妊娠後期に起こるむくみの原因と解消法

妊娠後期のむくみについて

母子手帳の検診記録欄には、体重や腹囲だけでなく、浮腫(ふしゅ)を記録する欄がありますよね。浮腫とはむくみのことで、妊婦さんにとって重要な検査項目なのです。

特に注意が必要なのが妊娠後期。後期に見られるむくみの症状や原因、解消法を紹介します。

  1. 1.妊娠後期のむくみの症状
  2. 2.妊娠後期にむくみやすい原因
  3. 3.妊娠後期のむくみ解消法
  4. 4.減塩と循環の改善でむくみを解消しよう

妊娠後期のむくみの症状

妊娠中は全期間にわたってむくみやすい傾向にあります。
なかでも、特にむくみやすいのが妊娠後期。
後期のむくみにはどのような特徴があるのでしょう?

むくみはどうして起こる?
むくみとは、体内の水分が正常に体外に排出できなくなっていることから起こります。
この水分ととは、主に血液の中の水分です。
血液の中には血漿(けっしょう)という液体成分が存在しています。血漿は血管から徐々に細胞内に染み出し、水分量の調節を行っています。
そして多すぎる水分は再び血管に吸収されたり、リンパ液として血管に吸収されるようにできています。
水分量の調整を行っている臓器は腎臓です。
腎臓では血液中の老廃物や不要な水分をろ過して、尿として排出しています。
血流が阻害されることで、腎臓に十分な血液が運ばれなくなる結果、むくみが起こるのです。

妊娠後期には足のむくみが目立つ
妊娠後期のむくみの最大の特徴は、足がむくみやすくなることです。
もちろん足だけでなく、手もむくみやすくなり、結婚指輪が外せなくなる人もいます。
要するに、体の末端に行けば行くほどむくみやすいのです。

手足がむくむ一般的な理由
手足がむくみやすくなる原因は、重力と運動にあります。
地球上で生活するうえで、避けて通れないのが重力です。
これは血液も同じで、どうしても下から上へは血液は戻りにくくなります。
大概、手足は心臓よりも下にありますよね。そして心臓から離れた場所に位置しています。遠ければ、心臓まで戻るのには時間がかかったり、戻りきらなかったりします。
むくみが手足に出やすい理由は、心臓からの位置にあったのです。

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しかし、手よりも足のほうがむくみやすいのは重力だけが原因ではありません。
現代の生活では、足を動かすことが少なくなっていますよね。
足を動かすことは血流を促進しますから、心臓に血液が戻りやすくなります。

しかし、デスクワークや立ち仕事など、「歩く」ことが少ないと、むくんでしまうのです。
一方、手というのは動かす機会が多いですよね。パソコンや料理、書き物など、たいてい指先は動かしています。
これが、手は足よりもむくみにくい理由なのです。

妊娠後期にむくみやすい原因

子宮による圧迫
妊娠後期になると、大きくなった子宮が内臓や血管を圧迫してきます。
すると、鼠径部(そけいぶ:足の付け根)が圧迫されるようになります。
鼠径部には、太い血管やリンパ管が走っているため、そこが圧迫されることにより、下半身に血液やリンパ液がたまってしまうのです。
もともと女性は足などの下半身がむくみやすくできていますが、それが顕著になるのが妊娠後期なのです。

水分をため込みやすくなる
妊娠中には血液量が増加します。その量はなんと妊娠前の1.5倍にもなるのです。
血液は、赤血球や白血球などの固形成分と、血漿(けっしょう)という液体成分からできています。
妊娠中に増えるのは、主に液体成分である血漿。つまりほとんどが水分です。
さらに羊水を作るためにも、水分が必要となります。
このように、妊娠中はとにかく体が水分を欲する状態にあるのです。しかし、必要な水分が必要なところをめぐっていれば、むくみは起こりません。
水分をため込みやすくなるという妊娠中特有の体質に、子宮による圧迫から起こる循環障害が加わることで、むくみという症状が現れます。

塩分の摂りすぎ
しょっぱいものを食べるとのどが渇きますよね。
これは、高くなりすぎた体内のナトリウム濃度を元に戻そうとする自然な働きです。
要するに、体内の塩分を水で薄めているのです。
妊娠中は体内に水分をため込みやすくなることはご説明しました。そこに過剰な塩分が加わることで、体が余計に水分を求めるようになります。
当然、塩分によって過剰に摂取した水分も子宮の圧迫によって体の中に溜まったままになります。

