2型糖尿病と肥満の併存は駆出率保持心不全のリスク因子 神戸大

2型糖尿病患者は肥満を伴うと左室拡張機能が悪化しやすく、左室駆出率が保持された心不全(HFpEF)のリスクが高まる可能性のあることが、神戸大学大学院循環器内科学講師の田中秀和氏らの検討で分かった。

左室長軸方向の心筋収縮能と左室拡張能は密接に関連しているが、健康な人では肥満による左室長軸方向の心筋収縮能への影響は認められなかったのに対し、2型糖尿病患者では肥満により左室長軸方向の心筋収縮能は有意に障害されていた。
詳細は「Cardiovascular Diabetology」11月9日オンライン版に掲載された。

2型糖尿病と肥満はHFpEF発症の重要なリスク因子であることが知られている。
また、2型糖尿病と肥満があると左室拡張機能は悪化することも示されているが、糖尿病や肥満と心機能との関連は明らかにされていない。
田中氏らは今回、左室駆出率が保たれた無症候性の2型糖尿病患者を対象に、肥満が左室拡張機能といった心機能に及ぼす影響を検討した。

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対象は、2013年7月~2015年9月に同大学病院に入院し、左室駆出率が55%以上に保たれ、冠動脈疾患が認められない無症候性の2型糖尿病患者145人と、年齢と性、左室駆出率をマッチさせた健康な成人90人(対照群)。

参加者には標準的な心エコー図検査を行い、左室長軸方向の心筋収縮能の指標として、心尖部3断面からGlobal Longitudinal Strain(GLS)を計測した。
2型糖尿病患者群と対照群をそれぞれ肥満(BMI 25以上)の有無で分けて左室拡張機能を比較検討した。

解析の結果、肥満のある2型糖尿病患者では、肥満のない2型糖尿病患者と比べてGLS値が有意に低かったが(17.9±2.4%対18.9±2.6%、P<0.05)、対照群では肥満の有無でGLS値に差はみられなかった(19.8±1.3%対20.4±2.1%、P=0.38)。

また、2型糖尿病患者においてGLS値はBMIと有意な正相関を示したほか、多変量回帰分析からBMIは左室心筋重量係数とともにGLS値の独立した決定因子であることが分かった。

以上の結果を踏まえて、田中氏らは「2型糖尿病と肥満を合併すると心機能により悪影響を及ぼし、HFpEFの発症リスクを高めることが分かった。
こうした心不全を予防するためにも2型糖尿病患者では厳格な体重管理が必要になると考えられる」と述べている。

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参考情報:リンク先
HealthDay News 2017年12月4日
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