「オキシトシン」の肥満改善作用、肥満なほど効果高く マウスを用いた実験で検証、福島県立医大ら

一般に「愛情ホルモン」などと呼ばれるオキシトシンには肥満改善効果があり、その効果は高脂肪食を摂取して肥満しているほど高い可能性があることを、福島県立医科大学薬理学准教授の前島裕子氏と教授の下村健寿氏らの研究グループがマウスを用いた実験で明らかにした。

オキシトシンによる減量効果は、通常食を摂取した肥満していないマウスでは弱まることも分かった。詳細は「ScientificReports」8月17日オンライン版に掲載された。

脳の下垂体後葉などから分泌されるホルモンの1つであるオキシトシンは、出産時の子宮収縮や母乳の分泌に関わるだけでなく、母性や人間関係の形成など社会的行動に関与するほか、抗ストレス作用や食欲を抑えて肥満を改善する作用なども報告されている。

研究グループは今回、これまでの臨床研究では結論が得られていないオキシトシンによる肥満改善効果に着目。オキシトシン投与後のマウスの体重減少効果を性別、体重、肥満分布といったメタボリック症候群に影響するさまざまな因子別に分析し、どのような条件下で体重減少がより効果的にもたらされるのかを検討した。

研究では、高脂肪食を与えて太らせたマウスと通常食を与えた太っていないマウス(摂取期間はいずれも雄が8週間、雌は12週間)それぞれに、一定量のオキシトシンまたは対照とした生理食塩水を10日間投与し、10日後にコンピュータ断層撮影(CT)により体脂肪率や脂肪分布を測定。
性別や体重、肥満分布ごとにオキシトシンによる体重減少効果を調べた。

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その結果、高脂肪食を与えた肥満マウス(体脂肪率は約36%)では、雌雄ともにオキシトシン投与により体重が減少し、その減量率は対照群との間に有意差がみられたほか、初期の体重が重いほど体重減少効果が高まることが分かった。

また、高脂肪食を与えた肥満マウスでは、オキシトシン投与により皮下脂肪だけでなく内臓脂肪の脂肪量も雌雄ともに15~20%減少した。

一方で、通常食を与えた非肥満のマウス(体脂肪率は約10%)では、こうしたオキシトシンによる体重減少効果は、高脂肪食を与えた肥満マウスと比べて小さかった。

研究グループは今回の研究データについて、将来、オキシトシンを肥満治療に応用する際の重要な基礎データになるものと期待を示している。

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HealthDay News 2017年9月11日
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