もう少しで出産!妊娠後期に気をつけたい食事と体重管理

妊娠後期について

はじめに
妊娠初期、妊娠中期を超え妊娠後期になるといよいよ出産への期間が短くなります。
この記事では妊娠後期の食事と体重管理の方法についてまとめました。
妊娠後期とは
妊娠後期とは、妊娠37週0日から妊娠39週6日目までを言います。
この時期は臨月とも呼ばれ、出産に向けて母子ともに様々な変化が訪れます。

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妊娠後期に起こる変化
妊娠後期になると、赤ちゃんの体はどんどん大きくなります。
すると胃や腸、膀胱が子宮によって圧迫されてくるようになり、お母さんの体に様々な不調が現れてくるのです。
例えば、
- 胃が圧迫されるのであまり食べられない、胃もたれや胸やけがする
- 腸の圧迫によって便秘がちになる
- 膀胱が圧迫されるので頻尿になる、尿漏れをする
などです。
さらに、骨盤が開いてくることによって、腰痛や恥骨部痛などといった体の痛みを覚える人もいます。
そのほか、むくみや多汗なども頻繁にみられる症状です。
また、貧血や糖尿などに特に注意が必要となるのも後期の特徴です。
妊娠後期に必要な栄養素
妊娠後期になると、体は出産モードになるため、水分や脂肪分をため込みやすくなります。
さらに、赤ちゃんに必要となるカルシウムや鉄分が不足しがちです。
妊娠後期に摂取したい栄養素についてまとめました。
たんぱく質
たんぱく質は筋肉のもとになります。
安産のためには、十分な筋肉がついていることが望まれます。
運動の効果を最大限に引き出すためにも、良質なたんぱく質を摂取しましょう。
鉄分
妊娠中は鉄欠乏性の貧血が起こりやすくなります。
血液中の鉄分は、酸素の運搬という非常に重要な役目を持っています。
鉄分の不足は、お母さんにも赤ちゃんにも十分な酸素や栄養が行き届かなくなることを意味しているのです。

食物繊維
便秘に効果が期待できるといえば食物繊維があると思います。
ですが、食物繊維には2種類あることをご存知でしたか?
ひとつは不溶性食物繊維。もうひとつは水溶性食物繊維です。
不溶性食物繊維は、いわゆる食物繊維のことで、便のカサを増やしてくれます。
一方、水溶性食物繊維は、便を柔らかくして動きをスムーズにしてくれます。
妊娠後期の便秘の原因は、腸の動きが妨げられることにあります。
ですから、この時期に摂取する必要があるのは水溶性食物繊維です。
不溶性食物繊維を摂ってしまうと、逆に便秘が悪化する可能性があるのでご注意を。
カルシウムとビタミンD
カルシウムは骨を作るだけではありません。じつは血液凝固に欠かせない成分です。
妊娠中に不足したカルシウムは、骨から溶け出して体内に補充されます。つまり、カルシウムの不足によって骨や歯がもろくなってしまう恐れがあります。
さらに、カルシウム不足によって止血しにくい状態になりますから、お産の時の大量出血につながりかねません。
そのように重要な役目を持つカルシウムですが、難点として「体内に吸収されにくい」ことがあげられます。
カルシウム単体で摂取しても、ほとんどが体外に排出されてしまうのです。
カルシウムが効率的に吸収されるためにはビタミンDも同時に摂取する必要があります。

