頸部腫瘤の診断に新指針、米学会


そこで米国耳鼻咽喉科・頭頸部外科学会(AAO-HNSF)は、成人の頸部腫瘤に対する適切な検査や診断を示した医師向けのガイドラインをまとめ、同学会の年次集会(9月10~13日、シカゴ)で発表した。
ガイドラインは「Otolaryngology–HeadandNeckSurgery」9月号にも掲載されている。
同学会によると、一般的に成人の頸部腫瘤は高齢者に好発すると考えられていた。
しかし、米国では近年、ヒトパピローマウイルス(HPV)感染に起因した頭頸部がんが増加し、若い人にも頸部腫瘤がみられるようになってきたという。

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HPV陽性の頭頸部がんは今後も増加するとみられており、2020年までにHPV陽性の頭頸部がん(中咽頭がん)患者数がHPV陽性の子宮頸がん患者数を上回ることが予測されている。
その原因は明確には分かっていないが、米国がん協会(ACS)は「オーラルセックスが一般的になってきていることが一因である可能性が高い」としている。

ターゲットは専門医だけでなく「頸部腫瘤を最初に診る可能性があるプライマリケア医や歯科医、救急医、病理医、放射線科医など全ての医師」としている。
ガイドライン作成グループの副委員長であるM.BoydGillespie氏は「頸部腫瘤は重大な医学的問題を示唆している場合がある。必ずしも全ての腫瘤ががんであるわけではないが、正確な診断のためには入念に医学的評価を行う必要がある」と説明。
その上で、「今回のガイドラインは早期診断・治療の重要なツールとなる」と強調している。
なお、ガイドラインでは頸部腫瘤ががんである可能性を示す特徴として「2~3週間以上にわたって消失しない」「徐々に大きくなっている、または小さくなっているが完全には消失しない」「声の調子の変化」「食べ物を飲み込みにくい、または飲み込むときに痛みを感じる」「腫瘤がある側の耳が聞こえにくい、あるいは痛みを感じる」「首や喉の痛み」「説明のつかない体重減少」「発熱」が挙げられている。

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