トイレに行きっぱなし‼妊娠初期になぜ頻尿になるの?

妊娠初期の頻尿について

妊娠した途端、頻尿なってしまった方の為に、妊娠初期の頻尿の原因と頻尿によって起こる病気・予防、対策をご紹介します。
はじめに
妊娠初期はホルモンバランスの変化によって、様々な身体の変化が起こります。
頻尿もその中のひとつで、多くの妊婦さんが経験する症状です。
では、どうして妊娠すると頻尿になるのでしょう?また、どのように対策すればよいのでしょう?
今回は、妊娠初期の頻尿の原因と頻尿によって起こる病気・予防、対策をご紹介します。
妊娠初期の頻尿や残尿感とは
頻尿の症状は着床した頃から妊娠16週までと、妊娠28週以降に起こりやすいです。
尿意が頻繁になる他、くしゃみした時や重い物を持った時等、ちょっとした事で尿が出てしまう事があります。
尿漏れは羞恥心やショックを受ける方も多いですが、妊娠中には良くある事です。
日本泌尿器学会では「朝起きてから寝るまでの排尿回数が8回以上だと頻尿の可能性がある」としていますが、頻尿に明確な定義はありません。
普段に比べてトイレに行く回数が多いと感じれば、頻尿と診断される場合もあります。
妊娠初期の頻尿は生理的なものなので、そこまで深刻になる必要はありませんが、あまりに頻度が多い場合、そしてそれが持続的に続く場合は専門医に相談しましょう。

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妊娠初期頻尿の原因
妊娠初期の頻尿には大きく分けて3つの原因が考えられます。
1.腎機能が活発になる
妊娠すると一気に血液の量が多くなり、それを身体に溜め込まないように腎機能も上がります。
腎機能が活発になると尿が排出されやすくなるので尿の量が増えます。
そのため、頻繁に尿意を感じるようになります。
2.膀胱が圧迫される
胎児が育つ子宮は前に膀胱、後ろに直腸と臓器に囲まれています。
胎児が育つにしたがい、膀胱が圧迫され、尿を溜める容積が小さくなります。
妊娠初期の胎児は小さく、膀胱を圧迫するとは思わないかもしれませんが、子宮は通常、7cm程で、重さは約50gしかない小さな臓器です。
そのため、少し大きくなっただけで周りの臓器を圧迫することになります。
妊娠中期に入ると完成した胎盤が子宮の上部に移動し、膀胱の圧迫が軽減されるため、頻尿が改善されます。
3.ホルモンの変化
妊娠初期は様々なホルモンが分泌されます。
その中の黄体ホルモンには子宮や膀胱筋肉を弛緩させる働きがあります。
そして黄体ホルモンは授精卵が着床すると分泌量が増えます。
更に利尿作用もあり、これによって頻尿や思わぬ尿漏れを引き起こします。
この黄体ホルモンは排卵日くらいから増えるので月経前症候群として頻尿になる方もいます。
頻尿が原因で起こる病気とその予防
妊娠初期はホルモンバランスが乱れやすく、免疫力が低下しやすい時期です。
それに加えておりものの量も増え、膀胱炎を発症しやすくなっています。
また、トイレに行っても一度に排泄される尿量が少ないからと尿を我慢してしまう方もいますが、これも膀胱炎の原因の1つです。
膀胱炎は鋭い痛みや残尿感が主な症状です。
これらを感じたときは医師に相談し、早めに治療しましょう。
ただ、妊娠中に薬を飲むと、胎児に影響があるのではないかと心配なるのではないでしょうか?
膀胱炎が軽度の場合は薬を内服せずに休息と栄養補給で治療することもできます。
こうすることで免疫を高め、水分を多くとって細菌を尿で流すのです。

