男性更年期障害(LOH症候群)の症状と治療法について

男性更年期障害(LOH症候群)について

一般的に更年期障害といくと女性の症状だと思われがちですが、男性でも年齢を重ねると更年期障害になることがあります。今回は、まだあまり知られていない男性の更年期障害の症状とホルモン補充や漢方、食事などによる様々な治療法をご紹介します。
  1. 1.はじめに
  2. 2.男性更年期障害(LOH症候群)とは
  3. 3.テストステロンの減少により起きやすい症状
  4. 4.男性更年期障害(LOH症候群)の治療法
  5. 5.テストステロンの分泌が上昇する食事
  6. 6.テストステロンの分泌を促すその他の方法
  7. 7.まとめ

はじめに

男性にも更年期障害があることをご存知ですか?

男性の更年期障害は、疲れやすい、眠れない、やる気が起きない、筋力の衰えなどの症状があります。

更年期障害に対して正しい知識を持って、予防と症状の改善に役立てましょう!

男性更年期障害(LOH症候群)とは

更年期障害と聞くと一般的には女性の更年期障害を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか?
しかし更年期障害は男性にも起こります。男性更年期障害はLOH症候群とも呼ばれます。

更年期障害の原因は性ホルモンの分泌が加齢とともに減少してくることに起因します。男性でいえばアンドロゲン、女性ではエストロゲン、プロゲステロンと呼ばれる性ホルモンが影響します。

男性ホルモンであるアンドロゲンはテストステロンとジヒドロテストステロンとに分けられます。そのうち男性更年期障害ではテストステロンの減少が大きな要因となります。

テストステロンは思春期から分泌が増加し、20代でそのピークを向かえます。その後30代から徐々に減少を始めますが、その減少率は年間で1~2%ほどといわれ女性ほど急激に減少することは少ないです。

しかし加齢とともに減少し続けると様々な症状として現れます。

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テストステロンの減少により起きやすい症状

テストステロンが減少すると、下記症状を引き起こします。

・疲れやすい、身体がだるい
・夜間あまり眠れない
・やる気が起きない、不安になる、イライラするなどの精神症状が起きる
・頻尿になる(特に夜間の尿回数が増える)
・筋力が衰える
・体に脂肪がつきやすくなる
・性的欲求が低下し、勃起不全(ED)を起こす
・動悸がする
・集中力が低下する

上記症状をそのまま放置しておくとますます症状が悪化していく恐れもあります。また男性ホルモンの減少とは関係がないように思えますが、心筋梗塞や前立腺がんのリスクが上昇するとの研究結果も出ています。

それではこの男性更年期障害にはどのような治療が効果的なのでしょうか?

男性更年期障害(LOH症候群)の治療法

ホルモン補充療法
泌尿器科外来に受診し、血液検査によりテストステロンの低値が判明した場合、テストステロンの補充療法が行われます。

現在は注射による補充しか方法はありませんが、個人差はあるものの補充直後から効果が表れることもあります。効果として意欲の上昇、睡眠の質の改善、不安感の軽減などが得られます。人によっては性欲や勃起不全が回復する場合もあります。

しかし副作用もあり、脂質異常症、睡眠時無呼吸症候群、ヘモグロビン値の上昇、赤血球が異常に上昇する多血症となる場合もあります。これらのリスクを医師と相談しながらホルモン補充療法を行うとよいでしょう。

漢方薬による治療
・六味丸(ろくみがん)
身体の機能を全体的に回復させ、泌尿器や性機能の衰えに効果があります。

・八味地黄色玉(はちみじおうがん)
六味丸と同じように泌尿器や性機能の改善に効果があります。

・牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)
体力の回復、身体の水分代謝を改善し泌尿器と生殖器の衰えに効果があります。

・柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう) 
イライラを改善し、睡眠の改善、動悸や勃起不全にも効果があります。

・桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)
睡眠の改善、夜間の頻尿の改善、神経の高ぶりを抑える効果があります。

