妊娠中、少しだけなら飲酒しても大丈夫なのか


しかし今回、妊娠中の少量のアルコール摂取により、早産や児の低出生体重のリスクがわずかに高まる可能性が、英ブリストル大学のLoubabaMamluk氏らによる研究で示唆された。
米疾病対策センター(CDC)によると、妊娠中の飲酒は児のさまざまな医学的問題に関連する。特に大量飲酒は、胎児の小頭症や低身長・低体重、視覚や聴覚の問題、発話や認知機能の問題といった胎児性アルコール・スペクトラム障害(FASD)につながることが明らかにされている。
今回の研究でMamluk氏らは、妊娠中の少量のアルコール摂取(週32g以下のアルコール摂取と定義)による児への影響を調べた過去の研究結果を検索し、26件の研究を特定。

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これらの研究のデータを統合して解析した。
なお、32gのアルコールは、アルコール度数が高めのビールであればジョッキ1杯、白ワインであればミディアムサイズのグラス1杯に相当するという。
その結果、妊娠中の少量のアルコール摂取による低出生体重や早産のリスクへの影響について検討した研究はあったが、それ以外の医学的問題に対する影響については十分なデータがないことが判明した。
また、26件中7件の研究を解析した結果、妊娠中に少量のアルコールを摂取した母親から生まれた児では、全くアルコールを摂取しなかった母親から生まれた児と比べて低出生体重となるリスクが8%高いことが明らかになった。
さらに、9件の研究を解析した結果、妊娠中に少量のアルコールを摂取した母親から生まれた児では早産となるリスクも10%高いことが分かったが、この関連は統計学的に有意ではなかった。
ただ、今回の解析の対象となった研究の中には母親の喫煙や経済的な状況による影響が考慮されていないものがあるなどの限界もあるため、この解析結果は決定的なものとはいえないとMamluk氏らは説明している。
この研究結果は「BMJOpen」8月3日オンライン版に掲載された。

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