妊娠後期のむくみ解消法

妊娠後期におこるむくみの根本的な原因は、下半身の血液・リンパ液の循環が悪くなることにあります。
つまり、下半身の循環を良くすることでむくみは解消することができるのです。妊娠後期のむくみ解消に効果的な方法を紹介します。

ウォーキング
足は第二の心臓と呼ばれています。心臓とは、いわば血液を送り出すポンプのようなものです。
足を動かすことによって、下半身に溜まりがちな血液やリンパ液を上半身まで戻すことができるので、このように言われるのですね。
足のむくみを改善するにはウォーキングが効果的です。
その際、腕も振りながら歩けば全身運動にもなります。全身運動によって、下半身のみならず全身の血流が促進されます。
むくみだけでなく、高血圧・高血糖の改善にも効果を発揮してくれるのがウォーキングなのです。

マッサージ
足のマッサージも循環を良くするのに効果的です。
むくみ解消に効果的なマッサージの方法を紹介します。
ポイントはマッサージの順番です。

1.足の指先から付け根にかけて揉む
2.足の裏をつま先からかかとの順で、さするように揉む
3.足首を回したり、アキレス腱をほぐしたりする
4.ふくらはぎを下から上に揉み上げる
5.膝を回したり、膝裏の腱をほぐすように揉む
6.太ももを下から上にさする
7.ももの付け根(鼠径部:そけいぶ)を指でくるくる回すようにほぐす

これを入浴後や運動の前後、寝る前などに行います。
痛みを感じない、気持ちいと感じる程度の力で行いましょう。
マッサージのポイントは、足の先から付け根に向かって順番に行っていくところにあります。
溜まっている水分を下から上に押し上げるようなイメージです。

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着圧ソックスを履く
マッサージと同じ効果を持つのが着圧ソックスです。
コスメショップやドラッグストアでも販売されていますよね。
着圧ソックスは場所によって締め付ける力が異なっています。それによって、下から上に向けての循環をサポートしてくれているのです。
着圧ソックスは、医療現場でも正式に採用されているむくみや血栓対策法です。単に美脚効果があると言われているのではなく、その裏には、循環の促進によるむくみの解消という根拠があったのですね。
ただし、圧が強すぎるものは却って循環の妨げとなりますから、適度な締め付けのものを選びましょう。

足を高くして寝る
むくみのそもそもの根源は地球の重力にあります。
ならばそれを逆手に取りましょう。
足が心臓よりも高い位置にあればいいのです。そうすれば自ずと低い位置になる心臓まで血液やリンパ液が戻っていきますよね。
当然、起きている状態でその体勢をとることはできませんから、チャンスは寝るときです。
ベッドに横になったら、足の下にまくらやクッションを入れて足を高くします。足首に負担のかからない角度になるように調整してください。
むくみだけでなく脚のだるさも取れますから、ぜひお試しください。
翌朝のすっきり感が違ってくるはずです。

減塩

塩分もむくみの原因の一つですから、食事の際に減塩を心がけましょう。

妊娠中の線分摂取量の目安は、1日7~8グラム程度です。血圧が高めの人は6グラム程度に抑えるほうがよいでしょう。
ちなみに、カップ麺1食分には約5グラムもの塩分が含まれています。塩分は意識的に抑えなければどうしても摂りすぎてしまうものです。
減塩でもおいしく食べる工夫をしましょう。
たとえば、

  • レモンや酢などの酸味を効かせる
  • だしをしっかりとる(顆粒だしには塩分が含まれています)
  • 暖かいものを食べる(冷たいと味を感じにくくなります)
  • ドレッシングやしょうゆなどは「かける」のではなく「つける」

このようなちょっとした工夫の積み重ねで、塩分摂取量は減らすことができます。

カリウムの摂取
減塩がうまくいかない場合、塩分排出効果を持つカリウムを摂取しましょう。
カリウムにはナトリウム(塩)と結びついて体の外に排出してくれる効果があります。
カリウムの豊富な食材を献立に取り入れることで、間接的な減塩効果が得られるのです。
カリウムの多い食材にはこんなものがあります。

  • バナナ
  • リンゴ
  • プルーン
  • 納豆
  • 海藻類

どれも手軽に食べられるものばかりですよね。

減塩と循環の改善でむくみを解消しよう

妊娠後期のむくみは、塩分と循環障害が大きな原因です。
むくみは放置しておくと妊娠高血圧症(妊娠中毒症)を招く、大変危険な兆候なのです。
食事や運動、体勢などをうまく組み合わせながら、むくみを解消していきましょう。

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