産婦人科での不妊検査のあれこれ、知っておくことで不安解消!

不妊検査について

「不妊」という言葉に不安を抱き、検査を受けてみようかと考えている方は多いと思います。精神的にダメージを受けることも、妊娠する女性の年齢がアップすることでも妊娠の確率が減っていきます。自分たちの体を知るうえでも不妊検査は重要となってきます。不安を無くすためにも、検査を受ける前に不妊検査の内容を詳しく知っておきましょう。
  1. 1はじめに
  2. 2不妊検査とはこういったもの
  3. 3産婦人科ではこんな種類の不妊検査が受けられる
  4. 4産婦人科の不妊検査、内容や目的はこれ!
  5. 5産婦人科で適応される不妊検査、目安となる費用
  6. 6このタイミングで不妊検査を受けよう!
  7. 7まとめ

はじめに

運命の人と出会って幸せな時間を過ごすと、次の幸せは赤ちゃんですね。
しかし妊娠の兆候がなければ不安になったり、あるいは周囲から急き立てられたりすると焦る気持ちがでてしまいます。そういったときに問題を解決してくれる一つの手段が「不妊検査」です。でもどういった検査なのか、費用はどのくらいなどわからないことが多いと思います。安心して検査を受けられるためにも、不妊検査の内容をしっかりと事前学習して見てください。

不妊症の治験・臨床試験(新しい治療薬)情報をsmtで検索
お近くの治験情報を全国から検索できます。

不妊検査とはこういったもの

通常の夫婦が避妊をしない夫婦生活を行う場合には1年以内には妊娠する確率が80%と言われます。しかし女性の体か男性の体において何らか原因や障害があり、妊娠しない結果をもって、その原因を特定する目的のものですが、同時に不妊が特定されたとしたときに不妊治療や母体となったときに耐えられるかどうかということも判断されるものです。

不妊症の検査をするにあたっても、自分が検査を受けるべきかどうかの目途が必要となります。その不妊の定義として日本では1年とされています。

不妊検査は、さまざまな項目があり、それぞれの検査をするうえでタイミングや時間を要します。不妊検査の流れとしては、生活全般からそれまでの経歴などを提供するため、医師による問診から始まり、内診によって子宮や卵巣の現状を検査します。

基礎体温などのデーターも必要となるため最低一ヶ月、その後に精密検査を受けるようになると3ヶ月から半年以上の時間が必要となることもあります。

不妊の原因は女性ばかりではありませんので、男性の検査も必要です。女性は産婦人科で追跡できますが、男性は産婦人科では主に問診を中心とした基本検査は行われますが、精密検査などさらに追及していく場合には泌尿器科において検査することになります。

産婦人科ではこんな種類の不妊検査が受けられる

女性の不妊検査としては問診から基本検査のあとは、ホルモンの分泌時期に分けて検査がすすめられます。

●基礎検査
▪医師による問診(初潮、生理周期、妊娠や中絶歴、病気の既往歴など)
▪医師による内診(外陰部や膣の形状やびらんなどの有無、卵巣の状態などを調べる)
▪血液検査(感染症、貧血、全身的な疾患の判断)
▪培養検査(子宮がん検査やクラミジア検査)
▪基礎体温検査

●月経期の検査
▪超音波エコー
▪ホルモン検査
▪月経血培養検査

●卵胞期の検査
▪超音波エコー
▪ホルモン検査
▪卵管通気・通水検査
▪子宮卵管造影検査

●排卵期の検査
▪超音波エコー
▪子宮頚管粘液検査
▪フーナーテスト

●黄体期の検査
▪超音波エコー
▪ホルモン検査

●特殊検査(女性)
▪子宮鏡検査
▪抗精子抗体検査
▪腹腔鏡検査

●男性の検査
▪精液検査 「男性の不妊検査で最も基本的な検査です。自宅か病院で精液を採取して、精液の色や量、含まれる精子の濃度、運動率、奇形率、白血球数などを調べます。

不妊症の治験・臨床試験(新しい治療薬)情報をsmtで検索
お近くの治験情報を全国から検索できます。

産婦人科の不妊検査、内容や目的はこれ!

