人工授精で着床したらどうする?成功させる為には

不妊治療で人工授精をしようと思う方に人工授精の方法や流れ、着床した後の身体の変化、妊娠を成功させる為にどんな事に気を付けて生活した方が良いのかをご紹介します。
  1. 1. はじめに
  2. 2. 人工授精とは
  3. 3. 人工授精の着床時期
  4. 4. 着床後の身体の変化と過ごし方
  5. 5. 着床後の成功率
  6. 6. まとめ

はじめに

子供が欲しくても何らかの理由で自然妊娠でが子供が授かれない夫婦にとって一縷の望みである体外授精ですが、着床してから妊娠が確定するまで安心できませんよね?

せっかく着床したんだから妊娠したいと思うのは当然です。

せっかく授精してくれた命を育てる為にできる事を考えていきましょう。

人工授精とは

人工授精は予め採取しておいた夫の精液を直接子宮腔内に注入する方法です。

最近は精液を直接注入するのではなく、運動精子のみ注入するのが主流になっています。
選別する事で妊娠率が上がり、副作用も少ないと言われています。
この方法は男性不妊の場合に適用される事が多いです。

人工授精の方法と流れ
人工授精は母体の状態が大事になります。

準備は排卵前から始まっていて、人工授精を行って妊娠しているかを確認するまでが1つの流れになります。

では、順を追って説明しますね。

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1.排卵日の推測
これは生理がきてから7日以内に行われ、人工授精の成功率を上げるポイントになります。

生理になった段階から次の排卵日に向けて準備を進めていかなくてはなりません。

何故なら次の排卵日に合わせて精子を注入するからです。

排卵方法は母体の状態に合わせて完全自然排卵と排卵誘発剤を使用して排卵させるかの選択が行われます。

理想は完全自排卵ですが、昨今は晩婚化の影響で妊娠する母体も高齢になっていて、良い卵子が作れない為、排卵誘発剤が使用するケースが多いです。

生活習慣を見直し、バランスの良い食事、質の良い睡眠等、身体の調子を整えましょう。

また冷え性も大敵ですので、身体を冷やさない様に心がけましょう。

2.排卵前検査
生理10日から12日の間に行われます。

超音波検査で直接卵胞の成長を確認したり、排卵検査薬で黄体ホルモンを測定し、排卵日を正確に予想する為、非常に大事な検査です。

排卵日は個人差や体調によって変わってくるので、人工授精をする際の重要ポイントと言っても良いでしょう。

排卵日を特定した上で、人工授精に向けての準備をします。

3.排卵日
目安は大体ですが生理12日以降になります。

排卵してから24時間以内のタイミングで人工授精する様に定期的に病院に通う必要があります。
ここも重要で、排卵してから猶予は24時間しかないんですよね。
ここを逃すと次回の排卵日まで治療はできませんので注意が必要です。
この時、女性は排卵しているかを確認しに病院に行き、男性は排卵に備えて採取した精子を病院に渡す必要があります。
この場合、自宅か病院でマスターベーションを行って指定の容器に入れて提出します。

そして病院は精子中の雑菌を洗浄を行い、排卵していると確認してからその精子を細いチューブを使って母体の子宮に注入します。
精子を洗浄する理由は子宮に直接注入するので、雑菌によって卵管炎を引き起こしたり、精子に含ませているプラスタグランジンという物質が子宮の収縮を促してしまう効果があるので、それらのリスクを最小限に抑える為です。

4.妊娠確定
人工授精してから14日後に妊娠の判定を行い、着床してない場合は再度人工授精を行います。
この間、当然ですが、喫煙や飲酒は控えましょう。
また夫婦生活においては問題ないとされていますが、医師の判断に従いましょう。

人工授精の着床時期

精子を注入した後の妊娠の流れは自然妊娠と同じになります。

卵子と精子が授精するまで1~3日、受精卵が子宮内膜に着床するまで約7日、子宮内膜に受精卵が潜り込むのに約5日かかるので、その前に調べても妊娠検査結果を正確に知る事が出来ないんですね。

よって授精してから妊娠が確定するまで2週間位が目安です。

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着床後の身体の変化と過ごし方

着床後に出る症状は以下の通りです。

1.着床痛
着床前後に下腹部にチクチクする痛みを感じる場合があります。

2.着床出血
着床のタイミングで子宮内膜から出血する場合があります。
これはおりものに似ていて、薄茶色や薄ピンク等の出血です。
1日から2日で治まる人もいれば、1週間以上続く方もいらっしゃり、個人差が大きいです。

3.着床後の体温
高温期が続きます。
2週間以上続く場合、妊娠している可能性が高いです。

4.おりものの変化
おりものは膣内の自浄作用を担っていて普段から分泌しているものですが、着床して妊娠すると黄体ホルモンや女性ホルモンの分泌が増えるのでおりものの量も増える事が多いです。

5.その他の症状
寒気や咳、微熱、喉の痛み、くしゃみ、頭痛等、風邪や生理前のような症状が現れる事があります。
間違えて薬を飲んでしまったら大変です。
予め妊娠したらこういう症状が出るんだなと知っておく事が大事になります。
そして着床したらどう過ごすべきか。
それは赤ちゃんの為に生活習慣の見直しをしましょう。
特に重要なのは食事を睡眠です。
食事は1日3回、栄養バランスを考えたメニューにしましょう。
妊娠初期は葉酸を積極的に摂取するよ良いと言われています。
何故なら葉酸は細胞分裂に必要な栄養素だからです。
葉酸を摂取する事で神経管閉鎖障害という赤ちゃんの先天性疾患の予防に繋がる事が分かっています。
そして食事と同じくらい大事なのが睡眠です。
不規則な睡眠時間では体調を整えるのが難しいんですね。
なるべく同じ時間に寝る習慣を心がけましょう。

着床後の成功率

人工授精での着床率は約5%と決して高い確率ではありません。

しかし人工授精を行った場合、人工授精を行って成功した夫婦の殆どは一度では妊娠できず、大体3~4回位で妊娠すると言われています。
そして着床してから妊娠が成功する確率は20%です。
ただ、健康な男女が排卵のタイミングで夫婦生活を行った場合でも5~6組中、1組位しか成功しないんですよ。

そう考えるとそんなに悲観する数値ではないでしょう?

人工授精の場合、1回目より2回目、3回目で成功する確率の方が高いのが特徴です。
ただ、回数の目安は5回と言われていますし、母体の状態や不妊の原因等によっては早めに打ち切って次の段階に移行する場合もあるようです。

まとめ

人工授精とは予め採取しておいた精子を直接子宮に注入して妊娠を促す不妊治療の1つです。
これを行う場合、生活習慣を見直し、妊娠しやすい身体を作っておく事が大事になりますす。
人工授精してから着床して妊娠が確定するまでの過程は自然妊娠と同じです。

そして着床後に出現する症状を知っておく事も妊娠に備える上で大切です。
普段から健康的な生活を送る事が不妊治療に向けた第一歩といえるのかもしれませんね。

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