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妊娠後期の体重と食事の管理
妊娠後期に必要な栄養素について触れてきました。
それでは次に、過剰摂取に注意したい栄養素についてお話します。
これは体重管理とも深い関係がありますので、あわせてお読みください。
妊娠後期になると体重は一気に増えだす
妊娠後期になると、体重が一気に増加し始めます。
当然、赤ちゃんや羊水・胎盤などの重さも増えるのですが、それ以上にお母さん自身が増えすぎていないかの注意が必要です。
お母さん側の原因としてあげられるのが、糖分や脂肪分の過剰摂取とむくみです。
妊娠後期になると、無性に甘いものを食べたくなる人が多いようです。
出産や育児に備えての本能的なものなのでしょうが、産道に脂肪がつきすぎてしまうことはお産のリスクにしかなりません。
脂肪によって産道が狭くなり、赤ちゃんがスムーズに通り抜けることができなくなってしまうからです。
もう一つの要因であるむくみですが、特に後期では下半身に顕著に現れます。
その理由は、大きくなった子宮が足の付け根の欠陥を圧迫することにあります。それによって、下半身から心臓まで血液が戻りにくくなります。
これが後期のむくみの原因です。
下半身のむくみによって、老廃物を含んだ血液が腎臓まで十分に届きませんから、妊娠高血圧症などの原因となることもあるのです。
妊娠後期に摂りすぎないようにしたい栄養素
妊娠後期の体重管理のために避けたい栄養素はずばり3つ。
糖分と脂肪分、そして塩分です。
理由は先に述べたとおり。
甘いものの中には脂肪分があまり含まれていないものもありますが、糖質も摂りすぎれば脂肪に代わります。
さらに、塩分の過剰摂取は余計に体に水分をため込もうとしますから、むくみの原因となります。
調味料や風味、うま味などを利用しながら、甘いものや塩辛いものの摂りすぎに注意してください。
定期的な運動を
体重管理のポイントとして、食事のほかにも運動があります。
特に、妊娠後期の運動はメリットばかり。
- 出産に向けた柔軟な筋肉を作る
- 摂りすぎたエネルギーを消費する
- 心肺機能の強化
- 主に股関節を柔らかくする
- 腰痛などの予防や改善
- 血流が促進されるのでむくみの軽減
運動は、妊娠後期に起こりがちなトラブルを防ぐだけでなく、安産に向けた体を作る効果も持っているのです。
とはいえ、大きなおなかでの無理な運動は危険です。妊娠後期に適している運動は、ウォーキングやストレッチ、マタニティヨガ、温水プールなどです。
ただし、不安定な動作や腹圧のかかる動作は行わないように注意してください。
また、おなかの張りを感じたらすぐに中止しましょう。
妊娠後期におすすめのレシピ
妊娠後期の栄養で積極的に摂取したいものは
- たんぱく質
- 鉄分
- 水溶性食物繊維
- カルシウム
- ビタミンD
一方、控えたいものは
- 糖分
- 脂肪分
- 塩分
これらを考慮に入れながら、妊娠後期にお勧めのレシピを紹介します。
鮭も入ったクラムチャウダー
アサリと牛乳で作るあったかスープがクラムチャウダーです。そこに鮭の切り身を追加すると、これだけの栄養摂取が可能となります。
- カルシウム
- 鉄分
- ビタミンD
- たんぱく質
さらに、アサリのうまみで減塩も可能。
牛乳を低脂肪乳に変えることで脂肪分の摂取量も減らすことができます。
クラムチャウダーの作り方はとっても簡単です。
- 野菜とアサリ、鮭をバターで炒める
- 少量ずつ小麦粉を加える
- 水を足して煮込む
- 最後に牛乳を入れてとろみがつくまで加熱
アサリは殻付きのもののほうが「だし」が出るのでおススメです。
しらすとオクラ・長いものサラダ
しらすにはカルシウムがたっぷりです。
さらにビタミンDも豊富なので、貧血対策にはもってこいの食材といえます。
そしてオクラと長いもですが、この二つの食材に共通するのがネバネバ。これが水溶性食物繊維です。
貧血と便秘解消効果が期待できるのがこのレシピです。
手順もいたって簡単。
- 長いもと茹でたオクラを食べやすい大きさに切る
- しらすと和える
- 刻みのりや鰹節をちらす
ただし、しらすには塩分が含まれています。
刻みのりや鰹節などのトッピングで風味を出し、ドレッシングや調味料は最小限に抑えましょう。
甘いものが食べたくなったら
たっぷりの生クリームやチョコレートが不意に食べたくなる事があると思いますが
そんな時に代用できるのがヨーグルトとココアです。
ヨーグルトを水切りすると、もったりとした濃厚な食感に変わります。程よく酸味も抜けるので、まるでクリームを口に入れている感じが味わえます。
低脂肪のヨーグルトを使えば、カルシウムとたんぱく質も同時摂取できます。
そしてお次はココア。
基本的にチョコレートとココアは同じものからできています。
バナナにココアパウダーを振りかけるだけでも立派なスイーツの完成です。
その際、バナナはシュガースポットのある完熟したものがおススメで
バナナにはカリウムが豊富なので、むくみの軽減効果も持っています。

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まとめ
いかがでしたか?
妊娠中の栄養管理の重要性やポイントはご参考になりましたでしょうか?
食事と運動を効果的に組み合わせながら、栄養管理と体重管理を行いましょう。
しかし何事も、過ぎたるは及ばざるがごとし。
ストレスや危険のない範囲で楽しみながら、残り少なくなってきたマタニティライフを満喫しましょう。

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