帯状疱疹かも?帯状疱疹の症状や原因、治療法、予防法について

帯状疱疹について

- 1. はじめに
- 2. 帯状疱疹(たいじょうほうしん)とは
- 3. 帯状疱疹(たいじょうほうしん)はなぜ起こる?
- 4. 帯状疱疹(たいじょうほうしん)の症状
- 5. 帯状疱疹(たいじょうほうしん)の治療法
- 6. 帯状疱疹(たいじょうほうしん)の予防法
- 7. まとめ
はじめに
皆さん、帯状疱疹(たいじょうほうしん)という病気を聞いたことがあるでしょうか。
何年か前に皇族の方がこの病気に罹り、ニュースになりました。
帯状疱疹(たいじょうほうしん)とは、実は水ぼうそうに罹ったことのある人なら誰でも罹りうる病気なのです。
今回は帯状疱疹(たいじょうほうしん)の症状、原因、治療法、予防法について説明します。

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帯状疱疹(たいじょうほうしん)とは
帯状疱疹(たいじょうほうしん)とは、免疫力の低下によって、体内の神経節に潜伏していた水痘(すいとう)・帯状疱疹(たいじょうほうしん)ウイルスが活発になることで発疹や神経痛などの症状を伴う皮膚疾患です。
従来は50歳以上の中高年に多い病気でしたが、近年は若い人にも見られるようになっています。

詳しい原因や症状については後述します。
帯状疱疹(たいじょうほうしん)はなぜ起こる?
1) 水痘・帯状疱疹ウイルス(正式にはヒトヘルペスウイルス3)
- まず水ぼうそうになる
私たちは水痘(すいとう)・帯状疱疹(たいじょうほうしん)ウイルスに感染すると、まず水痘(水ぼうそうとも言います)を発症します。水痘(すいとう)の発症ピークは4歳から5歳頃で、約9割の人は10歳までに罹るとされています。
水痘(すいとう)に罹ると、約2週間の潜伏期間を経て、微熱が出ます。(3日くらい)その後発疹が出現し、発疹は水疱(すいほう:水ぶくれのこと)となり、この際強いかゆみを生じます(7日から10日前後)。次第に水疱は痂皮(かひ:かさぶたのこと)化し、水痘(すいとう)は治癒します。 - 水ぼうそうのウイルスが体内に
しかし、水痘(すいとう)・帯状疱疹(たいじょうほうしん)ウイルスは完全に私たちの体内から排除されたわけではなく、神経節(神経細胞の集まっているところ)に数十年も潜伏しています。ですが、健康体であればウイルスが悪さをすることはありません。
2)免疫力の低下
体内に潜伏した水痘(すいとう)・帯状疱疹(たいじょうほうしん)ウイルスは私たちの免疫力が低下することで活発に活動し始めます。これが帯状疱疹(たいじょうほうしん)です。
免疫力の低下は、過労、加齢、睡眠不足、過剰なストレス、免疫抑制剤などの使用など様々な要因によって引き起こされます。
帯状疱疹(たいじょうほうしん)の症状
1)痛み
発疹が出る前に、その部位に軽いやけどをして皮膚が薄くなったような痛み、ヒリヒリとした痛み、痛痒い感じが出ます。この状態が数日から1週間程度続きます。
部位は片側の知覚神経に沿って出ます。
上半身(胸から背中)に出ることが多く、顔面や頭部に出ることもあります。
2)発疹・水疱
赤い発疹の上に水疱ができます。水疱(すいとう)の中には水痘(すいとう)・帯状疱疹(たいじょうほうしん)ウイルスがたくさん存在するため、潰してはいけません。また潰すと痕が残りやすくなります。
水疱が自然と潰れ、痂皮化(かさぶた)になるのを待ちます。水疱は約2週間かけて痂皮化します。
3)後遺症(帯状疱疹後神経痛)
帯状疱疹による痛みは発疹が出る前がピークで、ほとんどは発疹が痂皮化するまでに消失します。
しかし、一部の人はヒリヒリとした痛み、刺すような痛みが残ってしまいます。これを帯状疱疹後神経痛と言います。
この後遺症が出るのは高齢者に多く、また初期治療が遅れた人、初期症状が重症だった人に多くなります。
中には眠れないほどの痛みが残る場合もあり、皮膚科やペインクリニックに相談しましょう。

