血流感染リスクを高める3つの因子


この研究を実施したのは、ノルウェー科学技術大学(NTNU)などノルウェー中部の複数の施設を中心とした敗血症の共同研究グループ。
同グループは今回、同国の健康診断受診者を追跡した前向きコホート研究であるHUNT研究の参加者6万4,027人のデータを分析した。
このうち1,844人(2.9%)が中央値で14.8年間の追跡期間中に1回以上の血流感染を経験していたが、解析の結果、「肥満」が血流感染の最大のリスク因子であることが示された。
例えば、適正体重の人と比べてBMI(体格指数)が30.0~34.9の人では31%、35.0~39.9の人では87%、40.0以上の人では210%の血流感染リスクの上昇が認められた。

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このほか、「喫煙」および「運動不足」も血流感染リスクを高めることが示された。
さらに、肥満に加えてこれら2つのリスク因子もある人では、これらのリスク因子がない人と比べて血流感染リスクが約5倍に上ることも分かった。
なお、これら3つの因子は死亡リスクを高めることも明らかになったという。
敗血症による死亡者数は世界で600万人とも推定されている。
この研究結果は因果関係を示すものではないが、研究を実施したNTNUのJulie Paulsen氏は「われわれの研究では、肥満が敗血症の重要なリスク因子であることが示された」と話し、「生活習慣に関連したリスク因子に対応することで、重篤な感染症のリスクを低減できる可能性がある」との見方を示している。
なお、この研究の詳細は「International Journal of Epidemiology」6月15日オンライン版に掲載された。

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