慢性的な胸やけがある人は頭頸部がんにも注意すべき?

胃酸の逆流によって慢性的な胸やけをもたらす胃食道逆流症(GERD)が、頭頸部がんのリスクに関連することが新たな研究で示された。

GERD患者は高齢者を中心に数多く、珍しい疾患ではない。
しかし、これまでにGERDが食道がんや胃がんなどの消化器がんのリスクに関連することが報告されている。
今回の研究では、GERDが喉頭がんや咽頭がんなどの頭頸部がんを発症するリスクにも関連することが初めて示された。
詳細は「JAMA Otolaryngology Head & Neck Surgery」2017年12月21日オンライン版に掲載された。

この研究を実施したのは米オクスナークリニック財団のEdward McCoul氏ら。
2003~2011年に頭頸部がんのうち喉頭がんや咽頭がん、副鼻腔がんなどの上部気道消化管(UADT)がんと診断された66歳以上の男女1万3,805人(年齢中央値74歳、75%が男性)と、年齢や性をマッチさせたUADTがんがない同数の男女を対象とした症例対照研究で、GERDとUADTがんとの関連について検討した。

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その結果、GERDがある人では、ない人と比べて喉頭がんで2.86倍、下咽頭がんで2.54倍、中咽頭がんで2.47倍、扁桃がんで2.14倍、鼻咽頭がんで2.04倍、副鼻腔がんで1.40倍のリスク上昇が認められた。

McCoul氏らによると、UADTがんによる死亡者数は世界で年間36万人を超えるという。
ただ、今回の研究はGERDがUADTのがん発症の原因となるという因果関係を示したものではなく、両者の関連を示したに過ぎない。
また、同氏らは「今回の研究で用いたデータには、頭頸部がんの危険因子である喫煙歴や飲酒歴に関する情報が含まれていなかったため、今後より詳細な検討が必要だ」と説明している。

この研究結果について、米レノックス・ヒル病院のAnthony Starpoli氏は「この知見は驚くものではない」とした上で、「胃から逆流する(胃酸などの)物質は食道の上部まで上昇することがある。
これが喉や副鼻腔、肺にまで侵入し、慢性的な炎症を引き起こす可能性もある」と話している。

一方、米スタテン・アイランド大学病院のDavid Hiltzik氏は「この研究は因果関係を明らかにした研究ではない。
しかし、慢性的な胃酸の逆流はがんの原因となる可能性があると意識して早期から積極的に対処することの必要性をあらためて示したといえる」と指摘。
GERD患者に対し「毎日の食事や習慣が長期的には深刻な影響をもたらす可能性があることを認識してほしい」と呼び掛けている。

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参考情報:リンク先
HealthDay News 2017年12月21日
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