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帯状疱疹(たいじょうほうしん)の治療法
帯状疱疹(たいじょうほうしん)の発疹が出ると、皮膚科の問診と視診で診断がつくことがほとんどです。
重症化すると後遺症の残る可能性も高くなってしまうため、できるだけ早い段階で放置せず、皮膚科を受診しましょう。
1)内服薬(飲み薬)
- (1)抗ウイルス薬
原因となるウイルスを死滅させるため、抗ヘルペスウイルス薬(ソビラックス、バルトレックス、ファムビルなど)が処方されます。早期(発疹が出現してから48時間以内)で治療が開始された場合は、1週間程度の内服で治療できることが多いです。ちなみに抗ウイルス薬は薬局等では入手できません。医師の処方が必要です。 - (2)痛み止め
発疹による痛みがある場合は、消炎鎮痛剤の内服薬(ロキソニン、カロナールなど)が処方されることが多いです。 - (3)ビタミン剤(必要時)
帯状疱疹はピリピリとした神経痛であることから、補助的にビタミン剤の内服薬も処方されることがあります。
ビタミン剤は神経組織を修復し、感覚機能や運動機能の障害を改善する働きのあるビタミンB12が配合された薬(メチコバールなど)であることが多いです。
2)休養
帯状疱疹は免疫力の低下によって発症するため、3食バランスのとれた食事をとり、7時間以上の睡眠をとるなど規則正しい生活を心がけ、できるだけ過剰なストレスを排除するようにしましょう。
3)もしこんな症状があったら、耳鼻科や眼科へ
帯状疱疹(たいじょうほうしん)の後遺症として、帯状疱疹後神経痛というものがあります。発疹が消えた後もピリピリとした神経痛が残ってしまうのです。帯状疱疹が重症化した場合や高齢者に多い症状のようです。
この帯状疱疹後神経痛が耳や目のあたりで起こった場合は注意が必要です。
耳や目の神経を障害が出る恐れがあるため、耳の場合は耳鼻科へ、目の場合は眼科を受診しましょう。
帯状疱疹(たいじょうほうしん)の予防法
1)予防接種を受ける
帯状疱疹(たいじょうほうしん)と水痘(すいとう)の原因ウイルスは同じであるため、予防接種も水痘用のものを使用します。水痘ワクチンの接種によりほぼ一生帯状疱疹の予防ができるとされ、さらに帯状疱疹後神経痛が残る可能性が低くなります。
ただし、大人の場合、ワクチン接種代は保険適応とならず全額自己負担となります。
医療機関によって料金は異なりますが、1万円前後のことが多いようです。
医療機関にワクチンのストックがない場合があるため、事前に料金も含めて確認してから受診するようにしましょう。
予防接種が推奨される大人は、①50歳以降の人、②2型糖尿病の人、③がんの人です。理由としては、これらは帯状疱疹が起こりやすい年齢であることや免疫力が低下しているためです。
2)妊娠中や免疫力が落ちているときは人混みを避ける
妊娠中に帯状疱疹(たいじょうほうしん)に感染しても、一般的に胎児が帯状疱疹(たいじょうほうしん)に感染することはないとされています。
しかし、帯状疱疹(たいじょうほうしん)の治療薬(抗ウイルス薬など)は胎児に悪影響があるため、服用することはできません。
そのため、水痘(すいとう)にかかったことのない妊婦さんは、水痘(すいとう)や帯状疱疹(たいじょうほうしん)に感染しないようにするために人混みは避けるようにしましょう。
疲れや病気の治療などで免疫力が落ちている人も同様です。
まとめ

帯状疱疹(たいじょうほうしん)と聞くと大変で大きな病気というイメージがるかもしれないですが、しっかりと対策すれば感染や悪化を防ぐことができます。
まずは感染しないようにすること、そして感染してしまったら何をすれば良いのか覚えておきましょう。

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