妊娠中期のトラブル、出血の原因と対処法

妊娠中期の出血について

妊娠中期は安定期とも呼ばれていますよね。そんな時期に出血が見られると不安になってしまうのも頷ける話です。妊娠中期の出血には、様々な原因が考えられます。心配いらないものから、急を要する病的なものまで。出血が起こる原因から対処法まで解説します。
  1. 1.妊娠中期の出血の種類と特徴
  2. 2.妊娠中期の出血の原因
  3. 3.出血したときの対処法
  4. 4.まずは冷静に!

妊娠中期の出血の種類と特徴

妊娠中期は安定期とも呼ばれ、妊娠期間中で最も母子の状態が安定している時期です。
安定期という言葉によって、お母さんもついつい安心しがちになります。
そのため妊娠中期に出血が起こると、お母さんも周囲もパニック状態に…
まずは冷静に出血の状態を観察し、急を要する状態なのか、様子見でも大丈夫なのかを見極めましょう。

チェックしたい情報
出血が起こったときには、まず一番大切なのは落ち着くことです。
医師は出血の現場を見ていません。
お母さんが正確に状況を把握し、医師にできるだけ多くの情報を伝えられるようにしてください。
出血がみられた際にチェックしておきたいのはこんな情報です。

出血量:どの程度の出血量があったか(生理〇日目くらいなど、具体的に)
色:真っ赤な鮮血なのか、茶色っぽいのか
血液の状態:サラサラなのか、血の塊はあるか、おりもののように粘調なのか
期間:出血はいつ起こったか、今も続いているか、出血量は増えているか、変わらないか、減ってきたか
随伴症状:出血以外の症状があるか(腹痛や頭痛、めまいなど、気になることは何でも)

これらの情報をメモしておくと、受診の際に大変有力な情報となります。

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急を要するもの
至急、受診が必要となる出血の特徴はこのようなものがあります。

  • 生理よりも出血量が多い
  • 腹痛も伴う
  • 血の塊などが混じっている
  • 真っ赤な鮮血
  • 出血がおさまらない
  • 出血量がどんどん増えていく
  • 子宮がギューッと収縮するような感じがする

これらはみな流産や早産、胎盤がはがれかけているなどが起こり始めている兆候です。

赤ちゃんだけでなくお母さん自身も危険な状態の恐れもありますから、すぐに受診をしましょう。

様子見で大丈夫なもの
妊娠中の出血はそれほど珍しいことではありません。
とりあえずは様子見でも大丈夫な状況は次のような場合です。

  • 出血量が少量
  • すぐに出血がとまった
  • 腹痛がないあってもごくわずか
  • 茶色のおりもののような出血
  • 生理用品などが必要ない程度の出血
  • 出血量が増えていかない

このような場合は、ひとまず安静にして様子を見ましょう。
徐々に出血量が増えて行ったり、腹痛が強くなってきたりしたら、かかりつけの産科に連絡して指示を仰ぎます。
その時のためにも、出血に関する情報を記録しておくのを忘れないでください。

妊娠中期の出血の原因

妊娠中期に起こる出血の多くは一時的なもので問題ない場合がほとんどです。
しかし中には急を要する出血の場合もありますよね。そんな時に考えられる原因にはこのようなものがあります。

切迫流産・切迫早産
切迫流産・切迫早産とは、赤ちゃんが流産や早産をしかかっている状態のことを言います。
妊娠22週未満で起こるのが切迫流産、妊娠22週以降~妊娠37週未満で起こるのが切迫早産です。
切迫流産や切迫早産では、まだ赤ちゃんをつなぎとめる可能性が残されています。早急に適切な処置を行うことが何より大切です。
速やかな受診が欠かせません。

前置胎盤・低置胎盤
通常、胎盤は子宮の上側~側面に作られます。しかし、なかには正常な位置ではないところに胎盤が形成されてしまう場合もあるのです。
子宮口をふさぐような位置に胎盤が形成されてしまうことを「前置胎盤(ぜんちたいばん)」と言い、子宮口にはかかっていなくても、かなり近い位置に胎盤が作られている状態を「低置胎盤(ていちたいばん)」と呼んでいます。
このような位置の胎盤は、妊娠中期以降に子宮が大きくなっていくにつれて、子宮からはがれやすくなります。その結果、出血が起こるのです。
一時的なものの場合もありますが、切迫流産や切迫早産、これから紹介する胎盤剥離につながる恐れがあります。

