切迫流産とは?症状や原因、入院後の過ごし方は?

切迫流産について

妊娠初期はまだ赤ちゃんやお母さんの状態が安定していません。
そのため、流産のリスクがあります。

流産しかかっている状態のことを特に切迫流産と言い、この状態ならば赤ちゃんが助かる可能性が残されています。切迫流産の症状や治療法、赤ちゃんを守るための過ごし方をまとめました。
  1. 1.切迫流産とは
  2. 2.流産と早産の違い
  3. 3.切迫流産の原因
  4. 4.切迫流産の症状
  5. 5.切迫流産での入院の期間と費用
  6. 6.切迫流産のときの過ごし方

切迫流産とは

切迫流産とは、簡単に言えば「流産しかかっている状態」を言います。
まずは切迫早産とは何かについて知っておきましょう。

流産と早産の違い

流産と早産の違いをご存知ですか?

流産とは、妊娠22週未満で赤ちゃんが出てきてしまうことを言います。
この時期では赤ちゃんの体は未熟な状態ですから、生存不可能な状態です。

早産とは、妊娠22週~36週目までの期間に産まれてしまったことを言います。
早産の時期や赤ちゃんの状態によっては生存することが可能です。ただし、発育上の遅れや先天性の障害を持つリスクが高くなります。

切迫流産とは、妊娠22週未満で流産しかかっている状態を言います。
初期の段階で適切な治療を行えば、流産を食い止められる可能性が残っています。
切迫流産の状態では、子宮の中でなにが起こっているのでしょうか?

妊娠中の子宮には胎盤がくっついています。そして胎盤からへその緒が出ており、赤ちゃんとつながっています。

切迫流産では、赤ちゃんや胎盤などは子宮内に残ったままです。
しかし、胎盤がはがれかかっている、赤ちゃんが子宮から出そうになっているなどの状態になっているのです。切迫流産が進行してしまえば、そのまま流産という結果につながってしまいます。

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切迫流産の原因

切迫流産には、大きく分けて赤ちゃん側の原因とお母さん側の原因があります。
それぞれの仕組みを見ていきます。

赤ちゃんに原因がある切迫流産

赤ちゃんに遺伝子異常がある、細胞分裂がうまくいかない、などの理由があると、順調に発育することができなくなります。すると赤ちゃんは途中で成長を止めてしまいます。
それにより、胎盤や赤ちゃん自身が子宮から排出されるようになります。
ちょうどこの時期に流産の兆候に気づけば、見かけ上の切迫流産となります。

しかし、赤ちゃんに原因がある場合は自然流産と呼ばれ、厳密には切迫流産には含まれません。このような妊娠初期の流産のほとんどは赤ちゃん側の原因です。そして、残念ながら流産を食い止めることはできません。

お母さんに原因がある切迫流産
胎盤が完成するのは妊娠16週ごろです。
つまり、それ以前の時期は正常な妊娠であっても赤ちゃんの状態は非常に不安定だと考えることができます。

この時期にお母さんの体に負担がかかると、胎盤が子宮から剥がれ落ちたり、赤ちゃんへの血流が阻害されたりします。その結果、流産につながってしまうのです。

お母さん側の原因として、

  • ストレス
  • 睡眠不足
  • 過労
  • 喫煙
  • アルコール
  • 腹部への衝撃
  • 感染症
  • 冷え

などがあります。
妊娠初期の無理は厳禁なのです。

切迫流産の症状

切迫流産の兆候を現わしている症状は、腹痛と出血です。
しかし症状には個人差もあり、いったいどの程度が切迫流産の症状なのかはわかりにくいところでもあります。

それぞれの症状をもう少し詳しく見ていきましょう。

腹痛
流産が進行してくると、子宮が収縮を始めます。
生理痛のような重い痛みや鈍い痛みが見られる場合、切迫流産の兆候であるといえます。

ただし、立っていられないような激痛の場合は、子宮外妊娠などの別の要因も考えられますから、早急な受診が必要となります。

出血
切迫流産で特に注意しなければいけないのが出血です。

血液の色や量によって、流産の進行具合が予測できるからです。

  • ごく初期の場合、おりものに茶色い粘膜のようなものが混じります
  • やや進行してくると、ピンク色の出血に変わります
  • やがて、赤い鮮血か見られます。このころには出血量も多く、腹痛などの症状も見られます。切迫流産でも、かなり進行している状態です。
出血がごく少量で、すぐに収まった場合は様子見でも大丈夫ですが、明らかに出血とわかる場合は健診日を待たずに受診しましょう。

切迫流産での入院の期間と費用

切迫流産が進行している場合、入院して治療を行う必要が出てきます。

入院中に行われる処置や、入院期間、気になる費用までをまとめました。

切迫流産の治療
切迫流産の治療の基本は「安静」です。

特に、妊娠12週未満での切迫流産には有効な薬物がありません。ですから、ひたすらベッドの上で体を動かさないようにするしかないのです。

妊娠13週に入ると、子宮収縮を抑える薬や出血を止める薬を使用できるようになります。
しかし、基本は「安静」です。

切迫流産がそこまで進行していなくても、自宅では安瀬を保つことが難しい場合は入院となるケースが多いです。

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入院期間はどれくらい?
切迫流産での入院の場合、退院できるのは「赤ちゃんの状態が安定し、流産の危険がなくなったとき」です。
端的に言えば、いつ退院できるかは誰にもわかりません。
数日間で退院となる人もいれば、出産まで入院を余儀なくされる場合もあるのです。

一日でも早く退院できるように、安静を守ってストレスや不安を軽減できるようにしましょう。
助産師さんや看護師さんなどに話を聞いてもらうだけでも随分と落ち着くものです。

切迫流産の治療にかかる費用
切迫流産の入院期間は人によって大きく異なります。
つまり、入院にかかる費用も日数によって変わってきます。

切迫流産とは、妊娠中の異常ですから、健康保険が適用されます。
一般的な1日の入院費用は、大部屋だと平均して5,000円~10,000円程度となっているようです。個室などでは差額ベッド代が必要となります。

入院費が高額になってくると、高額療養費制度を利用することができます。
月の基準額(年齢や所得によって異なる)を超えた分の医療費は、申請すれば還付を受けられる制度です。
詳細は、健康保険組合や病院のソーシャルワーカーさんなどに問い合わせてみましょう。

もちろん、民間の医療保険などから保険金が下りる場合もありますから、そちらも併せて確認してみてください。

切迫流産のときの過ごし方

切迫流産を食い止めるためには「安静」にする以外にありません。

安静とは、トイレや入浴、食事以外は「ずっと」ベッド上で過ごすことを言います。
当然仕事も休みますし、家事や育児もできません。

旦那さんや職場に「安静」についてしっかり理解してもらう必要があります。
できるだけサポート体制を整えておきましょう。

特に、上のお子さんがいて、まだ小さい場合、なかなか理解してもらうのは難しいもの。
そんな時は一緒に布団に入ってお話したり、お昼寝したり、絵本を読んだり、体に負担のないかかわりを持ちましょう。

上のお子さんは、大好きなママと赤ちゃんをとても心配するのと同時に、かまってもらえないさみしさも抱えています。できる範囲でスキンシップをとってあげてください。

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