妊娠したら食事も変える?妊娠初期に摂るべき栄養とは?

妊娠初期に摂るべき栄養について

妊娠初期には赤ちゃんにとって重要な器官が出来上がっていきます。お母さんもつわりでしんどい期間でもあります。

食事が大切とはわかっていても、栄養管理が思うように行かない場合も少なくないでしょう。
そこで今回は、最低限押さえておきたい妊娠初期の栄養について解説します。

  1. 1.妊娠初期とは
  2. 2.妊娠初期に摂りたい栄養素と食材
  3. 3.妊娠初期に避けたい食べ物
  4. 4.当然アルコールやたばこはNG!

妊娠初期とは

妊娠初期とは、妊娠0週0日~妊娠15週6日目までの期間を言います。
最後の生理が始まった日を0週0日とみなし、0日目~6日目までの7日間を1週間と数えます。
妊娠初期にはお母さんと赤ちゃんにはたくさんの変化が訪れます。

妊娠初期のお母さんに訪れる変化
妊娠初期にお母さんに起こる最大の変化は「つわり」の出現です。
つわりは早い人で妊娠4~5週目ごろから見られます。ピークは妊娠8~12週ごろで、胎盤が完成する妊娠15~16週ごろには落ち着いてくるのが一般的です。
つわり中は、ニオイや食べ物に敏感になり嘔吐を繰り返したり、眠気や不眠、胃のむかつきや頻尿・便秘など、様々な不快な症状が現れます。
お母さんにとって最初の試練がつわりと言えるでしょう。

妊娠初期の赤ちゃんの状態
赤ちゃんが子宮に着床することを妊娠の成立とみなします。
それは排卵日から約1週間後。つまり、実質的に妊娠がスタートするのは妊娠4週目からです。
妊娠4週目ごろからは、赤ちゃんは細胞分裂を繰り返しながら、少しずつ人間の形になっていきます。
そんな妊娠初期には生きていくうえで一番重要な脳や神経系、内臓などの原型が作られていきます。妊娠初期のアルコールや薬の服用が特に注意とされているのは、これが理由です。
妊娠初期も終盤になってくると、身長が20センチ程度、体重も20グラム程度にまで成長。エコー画像で手足や鼻などが確認できるようになってきます。

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妊娠初期に摂りたい栄養素と食材

妊娠初期にはつわりもあり、思うように栄養摂取がコントロールできない時期でもあります。
そんななかでも「これだけは!」という栄養素を紹介します。
つわりの時期でも食べやすいと思われる代表的な食材もあわせてご覧ください。
重要なのは、「コレばかり」という単品食べをしないこと。食べられる範囲で構わないので、できるだけ多くの食品を組み合わせるようにするとベターです。

1.葉酸
葉酸とは、ビタミン類の一種です。主に細胞分裂を促進してくれる作用を持っています。
妊娠中、特に初期に積極的な葉酸摂取が勧められる理由として、

・赤ちゃんの神経系の発達を正常にする
・赤ちゃんの奇形を防ぐ

などがあげられます。

お母さんの貧血予防にも効果的ですから、ぜひ葉酸を積極的に摂取しましょう。

葉酸の摂取量の目安とおすすめ食材
葉酸の1日の摂取量は480マイクロミリグラム(μmg)が推奨されています。
葉酸を多く含んでいる食材として有名なのはレバー類や枝豆、いちご、アボカドなどがあります。
それぞれの摂取量としては

・レバー:約40グラム
・枝豆(粒の状態):約150グラム(約80さや)
・いちご:約500グラム(1パック半)
・アボカド:約50グラム(半個)

このなかでつわり中でも食べられそうなものは、いちごや枝豆などでしょうか?これらは他のビタミン類やたんぱく質も豊富ですからおススメです。

2.食物繊維
妊娠初期はホルモンバランスの変化やつわりによって便秘になりやすくなります。
腸の動きが抑制されがちになるためです。そこでおすすめなのが食物繊維。
食物繊維には不溶性と水溶性の2種類があります。

・不溶性食物繊維:便のカサを増やしてくれる
・水溶性食物繊維:便の動きをスムーズにしてくれる

どちらか片方だけの摂取では便秘改善効果が薄いため、両方ともバランスよく摂取しましょう。

食物繊維の摂取量の目安とおすすめ食材
食物繊維の1日の摂取量は17グラムが適量とされています。不溶性・水溶性をバランスよくとり、水分も多めにとることが重要です。

不溶性食物繊維を多く含んでいる食材には豆類、キノコ、キャベツなどがあります。
それぞれの摂取量の目安は

・キノコ:20~30グラム(エリンギだと3~4本程度)
・キャベツ:500グラム(半個)

