長時間労働で中年男性の心筋梗塞リスク増 JPHC研究

日本人の中年男性は、1日11時間以上の長時間労働をすると心筋梗塞の発症リスクが高まる可能性があることが、国立がん研究センターなどの多目的コホート(JPHC)研究で示された。一方で、長時間労働と脳卒中の発症との間に関連はみられなかったという。研究の詳細は「Circulation Journal」3月6日オンライン版に掲載された。

 これまでの研究で、長時間労働は心身ともに健康状態に悪影響を及ぼし、心血管疾患の発症や死亡リスクの上昇と関連することが報告されている。しかし、日本人を対象とした研究は限られていた。研究グループは今回、JPHC研究に参加した40~59歳の男性約1万5,000人を長期にわたり前向きに追跡したデータを用いて、労働時間と心筋梗塞および脳卒中の発症との関連を検討した。

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 研究では、ベースラインとした1993年に全国5地域に在住した40~59歳の男性1万5,277人を対象に、2012年まで中央値で20年間前向きに追跡した。研究開始時および10年後に実施したアンケート結果の労働時間から、参加者を1日の労働時間で4つのグループ〔7時間未満、7時間以上9時間未満(基準)、9時間以上11時間未満、11時間以上〕に分けて、急性心筋梗塞および脳卒中の発症リスクを評価した。

 追跡期間中に212人が急性心筋梗塞を発症し、745人が脳卒中を発症した。年齢やBMI、心血管リスク因子、職業で調整した解析の結果、1日の労働時間が「7時間以上9時間未満」だった群と比べて、「11時間以上」だった群では急性心筋梗塞の発症リスクが1.63倍であることが分かった(P<0.05)。一方で、脳卒中の発症リスクについては、全体でも病型別でも関連は認められなかった。

 また、労働者の中でも会社勤めをする人では、長時間労働により急性心筋梗塞リスクは2.11倍に上ったが、会社経営者や自営業の人ではこうした関連はみられなかった。さらに、追跡を開始した時点で50~59歳だった人では、長時間労働によりこのリスクは2.6倍に上ることも明らかになった(それぞれP<0.05)。

 これらの結果について、研究グループは、先行研究と同様に、長時間労働による睡眠時間の短縮や疲労回復が不十分であることのほか、精神的ストレスの増加が一因ではないかと推測している。

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参考情報:リンク先
HealthDay News 2019年3月25日
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