DXA法で判定したサルコペニア肥満は心血管リスクの予測に有用 日本人2型糖尿病患者で検討、東京医歯大ら

2型糖尿病患者では、二重エネルギーX線吸収測定法(dual energy X-ray absorptiometry;DXA法)による全身の体組成測定を用いて判定したサルコペニア肥満が併存すると将来、心血管疾患を発症するリスクが高まる可能性のあることが、東京医科歯科大学大学院分子内分泌代謝学の福田達也氏と国立国際医療研究センター糖尿病内分泌代謝科の坊内良太郎氏らの研究グループの検討で分かった。

また、骨格筋指数(SMI)が低いことに加えて内臓脂肪と皮下脂肪の比率(A/G比)または内臓脂肪量に基づきサルコペニア肥満を判定することが、心血管イベントリスクの予測に適している可能性も示唆された。
詳細は「Cardiovascular Diabetology」4月10日オンライン版に掲載された。

これまでの横断研究で、主に加齢に伴って筋肉量が減少し、筋力が低下するサルコペニアに肥満を伴う「サルコペニア肥満」は心血管疾患リスクを上昇させることが報告されている。

また、サルコペニア肥満の判定には全身の脂肪量と除脂肪量(内臓や筋肉)を計測できるDXA法が適すると考えられている。
しかし、DXA法による全身の体組成測定で判定したサルコペニア肥満が将来の心血管疾患の発症リスクの予測に有用かどうかは明らかにされていない。

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研究グループは今回、サルコペニア肥満のリスクが高い2型糖尿病患者を対象に、DXA法による全身測定で判定したサルコペニア肥満と心血管疾患の発症リスクとの関連を調べ、またDXA法で評価した指標のうち、どの指標が心血管疾患の発症リスクの予測に有用なのかを調べる後ろ向き観察研究を行った。

対象は、2008~2015年に東京医科歯科大学医学部附属病院に通院していた2型糖尿病患者716人(平均年齢65±13歳、女性47%)。
追跡期間中にDXA法による全身の体組成測定を行い、内臓脂肪量に相当する腹部脂肪量(android fat mass)と臀部や太腿などの下半身の皮下脂肪量(gynoid fat mass)、骨格筋指数〔skeletal muscle mass index;SMI、四肢骨格筋量(kg)を身長(m)の二乗で除したもの〕を求めた。
サルコペニア肥満はSMI低値(7.0kg/m2未満)に加えて、内臓脂肪と皮下脂肪のバランスの指標であるA/G比(android-gynoid比;内臓脂肪と皮下脂肪の比)、上半身の脂肪量、体脂肪率(%BF)が性特異的な中央値を超える場合、あるいはBMI 25kg/m2以上を伴う場合と定義した。

A/G比を用いた場合、対象患者のうち83人(11.6%)にサルコペニア肥満が認められた。
中央値で2.6年間の追跡期間中に、対象患者のうち53人が心血管疾患を発症した。
交絡因子を調整した多変量解析の結果、サルコペニア肥満は心血管イベントの発症と有意に関連することが分かった。

また、肥満の判定に用いた指標のうちA/G比(ハザード比2.63、95%信頼区間1.10~6.28、P=0.030)またはandroid fat mass(同2.57、1.01~6.54)で判定したサルコペニア肥満は心血管イベントの発症リスクと有意に関連したが、%BFおよびBMIを用いた判定では有意な関連は認められなかった。

以上の結果を踏まえて、研究グループは「今回の結果から、DXA法による全身の体組成測定はサルコペニア肥満の判定に有用な検査法であり、SMI低値+A/G比またはandroid fat massで判定したサルコペニア肥満は、2型糖尿病患者における心血管イベントリスクの判定に有用な可能性があることが分かった。

一方で、体脂肪率やBMIによるサルコペニア肥満の判定は心血管イベントリスクの予測には適さない可能性も示された」と結論づけている。

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参考情報:リンク先
HealthDay News 2018年5月1日
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