妊娠中のおたふく風邪は胎児に悪影響?予防や治療は?

妊娠中のおたふく風邪について

子どもがかかりやすい感染症として有名なおたふく風邪。大人でもかかることがありますが、その場合症状がより重症化することがあります。もし妊娠中におたふく風邪になってしまったら、妊婦さんは並々ならぬ不安に駆られるのではないでしょうか?

今回は、妊娠中におたふく風邪に罹患してしまった時の症状や母体や胎児への影響、おたふく風邪の予防方法、おたふく風邪の治療と感染中の過ごし方を詳しくご説明します。
  1. 1.はじめに
  2. 2.おたふく風邪とは
  3. 3.妊娠中のおたふく風邪の症状
  4. 4.おたふく風邪の母体への影響
  5. 5.大人は重症化しやすい
  6. 6.おたふく風邪の合併症とは
  7. 7.おたふく風邪の胎児への影響
  8. 8.妊娠初期の流産の危険
  9. 9.胎児への後遺症は?
  10. 10.おたふく風邪の予防
  11. 11.おたふく風邪の治療と感染中の過ごし方
  12. 12.まとめ

はじめに

妊娠中に注意したい感染症のひとつがおたふく風邪です。
おたふく風邪は3~5年の周期で大流行すると言われており、季節を問わずかかってしまう病気です。

妊娠中におたふく風邪に罹患してしまうとお腹の胎児への影響も心配です。
今回は妊娠中のおたふく風邪の症状や母体や胎児の影響、おたふく風邪の予防法、治療と感染中の過ごし方について詳しく解説していきます。

おたふく風邪とは

おたふく風邪はムンプスウイルスが原因で起こる病気で、流行性耳下腺炎と言います。
2~3週間の潜伏期間があって、その後に発症します。

主な感染経路は飛沫感染や接触感染なので、感染者のくしゃみやウイルスがついた物に触ることによって感染してしまいます。
おたふく風邪は片側、もしくは両側唾液腺の腫脹が特徴的で、通常2週間程で回復します。

おたふく風邪は3~10歳の子どもがよくかかる感染症として有名ですが、大人がかかることもあり、その場合はより強い症状が出ると言われています。
主な症状としては発熱、耳周りの腫れ、頭痛、悪寒、全身の倦怠感などがあり、合併症を引き起こすこともあります。
耳周りの腫れによって食べ物が食べれなくなってしまう場合もあります。

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妊娠中のおたふく風邪の症状

妊娠中であっても基本的に症状は一般の方と変わりません。
発症初期は普通の風邪と同じように発熱、食欲不振、倦怠感、寒気等が出現し、2~3日程で耳下腺の腫れ、痛みが現れます。

耳下腺の腫れは2日程でピークに達し、その後、徐々にひいていきます。
おたふく風邪は片側の腫れで済む事もありますが、両側が腫れる事が多く、腫れ始めてくる前5日が最も感染のリスクが高いとされています。
腫れがひくと共に感染力が弱まってくるので、耳下腺が腫れている間は外出を控えた方が良いでしょう。

おたふく風邪の母体への影響

妊娠中におたふく風邪に罹ってしまうとどのようなリスクがあるのでしょうか?
先ずは母体のリスクから見ていきましょう。

大人は重症化しやすい

おたふく風邪は子供に罹りやすい病気ですが、子供の頃に罹っていなかったり、予防接種を受けていても抗体が弱まってしまっていると罹りやすくなってしまう場合があります。
大人が発症すると子供に比べて重症化しやすく、完治に時間がかかってしまいます。

おたふく風邪の合併症とは

おたふく風邪で怖いのは合併症です。
おたふく風邪の合併症として無菌髄膜炎、難聴、精巣炎、卵巣炎、膵炎等が挙げられます。

卵巣炎・精巣炎
女性の場合、特に卵巣炎になりやすく、おたふく風邪に罹患した患者さんの5%程の確率で発症します。症状としては、発熱、下腹部痛、不正出血、おりものの増加などがあります。
これに対し、男性が感染すると精巣炎になることがあります。症状としては、発熱、精巣の腫れと痛み、陰嚢の皮膚が赤くなる等があります。

もし、妊娠中におたふく風邪に罹患してしまったらパートナーにしっかりと感染予防をして貰う事が大事です。
卵巣炎、精巣炎ともに炎症が起こるのは片側のみであることが多いので、不妊につながることは多くはありません。