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早期胎盤剥離
早期胎盤剥離(そうきたいばんはくり)とは、赤ちゃんが産まれる前に胎盤がはがれてきてしまうことを言います。
胎盤は赤ちゃんにとってまさに命綱。これが子宮からはがれてしまうことは命に関わります。
また、胎盤剥離では大量出血を起こす可能性が非常に高く、お母さんの命も危険な状態になるリスクも非常に高いのです。
前置胎盤や低置胎盤では特に起こりやすいですが、胎盤の位置が正常であったとしても油断はできません。高血圧や喫煙、逆子をなおすための処置などが原因となることも考えられます。

びらん・ポリープ
びらんとは粘膜の表面がただれている状態のことをいいます。産道などにできやすいのが特徴で、性交渉や内診などの刺激によって微量の出血を起こすこともあります。
びらんによる出血では、痛みを伴うことがありますが、場所は下腹部ではなく、膣周辺におこります。通常、出血も一時的で、流産の兆候を示すほどの量ではありません。
ポリープとは良性の腫瘍のことです。子宮内膜や子宮頚管などの粘膜部分にできることが多く、こちらもちょっとした刺激によって出血が起こることがあります。
ポリープによる出血も、びらんと同様に一時的なものです。
ポリープの大きさや数によっては出産前に切除を行う場合もありますが、医師によって見解の分かれるところです。
基本的にびらんやポリープが原因の出血は、妊娠の継続には支障がありません。

子宮頸管無力症
子宮頚管とは、子宮と産道(膣)をつないでいる部分で、子宮口を閉じさせている場所です。出産時期までは、子宮頚部が閉じていることで子宮口が開くのを防いでくれています。
しかし子宮頚管の筋肉が何らかの理由で十分でない場合、子宮口が開いてきてしまいます。これを子宮頚管無力症(しきゅうけいかんむりょくしょう)と言います。
子宮頚管無力症によって、流産や早産のリスクにつながります。その兆候として出血がみられる場合があるのです。

出血したときの対処法

妊娠中期に起こる出血には様々な原因がありますから、それによって対処方法も異なってきます。
出血時の原則や、原因別の対処法を紹介しましょう。

原因によって対処法は異なる
1.切迫流産・切迫早産
基本的には絶対安静とします。そのうえで、子宮収縮を抑えるための薬を使用し、流産や早産の状態が落ち着くのを待ちます。感染予防のために抗生物質などが併用される場合もあり得ます。
2.子宮頚管無力症
開きかけている子宮頚管をしばる子宮頚管縫縮術という治療が行われます。
3.前置胎盤・低置胎盤
赤ちゃんの状態を確認し、心拍などの低下がみられた場合は、緊急で帝王切開を行います。赤ちゃんやお母さんの命に関わる問題になってくるため、とにかく妊娠を終了させて胎盤などを体の外に出す必要があるためです。
妊娠34週未満での出産となってしまう場合、赤ちゃんが自分で呼吸を保てるまでは呼吸器系が発達していない可能性があります。そのため、お母さんにステロイド投与を行う場合も考えられます。

原則は安静
出血が起こったときは、原因はなんにせよ、出血がとまるまでは安静を保ちます。
安静とは「トイレ・食事・シャワー(場合によってはシャワーはNG)」以外の時間はずっとベッドで横になっていることを言います。
家事や仕事なども当然お休みです。自宅での安静で対応可能な場合もありますが、環境的に安静が保証されない場合は入院指示が出る場合もあります。
安静については、配偶者や家族、職場の理解が欠かせません。赤ちゃんやお母さんの状態を十分に説明しましょう。

まずは冷静に!

実際に出血が起こると、頭ではわかっているつもりでもパニックに陥ってしまうお母さんは決して少なくありません。

しかし、まずはいったん落ち着いてください。周囲に誰かがいる場合は必ず助けを呼びましょう。
そして出血状態をできるだけわかりやすく具体的に記録します。
それによって受診時の処置がスムーズに進みやすくなるためです。
まずは深呼吸して落ち着く。出血時に一番大切なことです。

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