吐き気が辛い…そんな時に飲むプリンペランとは?

プリンペランについて

はじめに
食べ過ぎや飲み過ぎなどにより気持ち悪くなり吐き気がする、もしくは吐いてしまう…どれも辛いことです。そんな時に服用するのが吐き気止めです。吐き気を止める薬には様々なものがあります。
その中でも本項では医療機関でしか貰えないプリンペランについて解説します!
プリンペランとは?
プリンペランは1965年から販売された歴史の古い薬です。プリンペランとはメーカーが販売している商品名です。有効成分はメトクロプラミドです。錠剤、細粒、シロップ、注射薬が販売されています。
プリンペランは以下の場合における悪心・嘔吐・食欲不振・腹部膨満感に効果があります。
胃炎、胃・十二指腸潰瘍、胆嚢・胆道疾患、腎炎、尿毒症、乳幼児嘔吐、薬剤(制癌剤・抗生物質・抗結核剤・麻酔剤)投与時、胃内・気管内挿管時、放射線照射時、開腹術後
またX線の検査時に飲むバリウムの通りを良くする効果もあります。
プリンペランはなぜ効くの?
プリンペランがなぜ効くのかは、まず、なぜ嘔吐が起こるのかを説明しなければなりません。
嘔吐には二種類のタイプが存在します。中枢性嘔吐と末梢性嘔吐です。
中枢性の嘔吐は、延髄にある嘔吐中枢に刺激が加わったことにより生じる嘔吐です。その刺激とは精神的・心理的刺激、半規管からのくるものがあります。
末梢性の嘔吐は胸部、腹部等の臓器に生じた刺激が原因で反射的に生じるものです。

プリンペランの用法用量は?
成人の用量は?
成人の場合プリンペランは有効成分のメトクロプラミドとして1日10~30mgを2~3回に分割して食前に服用します。
飲み薬であれば
錠剤では2~6錠/日
細粒では0.5~1.5g/日
シロップでは10~30mL/日
となります。
小児では用量が違う
小児では用量が成人よりも少なめになります。
また体重に合わせて用量が変わってきます。
小児は、1日塩酸メトクロプラミドとして0.5~0.7mg/kg
小児によく使用されるシロップ剤であれば0.5~0.7mL/kg
これを2~3回に分割し、食前に飲みます。
プリンペランの副作用・注意事項は?
内分泌機能異常に注意
プリンペランの服用によってプロラクチン値が上昇することがあります。
プロラクチンは脳から分泌されるホルモンの一つで乳汁の合成や分泌、妊娠の維持に関わっています。
プリンペランの値が高いほど排卵抑制や乳汁分泌などの症状が現れるます。これらは無月経や不妊症の原因となりうります。
眠気・目眩に注意
プリンペランによって眠気やめまいが生じる事があります。
特に車やバイクを運転する人には注意が必要です。
ショック・アナフィラキシー様症状に注意
ショックとアナフィラキシーはアレルギーの様なものです。
症状としては呼吸困難、全身紅潮、血管浮腫、蕁麻疹などがあります。
不快感や口内異常感、喘息、眩暈、耳鳴り等があらわれた場合に症状が強ければすぐに服用を中止し、医療機関へ受診して下さい。
悪性症候群に注意
悪性症候群とは無動緘黙、強度の筋強剛、頻脈、発汗等の症状が起こり、その後発熱が起こる状態です。
特に恐ろしいのが高熱が持続して、意識障害、呼吸困難、循環虚脱、脱水症状、急性腎不全により死亡した例があることです。
長期投与による遅発性ジスキネジアに注意
ジスキネジアとは不随意運動とも呼ばれ、自身の意図しない所で筋肉が痙攣したりする病気です。プリンペランを長期間服用することによって口の周り等に不随意運動が起こる事があります。
高齢者の服用に注意
プリンペランは腎臓によって尿から排泄される為、腎臓の機能が弱っている高齢者では蓄積してしまい、副作用が出やすくなります。
プリンペランとほかの薬の飲み合わせは?
プリンペランと絶対に併用してはならないお薬は原因の所、報告されていません。
しかしながら、併用に注意しなければならないお薬がいくつか存在します。
・プロクロルペラジン、クロルプロマジン、チエチルペラジン等のフェノチアジン系薬剤
・ハロペリドール等のブチロフェノン系薬剤
これらの薬は抗不安薬などに使用されています。
プリンペランと併用により、高プロラクチン血症などの内分泌機能異常や、錐体外路症状が発現しやすくなりまります。
他にも、
レセルピン等のラウオルフィアアルカロイド薬剤
スルピリド、チアプリド等のベンザミド系薬剤
などがプリンペランと併用により、内分泌異常や錐体外路症状を引き起こすとされています。
カルバマゼピンというてんかんやうつ病に使われる薬ではカルバマゼピンの中毒症状(眠気、悪心・嘔吐、眩暈等)があらわれることがあります。
このようにプリンペランと併用に注意する薬は多くあります。医師・薬剤師に相互作用の予防・チェックして貰う為にもお薬手帳などを携帯しておきましょう。
最後に
プリンペランについて紹介しました。
吐き気止めとしては小児から成人まで幅広く使われる制吐薬です。
ただし、長期間の服用で副作用がでる恐れもあるので服用は症状が出ている間だけにしましょう。

治験・臨床試験は新しいお薬の開発に欠かせません。治験や疾患啓発の活動を通じてより多くの方に治験の理解を深めて頂く事を目指しています。治験について知る事で治験がより身近なものになるはずです。
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