心筋梗塞の発症率は「月曜日」と「冬休み」に上昇

ストレスを感じやすい月曜日や冬休みは、心臓にも厳しい季節であることがウプサラ大学(スウェーデン)のJohn Wallert氏らによる研究で示唆された。約8年間に同国内で発症した心筋梗塞15万件超のデータを分析した結果、特に月曜日と冬休みに発症率が上昇することが示されたという。詳細は「American Heart Journal」6月3日オンライン版に掲載された。

 これまでにも、複数の研究でストレスが心筋梗塞リスクを高めることが示されている。例えば、地震などの自然災害やサッカーのワールドカップの試合といったスポーツのイベントが心筋梗塞を誘発する可能性を示した研究結果が報告されている。

 Wallert氏らは今回、2006~2013年のスウェーデンの心疾患患者の登録データを用いて同期間に登録された15万6,690件の心筋梗塞のデータを分析した。その結果、気温や大気汚染などの因子で調整後も、月曜日と冬休み中(クリスマスおよび年末年始の休暇中)は、他の曜日や季節に比べて心筋梗塞の発症率が高いことが示された。一方、週末や夏休み中は他の曜日や季節と比べて発症率が低いことも分かったという。

 同氏らは「月曜日は仕事始めの曜日であり、冬休みはクリスマスの準備などで忙しく、いずれもストレスを感じやすいタイミング」と説明。「今回考慮されなかった他の要因が心筋梗塞リスクに影響を及ぼしている可能性はあるが、ストレスはかなり強い危険因子であると考えられる」としている。ただし、今回の研究は観察研究であるため、因果関係を証明するものではなく、心筋梗塞の発症と特定の時期との関連を示したに過ぎない。

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 なお、同氏は「月曜日から金曜日まで働き、土日に休むというルーチンを変えて別の曜日に働いたとしても、心筋梗塞の発症率が高まる曜日が変わるだけで、意味がないだろう」としている。

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HealthDay News 2017年7月14日
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