マリファナ常用者はセックスの頻度が高い


米スタンフォード大学泌尿器科学のMichael Eisenberg氏らが米国の男女5万人超のデータを分析した結果、マリファナの常用者は非使用者と比べて性交の頻度が有意に高く、マリファナの使用は性機能を損なわないことが示されたという。
詳細は「Journal of Sexual Medicine」11月号に掲載された。
Eisenberg氏らは今回、米疾病対策センター(CDC)が実施した全国調査(National Survey of Family Growth;NSFG)に参加した25~45歳の男性2万2,943人(平均年齢29.5歳)および女性2万8,176人(同29.9歳)のデータを分析した。
この調査データにはマリファナの使用と性交の頻度に関するデータも含まれていた。
その結果、男性の24.5%、女性の14.5%にマリファナを使用した経験があったが、マリファナを毎日使用している男女では、全く使用しない男女と比べて性交の頻度が20%高かった。
具体的な頻度としては、過去1年間に1度もマリファナを使用していない女性は過去4週間の性交の回数が平均6.0回だったのに対し、毎日マリファナを使用している女性では平均7.1回とより多かった。
また、男性もマリファナの非使用者では過去4週間の性交の回数が5.6回だったが常用者では6.9回だった。
なお、このような関連は年齢層や婚姻状態、学歴などにかかわらず認められた。
この研究はマリファナの使用がよりアクティブな性生活をもたらすことを証明したわけではない。
ただ、これまでにも動物実験で脳のカンナビノイド受容体への刺激が性的興奮や性行動を促すこと、またヒトの脳のMRIスキャンでマリファナの使用が満足感や性的興奮に関連した脳領域を活性化させることが示されているという。
米国立薬物乱用研究所(NIDA)によると、現在米国では200万人を超える成人がマリファナを使用している。
また、29州で医療用あるいは嗜好用としてマリファナの使用が合法化され、マリファナ使用者は増え続けているという。
Eisenberg氏も患者から「マリファナ使用が原因で勃起障害になったのではないか」との相談されることが増えているが、これらの関連について検討した研究は少なかったため、これまで患者に適切な助言ができなかったという。
ただし、同氏は今回の研究結果について「マリファナの使用が必ずしも性機能を損なうわけではないことが示されたという点では心強い結果ではあるが、今後さらなる研究で検証する必要がある。
その結果が明らかになるまでは催淫薬としてマリファナを勧めることはできない」と話している。

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