蛋白尿とeGFR低値が認知機能低下と関連か 日本人高齢男性を分析、滋賀医大グループ

日本人高齢男性では、蛋白尿の存在と推算糸球体濾過量(eGFR)の低下はいずれも認知機能の低下と関連する可能性があることが、滋賀医科大学客員教授の藤吉朗氏(和歌山県立医科大学衛生学講座教授)らの研究グループによる横断研究で示された。これらの関連は、従来の循環器疾患危険因子とは独立して認められたという。詳細は「Journal of Epidemiology」5月25日オンライン版に掲載された。

 蛋白尿(アルブミン尿)やeGFR値の低下で定義される慢性腎臓病(CKD)は、認知機能低下や認知症の危険因子と考えられている。しかし、蛋白尿およびeGFR低値と認知機能との関連については、明らかでない部分も多い。藤吉氏らの研究グループは今回、地域在住の高齢男性を対象に横断研究を実施し、蛋白尿およびeGFR値の低下と認知機能低下との関連について調べた。

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 この研究は、滋賀県草津市からランダムに抽出した参加者(40~79歳)を対象とした滋賀動脈硬化疫学研究(SESSA)の男性1,094人のうち、追跡調査(2009~2014年)時に65歳以上で脳卒中の既往がなく、認知機能検査(cognitive abilities screening instrument;CASI)を受けた561人を対象としたもの。対象男性のうち48.1%(270人)がCKDの定義を満たしていた。

 参加者を、eGFR(mL/分/1.73m2)値(60以上、40~59、40未満)または蛋白尿(陰性、微量、陽性)でそれぞれ3つの群に分けてCASIスコアとの関連を調べた。なお、CASIスコア(0~100)は高いほど認知機能が良好であることを意味する。

 その結果、蛋白尿が多い群ほど、また、eGFR値が低い群ほど認知機能が有意に低いことが分かった。多変量で調整したCASIスコアの平均は、蛋白尿が陰性群で90.1、微量群で89.3、陽性群で88.4であり(傾向P値=0.029)、eGFR値が正常群で90.0、中等症群および進行群はいずれも88.5であった(同0.015)。

 さらに、参加者を蛋白尿とeGFR値により「CKDなし」(51.9%)、「eGFR低下(60mL/分/1.73m2未満)または蛋白尿のどちらか一方あり」(39.9%)、「eGFR低下かつ蛋白尿あり」(8.2%)に分けて解析したところ、CASIスコアの平均はそれぞれ90.4、89.4、87.5であった。

 これらの結果を踏まえ、藤吉氏らは「日本人の高齢男性において、蛋白尿の存在やeGFRの中等度低下であっても認知機能の低下と関連することが分かった。高齢者の認知機能の低下を早期に発見し、進行を抑えるためには、蛋白尿とeGFR値のモニタリングが重要な指標となることが示唆された」と結論づけている。

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参考情報:リンク先
HealthDay News 2019年6月17日
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