米国人男性の9人中1人に口腔内HPV感染

近年、口腔内のヒトパピローマウイルス(HPV)感染が認められる頭頸部がん患者が劇的に増加している。

こうした中、米国では口腔内にHPVが感染した18~69歳の男性が約1100万人に上るとの研究結果が「Annals of Internal Medicine」10月17日オンライン版に掲載された。
これは、同年齢層の米国人男性の9人に1人に相当する。
特に複数のオーラルセックスのパートナーがいる男性や、ゲイまたはバイセクシャルの男性、HPVの性器感染もある男性で口腔内HPV感染者の割合が高かったという。

この研究を実施したのは、米フロリダ大学ヘルスサービスリサーチ学部のAshish Deshmukh氏ら。
同氏らによると、近年、口腔内HPV陽性で、かつ頭頸部がんの一種である中咽頭扁平上皮がんを発症する患者が増えており、この20年間に中咽頭扁平上皮がんの罹患率は約300%上昇したという。
そこで同氏らは今回、2011~2014年の米国民健康栄養調査(NHANES)のデータを用いて18~69歳の男女における口腔内HPV感染率について調べた。

その結果、口腔内HPV感染率は男性で11.5%、女性で3.2%と女性に比べて男性で圧倒的に高かった。
これは、同年代の米国人のうち男性は1100万人、女性は320万人が感染していることに相当する。
また、高リスクの型として知られる16型のHPVに口腔内感染している割合も、女性の0.3%に対して男性では1.8%と6倍で、170万人の男性が16型に感染していると推定された。

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特定のセックスパートナーがいる人における高リスク型のHPV感染率は男性で12.7%、女性で3.6%だったが、2人以上の同性のオーラルセックスパートナーがいる男性では高リスク型HPV感染率は22.2%と高かった。
さらに、HPVの性器感染がみられる男性では、性器感染がない男性と比べて口腔内にもHPVが感染している割合が約4倍だった(19.3% 対 4.4%)。

このほか、黒人や喫煙者(1日20本以上)、マリファナ使用者、生涯に腟またはオーラルでのセックスを経験したパートナーの数が16人以上という人では高リスク型のHPVに口腔内感染している確率が高いことも分かった。

この研究結果を踏まえ、Deshmukh氏は「HPV感染の予防に有効なワクチンがあるにもかかわらず、男児の接種率は低い。また、リスクの高い男性の多くは26歳以上でワクチン接種の対象から外れている上、既にHPVに曝露してしまっている場合もあると考えらえる」と指摘。

「がん予防のため、男児の接種率を上げる必要がある」と話している。

なお、米国ではHPVワクチンは性的活動が始まる前の接種が推奨されており、11~12歳で6~12カ月の間隔を空けて2回接種するのが望ましいとされている。
ただ、2014年の接種率は女児の57%に対して男児では35%にとどまっていたことが報告されている。

一方、米ジョージ・ワシントン大学グローバルヘルス学部教授のPatti Gravitt氏は、研究の付随論説で「口腔内HPV感染については未知の部分も多い。
例えば、口腔内HPV感染率が性器HPV感染率よりもはるかに低い理由や、女性よりも男性の方が口腔内HPV感染率が高い理由は依然として不明だ」と指摘している。
その上で「極めて効果の高いワクチンがあるにもかかわらず、接種を勧めない医師も多い」として、「HPV感染から人々を守るために、われわれはもっと手を尽くす必要がある」と強調している。

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参考情報:リンク先
HealthDay News 2017年10月16日
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