超音波検査
お腹の表面に小さな器械(プローブ)を当てながら検査するものと、膣に直接当てて画像上で見ていくものとあります。超音波の力で子宮の形や腫瘍、子宮筋腫の有無、また卵胞の発育状況などを特定できます。

女性ホルモン検査
順調な排卵や卵の着床に関わるホルモンが十分に分泌されているかの重要な目安となります。検査は血液検査だけで、さまざまなホルモンを確認できます。
卵胞ホルモン(エストロゲン)、黄体ホルモン(プロゲステロン)、これら二つの分泌を指示する卵胞刺激ホルモン(FSH)や黄体化ホルモン(LH)。また乳汁分泌ホルモン(プロラクチン)、甲状腺ホルモン(T3・ T4)、甲状腺刺激ホルモン(TSH)など。
ホルモンのバランスによって、多嚢胞性卵巣や黄体機能不全、甲状腺疾患などの特定も可能となります。

通気・通水検査
炭酸ガスや水を子宮から卵管内に流し込み、卵管の通過性を検査します。卵管に弊害がなければ圧力は変わらないのですが、圧力が上がってしまうと卵管が何らかの原因によって通気性が悪くなっていると判断されます。検査するほかに卵管を広げる機能もあり、妊娠へ向けた改善方法ともなります。

子宮卵管造影検査(HSG)
カレーテルという管を子宮に挿入し、造影剤を注入しレントゲン撮影します。
通気・通水検査と同様に、卵管の通気性が良いかどうか判断するための検査です。

フーナーテスト(頸管粘液検査)
医師より性交日(排卵数日前から排卵日)を指定され、性交したあとに子宮頸管粘液を採取し、頸管内の精子の状態をチェックします。
精子が動いてなかったり、精子の存在がなかったりすると、精子の異常か、精子を拒否する体質が原因で頸管を通過できない不妊と考えられます。

子宮鏡検査
内視鏡を子宮内に挿入し直接粘膜の状態やポリープや子宮筋腫、子宮の形などを画像で見る検査です。

抗精子抗体検査
通常の検査によって不妊の原因を特定できない場合や、フーナーテストの結果が悪い場合に用いられます。
精子を外敵と誤認してしまい抵抗性が出てしまっているかどうかを血液検査によって判断(抗精子抗体の有無を確認)します。

精液検査(男性)
検査前は2~5日間の禁欲後に精子を採取します。
精子の量、活動能力、奇形の有無などをチェックします。

産婦人科で適応される不妊検査、目安となる費用

不妊検査に必要な費用は、初診のカウンセリングなども含みますので医療機関によってかなり異なってきます。
何度も足を運ばなければならず、毎回違う検査も行えば費用も当然差が大きくなります。
大きな検査費用の目安として挙げてみました。(保険適応内)

▪血中ホルモン検査: 1,000~10,000円
▪超音波検査: 1,500~3,000円
▪子宮卵管造影検査: 3,000~6,000円
▪卵管通気検査・通水検査: 4,000~8,000円
▪フーナーテスト: 500~1,000円
▪子宮鏡検査: 5,000~20,000円
▪抗精子抗体検査:5,000~10,000円
▪精液検査:基本検査は300~1,000円、追加項目や保険適応外では5,000~30,000円

このタイミングで不妊検査を受けよう!

結婚して通常の性生活を行っている場合では20代であれば1年程度は様子を見ても良いのですが、年齢が増すと妊娠の可能性自体が減少してしまいますので、30代で妊娠歴がない場合には6ヶ月くらいで一度受診することが望ましいでしょう。

一度の検査では判断できませんので、まずは重く受け止めずに簡単な基礎検査を受けることから始めることが良いと思われます。
また受診の際には、前もって基礎体温を測っておいた結果を持参すると検診がスムーズとなります。

まとめ

不妊検査は女性だけの検査ではありませんし、妊娠においては夫婦の協力と愛情が必要なものです。妊娠しない事で悩んだり、けんかのタネになったりするとストレスや精神的な負担によっても不妊となるケースが少なくありません。
不妊という意識に押しつぶされないようにすることも大切となってきます。
あまり重たく考えずに、ベースとなっている夫婦間の愛情にアドバイスをプラスしてもらういう感覚で、不妊検査が存在すると考えるようにしましょう。

治験に関する詳しい解説はこちら

治験・臨床試験は新しいお薬の開発に欠かせません。治験や疾患啓発の活動を通じてより多くの方に治験の理解を深めて頂く事を目指しています。治験について知る事で治験がより身近なものになるはずです。

治験・臨床試験についての詳しい説明

SMTによる記事情報は、治療の正確性や安全性を保証するものではありません。
病気や症状の説明について間違いや誤解を招く表現がございましたら、こちらよりご連絡ください。