妊娠中の携帯電話使用、胎児の脳への影響みられず


この研究では、妊娠中に母親が携帯電話を使用しても、その後生まれた子どもが3歳および5歳になった時の言語能力や運動能力への影響は認められなかったという。
今回の研究を実施したノルウェー公衆衛生研究所のEleniPapadopoulou氏によると、以前報告された研究結果を受け、携帯電話などから放出される電磁波が胎児に悪影響を与える可能性が懸念されてきた。
ただ、これらの研究は多くが動物実験で、結果も一貫していないという。

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そこで同氏らは、1999年から2008年までに登録された妊娠中期の女性とその子ども計4万5,389組のデータを用い、妊娠初期の携帯電話を使用した通話の頻度と子どもの3歳および5歳の時点の言語能力やコミュニケーション能力、運動能力を評価した。
その結果、3歳時点の評価では、妊娠中に携帯電話を使用していなかった母親から生まれた子どもと比べ、使用していた母親から生まれた子どもでは、複雑な文を話せないリスクが27%、正しい文法で話せないリスクが14%低く、中等度の言語発達遅滞がみられるリスクも31%低かった。
さらに、運動能力の低下リスクについても、妊娠中に携帯電話を使用していなかった母親から生まれた子どもと比べ、使用していた母親から生まれた子どもでは低かった。
ただし、5歳時点の評価ではこのような関連は認められなかったという。

また、むしろ妊娠中に携帯電話を使用していた母親から生まれた子どもの方が、発達レベルが高かったとする結果に関しては、「今回の研究で考慮されなかった社会的背景や家庭環境が影響した可能性もあり、慎重な解釈が必要だ」とした上で、「少なくとも妊娠中の携帯電話の使用について母親が抱いている不安を軽減する結果といえるだろう」と話している。

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