独身男性は脳卒中後の施設入居率が3倍


女性の場合は同様の状況でも介護施設への入居率は男性ほど高くないことも分かったという。
詳細は「Journal of the American Geriatrics Society」10月26日オンライン版に掲載された。
この研究は米アラバマ大学のJustin Blackburn氏らが実施したもの。
同氏らは今回、2003~2013年に実施された調査の参加者のうち、脳卒中の既往歴がある65~100歳の男女560人のデータを分析した。
このうち68人が1年以内、119人が5年以内に介護施設に入居していた。
交絡因子で調整して解析した結果、日常生活で世話をしてくれる人がいる人と比べ、いない人では脳卒中を発症後1年以内および5年以内に介護施設に入居するリスクがいずれも約1.7倍であることが示された。

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また、5年以内の同リスクは世話をする人がいる男性と比べていない男性で3.15倍に上っていたが、女性では37%のリスク増大にとどまっていた。
このほか、年収が5万ドル(約560万円)以上の人と比べ、2万ドル(約225万円)未満の人では介護施設への入居率が高いことなども明らかになった。
Blackburn氏らによると、米国人は施設に入居するよりも家族のサポートを受けながら自宅で生活し続けることを希望する人が多く、7割超が「障害があっても自宅での生活を続けたい」としているのに対し、介護施設への入居を希望している人は3割に満たないという。
しかし、希望に反して脳卒中後に介護施設に入居する男性が多いのは、一般的に女性と比べて男性は身の回りのことを自分でする能力が低いためではないかと同氏らは指摘している。
米ノースウェル・ヘルスのMaria Torroella Carney氏もこれに同意し、「伝統的な男女の役割がこの結果に影響している可能性がある」との考えを示している。その上で「女性は自分が介護者になる可能性も高いため、介護の役割と重要性を理解しているが、男性はそれを認識していないことが多い。
しかし、男女を問わず脳卒中などの疾患に備えることは重要だ。特に高齢の独身男性が脳卒中を発症した場合、その後どのように自立した生活を送ることができるかについて事前に話し合う機会があると、脳卒中後の人生が違ったものになるだろう」と話している。

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