水溶性食物繊維を多く含んでいる食材には、海藻、オクラ、山芋などがあります。
それぞれの摂取量の目安は

・オクラ:5本程度
・海藻:250グラム

枝豆は水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の両方をバランスよく含んでいます。さらに葉酸も多いため、妊娠初期には積極的に摂りたい食品です。

3.ビタミンB1
ビタミンB1はチアミンとも呼ばれます。糖質の代謝を助けたり、脳内の神経伝達物質の合成に必要となる成分です。
つわりの時期にはビタミンB1が不足しがちになります。するとエネルギー代謝に異常をきたしたり、手足のしびれなどの神経症状が現れたりすることも。
お母さんの健康維持には欠かせないビタミンのひとつです。

ビタミンB1の摂取量の目安とおすすめ食材
ビタミンB1は水溶性ビタミンです。多くとりすぎても、不要な分は尿として体外に排出されるため、過剰摂取の心配はありません。
ビタミンB1の1日の摂取量は1.1ミリグラムが推奨されています。
ビタミンB1を豊富に含む食材には豚肉、うなぎがあります。
豚肉は、低脂肪で高たんぱくなヒレ部分が特におすすめです。
それぞれの摂取量の目安は

・豚肉:100グラム
・うなぎ:200グラム(1尾)

そのほかにも、ナッツ類や豆類にもビタミンB1は豊富に含まれています。

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妊娠初期に避けたい食べ物

妊娠初期に積極的に摂取したい栄養素があるように、過剰摂取を避けたい栄養素や成分も存在しています。
これから紹介する栄養素の過剰摂取は、赤ちゃんに影響を及ぼすリスクもありますから、過剰な摂取は控えたほうがよさそうです。

1.ビタミンA
ビタミンAは脂溶性ビタミンです。
水溶性のビタミンとは違って、過剰に摂りすぎた分は体内に蓄積されていくのです。
ビタミンAの過剰摂取は、赤ちゃんが奇形になりやすくなるということがわかっています(催奇形性といいます)。重要な器官が作られ始める妊娠初期には特に注意が必要です。

2.カフェイン
カフェインというのは、思いのほか様々な食品に含まれています。
コーヒーだけでなく、紅茶や緑茶、ウーロン茶。それにコーラや栄養ドリンクなど。
そしてチョコレートにもカフェインは含まれています。
カフェインにも催奇形性があることがわかっているため、過剰摂取は避けたいところです。

普通の食事からの摂取は問題なし
催奇形性を持つビタミンAとカフェイン。
過剰摂取がNGとはわかっていても、いったいどれくらいの量からが問題になってくるのかが肝心ですよね。

これらの成分に対して、過度に敏感になる必要はありません。普段の食事から摂取する程度ならば、赤ちゃんに影響するほどの量にはならないからです。
特にビタミンAについては、栄養不足を補おうとしてサプリメントを併用しているお母さんもいるかもしれません。そんな場合は要注意。マルチビタミンタイプですと、蓄積されていくビタミンAの量が過剰になる恐れがあります。

カフェインも、実は1日の摂取量を合計してみると思ったよりも摂取しているケースが考えられます。カフェインフリーの製品を選ぶ・普段よりも少し控えめにするなごの工夫をしてみてください。

当然アルコールやたばこはNG!

さて、妊娠初期に積極的に摂りたい栄養、逆に過剰摂取に気を付けたい栄養を紹介してきました。
当然ながら、妊娠中のアルコールや喫煙は絶対にNGです。
妊娠中は、お母さんと赤ちゃんの体はつながっています。お母さんが飲酒や喫煙をするということは、赤ちゃんも同じようにアルコールを摂取したばこを吸っているのと同じなのです。
うまれたばかりの小さな命。そしてお母さんにすべてをゆだねるしかないのが妊娠中の赤ちゃんです。
「ちょっとくらいなら問題ない」とは言われていたとしても、習慣性があるのがたばことお酒。一度だけでは済まない可能性は十分に考えられますよね。
パパや周囲の人とも協力をしながら、妊娠期間中だけでもお休みしてみてください。

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