毎年のワクチン接種で高齢者のインフル重症化リスクが低下

毎年必ずインフルエンザワクチンを接種している高齢者は、インフルエンザの重症化による入院や死亡のリスクが低いとする研究結果が「CMAJ」1月8日オンライン版に掲載された。

研究を実施したナバーラ大学健康研究所(スペイン)のJesus Castilla氏らは「ワクチン接種によって完全に感染を防げるわけではないが、重症化しやすい高齢者も繰り返し接種すれば感染しても軽症で済むことが裏付けられた」としている。

Castilla氏らは今回、スペインの病院20施設で2013/2014および2014/2015のシーズンにインフルエンザによって入院した65歳以上の高齢患者のうち一般入院患者598人と、集中治療室(ICU)での治療を要したか入院後30日以内に死亡した重症患者130人、さらに一般入院患者群と重症患者群の対照群として年齢や性、入院日をマッチさせたインフルエンザ以外の原因による入院患者(それぞれ1,493人、333人)のデータを分析した。

その結果、入院したシーズンおよびそれ以前の3シーズンの計4シーズンに連続してインフルエンザワクチンを接種していた患者では、接種していなかった患者と比べてインフルエンザの重症化が原因でICUでの治療が必要となるリスクが74%、死亡するリスクが70%低かった。

インフルエンザに関する治験・臨床試験(新しい治療薬)情報はこちら
郵便番号を入力すると、お近くの治験情報を全国から検索できます。

一方、1シーズンのみの接種ではインフルエンザの重症化を予防する効果は認められなかった。この結果を踏まえ、Castilla氏らは「高齢者でのインフルエンザの重症化の予防には毎年ワクチンを接種することが重要だ」との見解を示している。

米疾病対策センター(CDC)によると、米国では毎年数十万人がインフルエンザのため入院しており、2010~2017年の年間死亡者数は1万2,000~5万6,000人と推定されている。
高齢者は免疫系が弱いため、感染すると重症化しやすい。このため、入院が必要な状態となったり、合併症を発症したりすることが多く、死亡に至る場合もある。

米クリスティアナケア・ヘルスシステムのMarci Drees氏は「最も重要なことは、今年のワクチンの効果がどの程度なのかは気にせず予防接種を受けることである」と強調。
「米国では今シーズンのワクチンは流行中のインフルエンザウイルスの型に対して予防効果が低い可能性があると指摘されているため、ワクチン接種の意義を疑う人もいるかもしれないが、毎年欠かさず受けることで入院やICUでの治療が必要な状態になるリスクを抑えることができる」としている。

また同氏は今後の研究課題について触れ、「小児を含めたより若い集団でも毎年のワクチン接種によって同様の予防効果が得られるか否かを明らかにする必要がある」と話している。

治験に関する詳しい解説はこちら

治験・臨床試験は新しいお薬の開発に欠かせません。治験や疾患啓発の活動を通じてより多くの方に治験の理解を深めて頂く事を目指しています。治験について知る事で治験がより身近なものになるはずです。

治験・臨床試験についての詳しい説明

参考情報:リンク先
HealthDay News 2018年1月8日
Copyright c 2017 HealthDay. All rights reserved.
SMTによる記事情報は、治療の正確性や安全性を保証するものではありません。
病気や症状の説明について間違いや誤解を招く表現がございましたら、こちらよりご連絡ください。
記載記事の無断転用は禁じます。