日本人の2型糖尿病患者に適した炭水化物摂取比率は? 約3千人の患者を対象に解析

日本人の2型糖尿病患者では、炭水化物の取り過ぎはHbA1c値の上昇につながる可能性があることが、横浜市立大学附属市民総合医療センター内分泌・糖尿病内科部長の山川正氏らの研究グループの検討で分かった。

この研究では、総エネルギー量に対する炭水化物由来のエネルギーの割合を60%未満に抑えることが血糖コントロールの維持に有用なことも示唆された。
詳細は「Journal of Diabetes Investigation」8月1日オンライン版に掲載された。

日本糖尿病学会による食事療法に関する提言では、炭水化物の摂取は総エネルギーの比率で50~60%とすることが推奨されている。
しかし、日本人を含むアジア人の2型糖尿病患者を対象に、三大栄養素の摂取エネルギー比率を大規模に調査した研究は限られていた。
そこで、研究グループは今回、日本人の2型糖尿病患者を対象に、良好な血糖コントロールの達成に適した栄養素のエネルギー比率を検討する観察研究を実施した。

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対象は、日本人の糖尿病患者を対象に睡眠や食生活の質と血糖コントロール状況などの関連を調べる観察研究(Sleep and Food Registry in Kanagawa;SOREKA研究)に参加した20歳以上の2型糖尿病患者3,032人。
対象患者の平均年齢は63.2歳、男性が1,851人で、平均BMIは25.3、平均HbA1c値は7.5%であった。簡易型自記式食事歴法質問票を用いて、対象患者の三大栄養素のエネルギー比率を評価した。

その結果、対象患者の1日の平均エネルギー摂取量は1,711±645kcalであり、たんぱく質、脂質、炭水化物のエネルギー比率は平均でそれぞれ16.3%、26.8%、52.3%であった。

対象患者をHbA1c値で5つの群に分けて比較したところ、HbA1c値が6.5%未満の群に比べて、8%を超える高値群ではたんぱく質のエネルギー比率は低く、炭水化物のエネルギー比率は高いことが分かった。
さらに、HbA1c値が高いほどBMIは上昇し、炭水化物のエネルギー比率は増加したが、たんぱく質のエネルギー比率と食物繊維の摂取量は減少した。
年齢や性、BMIなどを調整した多変量回帰分析でも、HbA1c値と炭水化物のエネルギー比率の関連は有意であった(P<0.0001)。

さらに、対象患者を炭水化物のエネルギー比率で5つの群(45%未満、45%以上50%未満、50%以上55%未満、55%以上60%未満、60%以上)に分けてHbA1c値との関連をみたところ、炭水化物のエネルギー比率が45%から60%に増加するとHbA1c値の有意な上昇と関連することが示唆された。

以上の結果から、研究グループは「日本人の2型糖尿病患者が良好な血糖コントロールを保つためには炭水化物の取り過ぎを避け、炭水化物のエネルギー比率を60%未満に抑えることが必要な可能性がある。
しかし、今回の研究では炭水化物のエネルギー比率をどこまで下げるべきなのかは示されなかった」と結論づけている。

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参考情報:リンク先
HealthDay News 2018年8月27日
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