しかし、放置していると不妊につながるので必ず適切な治療を受けましょう。

無菌髄膜炎
無菌髄膜炎は、頭痛・発熱・嘔吐などが症状として出ます。希に嗜眠状態・昏睡・けいれんを来す場合もあります。しかし、ほとんどの場合は軽傷で済み、安静にしていることで治ります。

難聴
難聴は、1万5千人に1人の割合で発症します。ほとんどはおたふく風邪が完治するとともに、症状が消えますが、稀にその後も難聴が続くこともあります。

膵炎
膵炎(すいえん)は、腹部の圧迫感・痛み、嘔気、軽度の発熱等の症状があります。重症化することは少なく、おたふく風邪によって軽い膵炎を併発することは珍しいことではありません。

おたふく風邪の胎児への影響

では今度は母体がおたふく風邪に感染してしまった場合、胎児にどのような影響があるかを見ていきましょう。

妊娠初期の流産の危険

妊娠中におたふく風邪に罹患する確率は0.1~0.01%と言われていて決して高くはありませんが、罹患すると流産してしまう危険性があります。
その為、妊娠中は人ごみに行かない、感染している方に近付かない、外に出る時はマスクを必ず着用し、家に帰ったら手洗い・うがい等、予め感染予防を行う事が大切です。

特に妊娠初期はおたふく風邪だけではなく、ウイルスや薬の副作用によって胎児に影響がある可能性が高いので気をつけましょう。

胎児への後遺症は?

基本的に先天性異常等は出ないとされていますが、近年では低体重児となる可能性が報告されています。
また心臓や免疫に関わる病気を発症してしまう場合もあります。
そして危険なのが出産時にママさんがおたふく風邪を罹患している場合で、この場合、産まれた赤ちゃんも感染してしまう恐れがあります。
新生児は抵抗力が弱く、身体に抗体が作られていないので、深刻な合併症を引き起こしてしまう危険があります。

おたふく風邪の予防

おたふく風邪は病院で抗体検査をすると自分に抗体があるかどうかが分かります。
抗体がない場合、意識して予防するだけでもおたふく風邪になる確率は下がるので、自分が感染したすいのか否かを知っておくことは大切です。
一番良い予防は妊娠する前に検査して抗体が無い場合は予防接種を受ける事ですが、妊娠してからは予防接種は出来ません。
予防接種によってワクチンウイルスが胎児に影響を与える可能性がゼロではないからです。

つまり、抗体がない場合は感染しないように気を付けるしかないのです。
おたふく風邪の原因はムンプスウイルスで感染している方のくしゃみや咳等による飛沫感染や接触感染です。
ムンプスウイルスは非常に感染力の強いウイルスで、一番の予防は感染者に接触しない事です。

その為には人の多い所に行かないのが理想ですが、妊娠していても仕事している方もいますし、住んでいる地域によってはそうはいかないと思います。
おたふく風邪に罹患しない為に、外出する時は必ずマスクを着用し、帰ったら手洗い・うがいは勿論ですが、出来ればシャワーを浴びて皮膚や髪の毛に付着したウイルスを流してしまいましょう。
それが出来ない時は洗顔だけでも予防になります。

また、おたふく風邪は子供が罹りやすい病気なので、妊娠中の胎児以外にも子どもがいる方は特に注意が必要です。
家族の中に感染者がいると罹患率は一気に跳ね上がります。
家族全員で感染対策をし、おたふく風邪を引き起こすムンプスウイルスを家に持ち込まないようにしましょう。

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おたふく風邪の治療と感染中の過ごし方

おたふく風邪には特効薬がないので、基本的には対症療法になります。
症状に合わせて、妊娠中でも服用出来る解熱剤や痛み止め等が処方される事が多いです。
耳の下の腫れは冷やすと痛みが和らぐので試してみて下さい。
顔の腫れが酷い時は口を開けるのも辛かったり、固形物を飲み込むのが辛い場合もあります。

その結果、栄養不足や脱水症状になってしまう事もあります。
そういう時はゼリーやプリン等、飲み込みやすい食べ物で栄養補給を行い、ちょっと辛くてもこまめに水分を取りましょう。
頭痛や吐き気があって嘔吐してしまう場合は病院で医師に相談し、輸液等の適切な処置をして貰いましょう。

まとめ

妊娠中のおたふく風邪について理解していただけたでしょうか?
おたふく風邪は妊婦さんだけではなく、家族全員で予防することが必要です。
もし妊娠中におたふく風邪にかかってしまったら、慌てず医師の指示に従いましょう!

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