血糖管理不良は筋肉量の減少につながる可能性 肥満のない2型糖尿病患者で強い関連、阪大グループ

2型糖尿病患者では、特に肥満がない場合において、血糖コントロール不良であるとサルコペニアである確率が高いことが、大阪大学大学院老年・総合内科学講師の杉本研氏と教授の楽木宏実氏らの研究グループの研究から示唆された。HbA1c高値は、筋力よりも筋肉量の減少と強く関連していることも分かったという。詳細は「Journal of Diabetes Investigation」5月9日オンライン版に掲載された。

 2型糖尿病は、加齢に伴って骨格筋量と骨格筋力が低下する「サルコペニア」のリスク因子であると考えられている。しかし、2型糖尿病患者の血糖コントロール状況とサルコペニアの有病率との関連は明らかになっていない。そこで、杉本氏らは今回、定期的に医療機関を受診している2型糖尿病患者と高齢者の一般集団を対象に、これらの関連を調べる横断研究を実施した。

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 対象は、2型糖尿病患者のサルコペニアについて検討している進行中の多施設共同研究(MUSCLES-DM研究)に参加した40歳以上の患者746人と、「ながはまコホート」に参加している60歳以上の一般集団2,067人(平均年齢はそれぞれ69.9歳、68.2歳)。なお、サルコペニアは、アジアサルコペニアグループ(Asian Working Group for Sarcopenia;AWGS)の診断基準を用いて、握力または歩行速度の低下、骨格筋量指数(Skeletal Muscle Mass Index;SMI)の低下により判定した。

 その結果、2型糖尿病患者のうち7.0%(52人)がサルコペニアを有していた。サルコペニアの有病率は、HbA1c値の上昇に伴って増加がみられた。これらの線形関係は、特にBMIが22.3kg/m2未満の肥満のない2型糖尿病患者で著明であった(サルコペニアの有病率は、HbA1c値6.5%未満群7.0%、6.5%以上7.0%未満群18.5%、7.0%以上8.0%未満群20.3%、8.0%以上群26.7%)。

 また、HbA1c値とサルコペニアの有病率との関連は、体重や体脂肪といった身体計測値や糖尿病の罹病期間などの因子とは独立したものであった。さらに、HbA1c値の上昇は、握力(8.0%以上群のオッズ比は1.89、P=0.058)や歩行速度(同1.13、P=0.672)の低下よりも、SMI低値(同5.42、P<0.001)と強く関連していた。一方、血糖値が正常だった高齢者の一般集団では、血糖値とサルコペニアの有病率との間に関連は認められなかった。

 以上の結果から、杉本氏らは「2型糖尿病患者の血糖コントロール状況は、他の因子とは独立してサルコペニアの有病率と関連することが分かった。血糖コントロールが不良な肥満のない高齢患者では、サルコペニアの有無を慎重に調べ、予防に努める必要がある」と述べている。

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参考情報:リンク先
HealthDay News 2019年5月27日
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