20%以上の体重減少で骨粗鬆症性骨折リスクが上昇 日本人糖尿病患者の大規模コホート研究を解析

閉経後女性を含む日本人の2型糖尿病患者では、体重が最大体重から20%以上減少すると骨粗鬆症性骨折を起こしやすくなる可能性のあることが、白十字病院(福岡県)副院長・糖尿病センター長の岩瀬正典氏らの研究グループの検討で分かった。

これらの関連は特に男性で強かったという。
詳細は「Diabetes Care」3月14日オンライン版に掲載された。

近年、一般集団では体重減少は骨折リスクの上昇と関連することを示すエビデンスが蓄積しているが、2型糖尿病患者ではこれらの関連は大規模な研究で十分に検討されていない。
研究グループは今回、大規模な前向き疫学調査である福岡県糖尿病患者データベース研究(Fukuoka Diabetes Registry;FDR)のデータを用いて、最大体重からの体重減少率と骨粗鬆症性骨折リスクとの関連を前向きに調べた。

対象は、2008年4月~2010年10月に同県内の糖尿病専門施設に通院する外来糖尿病患者5,131人のうち、1型糖尿病患者などを除き、骨折の発生を追跡し得た4,706人。
このうち2,755人が男性、1,951人は閉経後女性であり、平均年齢は66歳であった。対象患者を中央値で5.3年間追跡し、登録時の最大体重からの体重減少率で4群(10%未満、10~20%未満、20~30%未満、30%以上)に分けて、大腿骨および椎体における骨粗鬆症性骨折の発生率を比較検討した。

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追跡期間中に198人が骨粗鬆症性骨折を来した。
年齢や性で調整した1,000人年当たりの骨粗鬆症性骨折の発生率は、最大体重からの体重減少率10%未満群が6.4、10~20%未満群が7.8、20~30%未満群が11.7、30%以上群が19.2であった。

多変量調整比例ハザードモデル解析の結果、全ての対象患者において骨粗鬆症性骨折リスクは、体重減量率10%未満群と比べて10~20%未満群では1.24倍、20~30%未満群では1.77倍、30%以上群では2.84倍であった。
また、骨粗鬆症性骨折リスクは、男性ではそれぞれ1.48倍、2.23倍、5.20倍、閉経後女性ではそれぞれ1.19倍、1.62倍、1.97倍であり、体重減少率が20%を超えると骨粗鬆症性骨折リスクが大きく上昇することが分かった。

さらに、体重減少と骨折リスクとの関連には、男性と閉経後女性それぞれとの間には交互作用を認めたが、高齢(70歳以上)や糖尿病罹病期間(15年以上)、肥満(BMI 25以上)、肥満の既往歴、定期的な運動とは交互作用を認めなかった。

以上の結果を踏まえて、研究グループは「2型糖尿病患者では意図的かどうかにかかわらず、最大体重から20%以上の体重減少がみられた場合には、骨粗鬆症性骨折リスクを考慮して骨折予防に努める必要があるだろう」と述べている。

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参考情報:リンク先
HealthDay News 2018年3月26日
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