身体的フレイルの簡易チェックシート、Yes/Noで答えるだけ

身体的フレイルを短時間で評価でき、妥当性が確保されたチェックシートが開発された。要介護状態への進行防止のため介入が必要とされる対象者を効率的に抽出できる。九州大学キャンパスライフ・健康支援センターの熊谷秋三氏らが開発したもので、詳細は「Journal of the American Medical Directors Association」オンライン版に9月12日掲載された。

 身体的フレイルは、加齢に伴いストレス耐性が低下した状態で、要介護の予備群であることが実証されており*、早期発見と早期介入の必要性が高まっている。 フレイルに該当する高齢者は少なくないが、現状において統一された診断基準がなく、いくつかのテストを課す診断方法が提案されている。しかし、いずれもテスト項目の中に、握力・歩行速度の測定といった調査・判定に時間を要するものが含まれている。よって、健診など短時間で多数に実施する必要がある場合への適用にハードルがある。
 *J. Nutr. Health Aging,2019(doi.org/10.1007/s12603-019-1242-6)

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 熊谷氏らは、福岡県糸島市と共同でフレイルに関する疫学調査(糸島フレイル研究)を継続中で、そのデータを利用し今回のチェックシートを開発した。日本人の前期高齢者向けに作られており、5項目、6つの質問に「はい」「いいえ」で答えるだけで身体的フレイルを判定可能だ。

 チェック項目は以下の通り。なお、各項目の頭文字を並べると「Frail(フレイル)」となる。
 Fatigue(疲労感):気分が沈み込んで、何が起こっても気が晴れないように感じましたか/何をするのも骨折りだと感じましたか…1.はい・0.いいえ(どちらか1つにあてはまる場合も「はい」に〇)
 Resistance(筋力):階段を手すりや壁をつたわらずに昇っていますか…0.はい・1.いいえ
 Aerobic(有酸素能力):1kmぐらいの距離を続けて歩くことができますか…0.はい・1.いいえ
 Inactivity(活動量低下):1日のうち、座っている又は横になっている時間は、起きている時間の80%以上ですか…1.はい・0.いいえ
 Loss of weight(体重減少):6カ月間で2~3kg以上の体重減少がありましたか…1.はい・0.いいえ

 このチェックシートの妥当性を、糸島フレイル研究の登録者である65~75歳の高齢者858人を対象に、既存の診断方法(Fried Frailty Phenotype)と比較し確認したところ、ROC解析で良好な値を示した。またスクリーニングにおいては、合計スコアを3点に設定する場合が、日本人の地域在住高齢者におけるカットオフ値となることが実証された。

 フレイルに対しては、2024年度までに全ての市町村でチェック・予防事業が開始されることが決まっている。そのため、より実効性の高いスクリーニング法として、今回開発されたチェックシートのような簡便で妥当性のある手法への期待が高まっている。

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HealthDay News 2019年10月7日
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