妊娠中の高血圧で子どもの肥満リスク1.5倍

妊娠中に血圧の上昇がみられた母親から生まれた子どもは、肥満になりやすい可能性があることが中国の研究で示された。

研究を実施した青島大学(中国)・英ケンブリッジ大学のJu-Sheng Zheng氏らによると、妊娠中期に高血圧が認められた母親から生まれた子どもは、正常血圧だった母親から生まれた子どもと比べて5歳前後に過体重または肥満となるリスクが約1.5倍に高まることが示唆されたという。
詳細は「Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism」9月27日オンライン版に掲載された。

Zheng氏らは今回、妊娠中の血圧値と出生児の体重との関連を調べるため、1999~2013年に中国の南東部で登録された母子8万8,406組を対象とした前向きコホート研究を実施した。
高血圧は収縮期血圧140mmHg以上、拡張期血圧90mmHg以上と定義し、体重は子どもが4~7歳の時に測定した。

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その結果、妊娠前は正常血圧だったが妊娠中期(第2トリメスター;妊娠14~27週)に高血圧が認められた母親から生まれた子どもは、妊娠中も血圧が正常だった母親から生まれた子どもと比べて4~7歳時に過体重または肥満となる確率が49%高いことが分かった。
また、妊娠後期(第3トリメスター;同28~40週)での高血圧も、出生児が肥満となる確率を14%上昇させることが示された。

Zheng氏らによると、妊娠中の血圧値の上昇が出生児の過体重および肥満のリスクを高めることを示した研究はこれが初めて。さらに今回の研究では、高血圧の基準は満たさないが妊娠中の血圧値が正常高値だった女性から生まれた子どもも肥満リスクが上昇することが示されたとしている。

今回の研究は因果関係を証明するものではないが、Zheng氏は「この研究結果を踏まえると、全ての妊婦とその担当医は、妊娠中期から後期の血圧値を監視し、血圧上昇を抑える努力をすべきと考えられる」と話している。

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参考情報:リンク先
HealthDay News 2017年9月27日
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