体外受精で助成金を受け取れる?不妊治療の助成金を徹底解説


はじめに
不妊治療に対する関心は年々高まってきています。
不妊治療の実施件数も増え、子どもが欲しいと望む方々の選択肢のひとつとして確立しています。
しかし、不妊治療というと高額な治療費がかかるイメージが強く、それが理由で治療に踏み切れない方々もいるのではないでしょうか?

今回は、助成金制度の受け取り条件や金額、助成金申請の手続きの仕方などをご紹介します。
不妊治療の助成金制度
不妊治療にはいくつか治療方法があり、タイミング法は保険適用となりますが、それ以外の人工授精や体外受精などの治療方法は保険適用外となり費用はすべて自己負担となります。
人工授精であれば1回15,000円程度ですが、体外受精となると1回20~50万円と高額な費用がかかります。
さらに妊娠することができずに治療期間が長くなると、その分費用が重なります。
そのため、不妊治療に取り組む人の経済的負担を減らすために、厚生労働省は特定治療支援事業制度を設けています。
自治体の指定を受けた医療機関で不妊治療を受けた場合に助成金を受け取れるという制度です。
助成金制度は都道府県が実施している制度と市区町村が独自に実施している制度の2種類があり、それぞれ対象となる治療方法などの内容が異なります。
都道府県が実施している場合は、体外受精、顕微授精が対象となり、タイミング法や人工授精などは対象外です。
市区町村の制度では人工授精やタイミング法なども対象になる場合や、通院にかかる交通費が支給の対象になることもあります。
助成を受けられる上限や回数などもそれぞれの自治体によって異なるので、制度を利用する場合には事前にお住いの都道府県や市区町村に問い合わせ調べておきましょう。

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助成金の受取り条件

〔自治体の指定を受けた医療機関での治療〕
助成金制度を利用するには、自治体の指定を受けた医療機関で不妊治療を行うことが条件です。
それ以外の医療機関で不妊治療をした場合には制度を利用することができないので注意しましょう。
これから不妊治療を行い、助成金制度を利用することを考えている場合には、自分が通院する予定の病院が指定医療機関であるかを確認する必要があります。
〔年間所得730万円未満〕
夫婦2人分の所得の合計が730万円未満でなければ助成金を受け取ることができません。
ごく一部所得制限がないという自治体もありますが、ほとんどの場合は所得制限があります。
所得制限で助成金が受け取ることができない場合には、医療費控除や高額療養費制度を利用することができます。
〔戸籍上の夫婦〕
助成金を受けることができるのは、戸籍上の夫婦のみに限られています。
事実婚や内縁関係などの場合には、この制度を利用することができません。
助成金の申請をする時には夫婦それぞれの住所や戸籍を確認できる書類を提出する必要があります。
〔不妊治療が必要であること〕
体外受精や顕微授精などの治療方法でなければ妊娠する見込みがない、妊娠する可能性が極めて低いと診断された場合に助成金を受け取ることができます。
受け取れる金額
助成金として受け取れる金額は都道府県や市区町村により異なります。
国が定めている助成金の限度額は、体外受精、顕微授精1回につき15万円です。
ただ、以前に凍結した卵子を解凍し移植を実施したり、採卵したが状態が悪く治療を中止したなどの場合には7.5万円になります。
都道府県や市区町村によってはさらに上乗せされるというところもありますので、お住いの自治体に問い合わせてみましょう。

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助成金申請の手続き
助成金の申請は申請期限内に自治体の窓口で手続きしなければなりません。
ほとんどの場合、申請期限は不妊治療が終了した日の年度内(3月31日)までに行わなければなりません。
一部の自治体では治療終了した日から60日以内、治療終了した日が属する年度の翌年度4月末までといったところもありますので自治体に確認してみましょう。
必要とされる書類は各自治体により異なりますが、
- 住民票
- 戸籍上夫婦であることがわかる資料
- 自治体で指定された医療機関の領収書、明細
これらの書類を各自治体の窓口に期限内に提出しなければなりません。
体外受精に関する助成金
不妊治療の方法はいくつかありますが、体外受精であれば都道府県が実施している制度の対象となります。

ごく一部ではありますが、体外受精に対し企業独自の健康保険組合や共済会で助成をしてくれるところもあります。1夫婦につき10回まで、初回は10万円、2回目以降5万円の助成をしてくれるという事例もあります。
まとめ
今回は、助成金制度の受け取り条件や金額、助成金申請の手続きの仕方などをご紹介しました。
助成金の金額や手続きは、都道府県や市区町村によって内容が異なるので、事前に調べておきましょう。
また、指定された医療機関でなければ助成金を受け取ることができないので、病院を選ぶときには注意が必要です。
助成金制度を活用して、不妊治療の負担を減らしましょう!

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