ペットのイヌと同じベッドで寝ると睡眠効率が低下


今回の研究は、普段ペットのイヌ1匹と同じ寝室で寝ている睡眠障害のない健康な飼い主40人(平均年齢44歳、88%が女性)を対象に実施された。
7日間にわたり飼い主には手首に活動量計を装着してもらい、睡眠と覚醒の時間を評価したほか、睡眠日記もつけてもらった。
また、イヌにはイヌ専用の活動量計である“FitBark”を装着し、動きを測定した。
その結果、飼い主の睡眠効率は平均で81%、イヌの睡眠効率は同85%だった。ただ、イヌと同じベッドで寝ると、寝室は同じだがベッドは共有していない場合と比べて睡眠効率が低下することが分かった。
一方、イヌの睡眠の質はイヌが眠る場所によって左右されることはなかった。
この研究を実施した米メイヨークリニックのLoisKrahn氏らの研究グループは「ペットのイヌと寝室を共にしていても、飼い主の睡眠効率は良好だったが、イヌが同じベッドで寝るかどうかによって睡眠効率に差がみられた」と結論づけている。

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また、Krahn氏は「ペットが眠っている飼い主の身体の上を歩いたり、動き回ったり、もぞもぞ身体を動かしたり、いびきをかいたりして、飼い主を起こしてしまうことは頻繁にある。
毛布に潜り込んで飼い主を起こそうとするペットもいる」と説明している。
一方、今回の研究には関与していない米シャーロッツヴィル神経学・睡眠医学クリニック長のW.ChristopherWinter氏は、「これはカフェインの問題に似ている。
自分は寝る前にコーヒーを飲んでも眠れると主張する人がいるが、普段からコーヒーを飲んでいる人にはぐっすり眠った経験がないため、その影響を認識できていない可能性もある。
同様に、イヌと20年間ベッドをともにした人にとって、“普段通り”の眠りとはどのようなものかを知るのは難しい」と話している。
Krahn氏らによれば、イヌと寝室を共にすることがヒトの睡眠に及ぼす影響を客観的に評価した研究は今回が初めて。
ただ、複数のイヌを飼っている場合や、ネコなどの他のペットによる影響を明らかにするためには、さらなる研究が必要だとしている。

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