本当に赤ちゃんへのリスクはない?無痛分娩について

無痛分娩について

陣痛を緩和する出産方法として注目を集めているのが無痛分娩です。麻酔を使用するため、一番心配になるのは赤ちゃんへの影響です。無痛分娩は安全な出産方法なのでしょうか?無痛分娩のメリットやリスク、気になる費用までを解説します。
  1. 1.はじめに
  2. 2.無痛分娩とは
  3. 3.無痛分娩の方法
  4. 4.無痛分娩のメリット
  5. 5.無痛分娩のリスク
  6. 6.無痛分娩の費用
  7. 7.まとめ

はじめに

出産に臨むママが恐れることのひとつに陣痛があります。
特に初めての出産の場合、想像だけがどんどん膨らみ、出産自体が恐怖の対象になってしまう事もあります。
そこで今回は無痛分娩についてメリットやリスクなどについて紹介します。

無痛分娩とは

すでに出産を経験されたママも、次の妊娠をためらう理由の一つに陣痛のつらさがあげられるほどです。
そんな陣痛に対する不安を緩和してくれるのが無痛分娩。
無痛分娩が可能な施設は近年増加しつつありますが、決して世間に普及しているとは言えません。
そもそも無痛分娩とはどのような出産方法なのでしょうか?

陣痛を感じない経膣分娩
無痛分娩は、麻酔を使用して陣痛を感じなくなった状態で臨む経膣分娩です。
陣痛が起こり始めたら局所麻酔を行うため、陣痛の「痛み」のみを感じなくさせます。
当然、意識は保つことができますし、子宮の収縮自体を感じ取ることは可能です。

ですから、赤ちゃんの産声を聞くこともできますし、いきむタイミングがわからなくなることもありません。
ただ「痛み」から解放してくれるのが無痛分娩なのです。

海外ではメジャーな出産方法
日本ではまだまだマイナーな出産方法である無痛分娩ですが、海外では積極的に行われています。
無痛分娩で使用される麻酔の特徴や、母体への影響などから総合的に判断するとメリットが大きいことがその理由です。
日本では無痛分娩の方法について知る機会があまりないため、無痛分娩=危険という先入観が働いてしまうのかもしれません。
無痛分娩についてもう少し知識を深めてみませんか?

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無痛分娩の方法

無痛分娩では基本的に局所麻酔を使用して出産に臨みます。麻酔を使用する以外は普通分娩と何ら変わりません。
使用される麻酔薬は主に2種類あり、硬膜外麻酔を選択するのが一般的です。

硬膜外麻酔
硬膜外麻酔とは、一般的な外科手術や腰痛などの痛み止めなどで使用される局所麻酔です。
背骨と骨髄の隙間に麻酔薬を注入することで、痛みの神経を麻痺させるのが硬膜外麻酔です。
注射を打つ場所によって、麻酔の効果が現れる部位が変わってきます。
無痛分娩の場合は、腰骨のあたりに麻酔注射を行います。

硬膜外麻酔は痛みの神経のみに作用するため、その他の場所は通常通り動かすことができます。
当然意識がなくなるようなこともなければ、体が麻痺して動かなくなることもありません。

笑気ガス
笑気ガスというのは、硬膜外麻酔とは全く異なった作用を持ちます。
笑気ガスという気体の麻酔薬を吸入することで、意識レベルを少し鈍らせます。なんとなくボーっとするような感じになり、不安や恐怖を感じにくくさせるのがメインの働きです。

よって、笑気ガスによる麻酔効果は硬膜外麻酔よりも劣っており、完全に痛みを感じなくなるわけではありません。

そのため、笑気ガスを使用した無痛分娩は厳密には「和痛分娩(わつうぶんべん)」と呼ばれ、硬膜外麻酔による無痛分娩とは区別して扱われます。

無痛分娩のメリット

無痛分娩には通常の自然分娩にはない多くのメリットがあります。
「なんとなく怖い」「赤ちゃんに影響するのでは」という漠然とした不安に対する回答の前に、まずは無痛分娩の利点を紹介します。

陣痛を感じない
無痛分娩の最大のメリットは、なんといっても陣痛に耐える必要がないことです。
物理的に痛みを感じないだけでなく、陣痛自体への恐怖もなくなるわけですから、非常にリラックスした状態でお産に臨むことができます。
痛みによる心身の消耗がない分、出産自体を楽しむ余裕が生まれてきます。
お産の進行が速い
特に初めての出産の場合、子宮口が開くまでに時間がかかります。それは子宮の筋肉が固くなっている状態だからです。

