子どもの皮膚症状、スマホ画像でも正確な診断は可能?


詳細は「JAMA Dermatology」11月15日オンライン版に掲載された。同氏は「スマホを活用した皮膚疾患の診断は、米国の皮膚科医不足による問題を解消する手段の一つとして有望」としている。
近年、スマホのカメラ機能は向上し、画像の転送技術も進歩した。McMahon氏らは今回、こうした技術が「患児の親と医療従事者を直接つなぐ遠隔医療を実現し、医療アクセスの改善に寄与する可能性がある」と考え、スマホの画像に基づいた診断の精度について検証する研究を実施したという。
対象は、小児皮膚科クリニックで治療を受けた18歳未満の患者(平均年齢6.96歳)とその親40組。このうち20人の親には質の高い写真を撮影するための簡単な指南書を渡し、残る20人の親には渡さなかった。
その上で、全ての親に自分の子どもの皮膚症状の写真を個人のスマホで撮影してもらい、画像データを送信してもらった。

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送信してもらった画像は計87点だった。皮膚科医が直接患者の皮膚を観察して下した診断と、写真のみに基づいて下した診断の一致率は83%だった。
また、撮影法の指南書を渡した親が撮影した写真に限定すると、診断の一致率は89%だった。なお、使用されたスマホの6割超はアップル社製のiPhoneだった。
McMahon氏は「今回の研究では、ほとんどの親が皮膚疾患を診断する上で十分な質を保った写真を撮影できることが示された」と説明。「米国には約7500万人の小児がいるが、それに対して小児皮膚疾患の専門医は300人に満たないことを考えると、この研究結果は重要な意味を持つ」としている。
なお、同氏らによると米国における小児科の受診件数は年間2億件に上るが、このうち10~30%を皮膚疾患による受診が占めているという。
同氏は「遠隔医療は医療機関を利用することが難しい地域に住んでいる人や、時間的にあるいは経済的に余裕がない人の医療アクセスを改善するだけでなく、待ち時間の短縮にも役立つ可能性がある」と期待を寄せている。

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