・抑肝散(よくかんさん)
神経の高ぶりを抑え、筋肉のこわばりを緩めリラックスした状態にします。

・加味帰脾湯(かみきひとう)
不安や緊張を鎮め、睡眠を改善します。

・酸棗仁湯(さんそうにんとう)
神経の高ぶりを鎮め、睡眠を改善します。

これらの漢方薬の効果は非常に個人差があります。また場合によってはいくつかの漢方を組み合わせて処方されることもあります。漢方薬は副作用も少なく安全性の高い薬です。主治医と相談しながら漢方薬による治療も進めていくとよいでしょう。

テストステロンの分泌が上昇する食事

亜鉛は人にとって必須のミネラルです。そしてこの亜鉛はテストステロンの分泌を促すという効果もあります。亜鉛は動物性たんぱく質に多く含まれており、米、パンなどの炭水化物、野菜が中心の食事だと不足しやすい栄養素でもあります。

それでは亜鉛を多く含む食品にはどのようなものがあるでしょう。

100g当たりの亜鉛含有量が多い食品
・牡蠣 13.2g
・豚レバー 6.9g
・牛肉(肩) 4.9g
・卵(卵黄) 4.2g
・たらばがに 4.2g
・たらこ 3.8g
・プロセスチーズ 3.2g

これらの食品が亜鉛を多く含んでいます。テストステロンの分泌を促すためにも積極的に摂取するといよいでしょう。

テストステロンの分泌を促すその他の方法

筋トレ
負荷を掛けた筋トレがテストステロンの分泌を促します。約10回の反復で限界が来るような筋トレが一番効果的だといわれています。

スクワットや腕立て伏せをして、10回が限界という人は男性ではあまりいないかも知れません。そこでスポーツジムなどに行って負荷を掛けた筋トレを行うのが効果的です。

しかし、仕事で忙しい人にはジム通いは難しい場合もあるでしょう。そうした時には腕立て伏せを10回でも限界がくるようにゆっくりと行う、スクワットも同様にゆっくり行うなど自重での筋トレも効果的です。

逆にジョギングなどの長時間に及ぶ運動はテストステロンの分泌にあまり効果がないようです。

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体重の適正管理
肥満体型の人はテストステロンの量が少ないという研究結果があります。適切に減量するとテストステロンは上昇します。極端な減量は必要ありませんが、標準体重を目指してダイエットするのも一つの方法です。

睡眠を十分とる
質の良い睡眠を十分にとるとテストステロンの分泌が上昇するという研究結果があります。一般的に推奨されている睡眠時間は7時間前後です。ノンレム睡眠が得られる環境下でぐっすりと眠ることが効果的です。

過度なアルコールは控える
アルコールに関してはそれほど神経質になる必要はありませんが、それでもテストステロンが飲酒により減少することがわかっています。

アルコール依存症の人は一般の人と比較して50%ほどテストステロンが減少していることもあります。出来れば深酒は避けた方がよいでしょう。

ストレスを貯めない
ストレスが溜まってくるとコルチゾールという副腎皮質ホルモンが上昇します。コルチゾールとテストステロンは正反対に機能し、コルチゾールの上昇に伴いテストステロンは減少してしまいます。
ストレスをコントロールできる生活習慣を獲得しましょう。

まとめ

食事や睡眠、運動などによりテストステロンの分泌をある程度維持することは可能です。
しかし、加齢によりホルモンのバランスが崩れるのはどうしても避けがたい現象です。

様々な男性更年期障害の症状に苦しまれている人も多いことでしょう。一人で悩まずに病院にて受診し、適切な治療を受けることが大切です。

更年期障害の基本情報についての詳しい解説はこちら

更年期及びそれに伴う更年期障害という言葉をニュースなどで耳にする機会も多くあると思います。だれでも訪れる更年期という期間ですが、必ずしも何か症状が起きるわけではありません。更年期のメカニズムを詳しく解説しています。

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