しかし無痛分娩では、麻酔の効果によって子宮の筋肉がほぐれて柔らかくなります。
すると子宮口が開きやすくなるため、お産の進行がスムーズになります。

人間は痛みや緊張を感じると体に力が入ってしまいます。
ところが無痛分娩によって痛みを感じることがなくなると、全身の力を抜くことができます。
筋肉の緊張がなくなることも、お産の進行には非常に大切な要素なのです。

子宮自体の筋肉が柔らかくなること、体の緊張が取れること。無痛分娩ではお産の進行が速いと言われる理由はこの2点にあります。

産後の回復が速い
何時間にも及ぶ陣痛に耐えながらの出産では、心身ともに激しく消耗します。
しかし赤ちゃんは待ってくれません。
疲れ果てた体のまま、休むことなく赤ちゃんのお世話をしなければなりません。

無痛分娩では余計な体力を消費しなくて済みます。これは、産後の回復が速くなることを意味しています。
無痛分娩での出産では、心身に余力がある状態で育児をスタートさせられるのです。

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無痛分娩のリスク

いいことばかりのように感じる無痛分娩ですが、当然リスクや注意点も存在しています。
メリットだけでなく、デメリットも知っておきましょう。

赤ちゃんへの影響は?
無痛分娩について一番気になるのは、やはり赤ちゃんへの影響でしょう。
ママと赤ちゃんはへその緒を通じてつながっていますから、麻酔成分が赤ちゃんに悪影響を与えるのか不安になりますよね。

しかし、硬膜外麻酔で使用される麻酔薬は赤ちゃんへの移行はほとんどありません。
赤ちゃんが麻酔の影響を受けることはないと言えます。

笑気ガスについてですが、主に使用される場面は子宮口が開ききるまでの期間です。
実際の分娩中に笑気ガスを使用すると、いきむタイミングを逃してしまう可能性があるためです。

笑気ガスは、分娩室に行くまでの限られた期間での使用になります。
もともと笑気ガスはそれほど強い麻酔効果を持っていません。
それに加えて、この程度の時間での使用では赤ちゃんへの影響はないと考えて大丈夫でしょう。
実際に、これまで笑気ガスによる赤ちゃんへの悪影響は報告されていません。

麻酔アレルギーのリスク
無痛分娩で一番注意が必要になるのが麻酔アレルギーです。
非常にまれなケースですが、麻酔成分に対してアレルギーを起こす人がいます。
重篤な場合は血圧低下や呼吸困難などのショック症状を起こす危険があり、最悪の場合は母子の命にかかわります。

しかし、このようなことが起こる割合は数万人に1人と言われており、通常であれば心配する必要はありません。

もし不安な場合は、事前にアレルギーの検査を受けられますから、医師に相談しておきましょう。

吸引分娩になりやすい
無痛分娩のデメリットの一つとして、いきむ力が弱くなってしまう事があります。
筋肉を弛緩させているため、どうしても自然分娩と比べると腹圧が弱くなってしまうのです。
そのため、分娩中になかなか赤ちゃんが出てきてくれない場合は吸引分娩が行われる可能性があります。
しかし、吸引分娩での赤ちゃんへの悪影響はほとんどありません。吸引分娩の安全性は非常に高いですから、心配する必要はありません。

無痛分娩の費用

出産は病気ではないため、ほとんどの場合は無痛分娩の費用は全額自己負担となります。
そのため、費用はどうしても高額になりがちですし、産院によっても金額に差があります。
ここでは、無痛分娩で必要とされる一般的な費用についてまとめました。

平均では10~20万円
無痛分娩の費用は産院によって異なります。
中には2~3万円程度で済む施設もありますし、30万円近く請求される施設もあります。
全国的な平均費用としては10~20万円程度となっているようです。

ちなみに、この費用は無痛分娩に関するオプション料のようなもので、この金額に加えてさらに通常の出産費用が必要となりますのでご注意ください。

無痛分娩ができる施設は限られる
魅力の多い無痛分娩ですが、残念なことに現状ではすべての産院で受けられるわけではありません。
どちらかというと無痛分娩が可能な施設のほうが少数であり、各都道府県に数件程度の割合にとどまっています。

さらに、事前に無痛分娩を希望していたとしても、タイミングによっては無痛分娩ができない場合もあり得ます。麻酔処置が可能な医師が限られているためです。
特に、麻酔を専門とする麻酔医が無痛分娩の処置を担当する場合はその傾向が強くなります。

お産はいつ始まるかわかりません。
無痛分娩に対して時間的な制約があるのかを事前に確認しておく必要があります。

まとめ

無痛分娩の方法やメリット・デメリット・リスクなど、参考になりましたでしょうか?
無痛分娩は魅力的な点も多いですが、それだけではありません。
リスクやデメリットもしっかりと把握し、医師と十分に話し合ってから結論を出し様にしましょう。

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