免疫力を上げると、膀胱炎の再発や、カンジダ膣炎等の感染症の罹患を防ぐ事ができます。
次のことを実践しましょう!
1.朝から内臓を温めよう
朝から内臓を温める事で代謝が上がり、冷えの予防にも繋がります。
内臓の機能が低下すると感染症に罹患しやすくなってしまいます。
具体的には朝に温かい白湯やお茶をゆっくり飲むと良いです。
2.免疫力を高める食品を食事に取り入れよう。
免疫力を高める食品は沢山ありますが、代表的なものを挙げておきます。
①ヨーグルト
ヨーグルトには乳酸菌が多く含まれており、腸の動きを良くし、内臓を活発にします。
またつわりが酷い方でも食べやすく、補助食としてもお勧めできます。
食べつわりの方でもカロリーが控えめなヨーグルトであれば安心です。
②梅干し
梅干しに含まれているクエン酸という物質が錆びない身体を作るのに重要な役割を担ってくれます。
また、疲労回復や妊娠中の食欲不振を改善することもできます。
ただし塩分が多いので毎食の摂取は避けましょう。目安は1日1個です。
③長芋
長芋は新陳代謝を上げて、身体の詰まりを予防します。
また、たんぱく質の吸収をサポートするので、消化が悪いときにも取り入れて欲しい食品です。
3.ウォーキングをしよう
妊娠中は激しい運動は出来ませんが、ウォーキングであれば可能です。
また、呼吸を意識しながら歩くと、血行が良くなって血中の白血球に存在している免疫細胞が活発になります。

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4.ストレスを溜めない
ストレスが溜まると免疫力が落ちてしまいます。
妊娠中も、出産後も適度にストレスを発散しなければなりません。
ストレスを溜めてしまうと、赤ちゃんにも悪い影響を及ぼすので、自分なりにストレスを発散する方法を探しておきましょう。
5.夜更かしせずに適度な睡眠を心がける
しっかりと睡眠をとる事も免疫力の維持に必要な事です。
人は眠っている時に疲労やストレスを緩和するホルモンを分泌します。
毎日7時間程の睡眠をしっかりとりましょう!
就寝時間を決めて規則正しい生活を送りましょう。
膀胱炎が進行すると膀胱から菌が繁殖して炎症が広がってしまい、腎盂炎に罹患する恐れがあります。
腎盂炎は38~40℃位の高熱や激しい腹痛、腰痛等を伴い、この感染が腹部に広まってしまうと腹膜炎を併発する事もあります。
腎盂炎の場合、入院して治療する必要が出てくるので、そうなる前にしっかりと治療しましょう。
頻尿の対策
ここでは頻尿対策のポイントを3つ挙げておきます。
1.排尿を我慢しない
尿意を感じたら我慢せずトイレに行きましょう。
頻尿の場合、何度もトイレに行くのが面倒くさくなるかもしれませんが、トイレを我慢すると膀胱炎を引き起こす原因になります。
2.冷たい飲み物を避ける
夏場は冷たい飲み物を飲みたくなると思いますが、冷たい飲み物は身体を冷やしてしまい、筋肉が収縮してしまうので、頻尿が酷くなることがあります。
3.専用のナプキンや尿とりバッドを活用しよう
妊娠中の尿漏れは生理現象なので、どんなに気を付けていても起こることがあります。
今は妊婦さん様の消臭効果のあるおりものや尿漏れシートが販売されています。
尿漏れは一時的なものなので、妊娠中は仕方ないと割り切って、こういうアイテムを活用するのもよいでしょう。
ただし、交換はマメに行って下さい。
汚れたままにしておくと菌が繁殖して思わぬトラブルを起こす事があります。
まとめ
今回は、妊娠初期の頻尿の原因と頻尿によって起こる病気と予防法、対策をご紹介しました。
妊娠初期の頻尿は誰にでも起こり得る生理現象です。
頻尿は憂鬱になる方も多いですが、頻尿の予防や対策方法を実践し、うまく付き合っていきましょう!

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