クレアチニン/シスタチンC比はサルコペニアの新規マーカーか 日本人2型糖尿病患者で検討、京都府立医大

日本人の2型糖尿病患者において、クレアチニン/シスタチンC比はサルコペニアのサロゲートマーカーとなる可能性のあることが、京都府立医科大学大学院内分泌・代謝内科学の大坂貴史氏と同学教授の福井道明氏らの研究グループの検討で分かった。

詳細は「Diabetes Research and Clinical Practice」5月号に掲載される。

最近の研究では、加齢とともに骨格筋量と筋力が低下するサルコペニアは糖尿病患者の死亡や骨折リスクを高め、QOL(生活の質)に悪影響を及ぼす因子だと考えられている。
サルコペニアの判定には、二重エネルギーX線吸収測定法(DEXA法)や生体インピーダンス法(BIA)、CT検査、MRI検査による筋肉量の評価が必要とされるが、より簡便な指標の確立が求められている。

研究グループは今回、血清クレアチニンは筋肉量による影響を受けることに着目し、筋肉量の影響を受けにくい血清シスタチンCで除したクレアチニン/シスタチンC比が2型糖尿病患者におけるサルコペニアの予測因子になるか否かを調べる横断研究を行った。

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対象は、2015年12月~2016年10月にKAMOGAWA-DM コホート研究に参加したうちの2型糖尿病患者285人(平均年齢は66.1±11.6歳、平均HbA1c値は7.1±1.0%)。BIA検査より得られた四肢骨格筋量からSMI(四肢骨格筋量/身長×身長、kg/m2)を算出し、SMI低下(男性7.0kg/m2未満、女性5.7 kg/m2未満)かつ握力低下(男性26kg未満、女性18kg未満)をサルコペニアと定義した。
クレアチニン/シスタチンC比の診断能はROC曲線を描出して評価した。

その結果、対象患者のうち8.8%(25人)にサルコペニアが認められた。
年齢や性別、体脂肪率などで調整した多変量解析の結果、血清クレアチニン値はサルコペニアの有無と関連しなかったが、クレアチニン/シスタチンC比とサルコペニアの有無との間には負の相関関係が認められた(クレアチニン/シスタチンC比が0.01増加するごとのオッズ比は0.96、95%信頼区間0.92~0.99、P=0.022)。クレアチニン/シスタチンC比のROC曲線を描いた結果、曲線下面積は0.683(P=0.022)であった。
サルコペニアの予測に有用なクレアチニン/シスタチンC比の至適なカットオフ値は0.9であり、感度は80%、特異度は48%であった。

以上の結果を踏まえて、研究グループは「日本人の2型糖尿病患者ではクレアチニン/シスタチンC比はサルコペニアのスクリーニングに有用なマーカーとなる可能性がある。
2型糖尿病患者のクレアチニン/シスタチンC比が低値を示す場合にはサルコペニアについて精査することが望ましい」と述べている。

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HealthDay News 2018年3月19日
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