに初回のワクチンを接種して最大限の防御を行う必要がある」と述べている。なお、今回の声明文ではワクチン接種のほか、妊婦に対する分娩前のB型肝炎検査の実施も推奨されている。

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