小児科待合室のぬいぐるみには触らない方が無難?


米国小児科学会(AAP)は10月23日に発表した小児科外来施設での感染症対策に関する声明(Policy Statement)で、清潔を保つことが難しいぬいぐるみなどのおもちゃは病原菌を媒介する可能性があるため、患者には自宅からおもちゃを持って来てもらうことを勧めている。
今回発表されたのはAAPが2007年に発表した声明の改訂版で、小児科外来施設での感染症予防を目的としたさまざまな対策がまとめられている。
全文は「Pediatrics」10月23日オンライン版に掲載されている。
この声明でAAPは待合室のおもちゃに関して(1)患者の家族には自宅からおもちゃや絵本を持って来ることを勧め、複数の子どもが待合室のおもちゃを共有する機会を減らす(2)おもちゃは使用のたびに洗うのが理想的だが、毎日診察時間が終わったら清潔にすることも許容される(3)おもちゃはせっけんを使用して汚れを洗い流した上で消毒して乾燥させる―などの対策を示している。なお、おもちゃの種類に関しては「ぬいぐるみなどは清潔に保つことが難しいため望ましくない」としている。

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また、AAPは咳やくしゃみのエチケットや手指衛生の重要性についても強調。
小児科医に対し、咳やくしゃみが出そうになった場合は手ではなく肘で鼻や口を覆うことを求めるポスターなどを掲示し、待合室にアルコールベースの消毒剤やマスクを用意しておくよう勧めている。
さらに、外来スタッフには毎年インフルエンザの予防接種を受けること、また百日咳やはしか、おたふくかぜ、風疹、水疱瘡、B型肝炎などそれ以外のワクチン接種歴についても施設に情報を提供することを求めている。
このほか、特に配慮すべき疾患として嚢胞性線維症を挙げ、「嚢胞性線維症患者の肺は薬剤耐性菌への感染に特に脆弱であるため、他の患者と接触する可能性がある待合室では待たせずに、直接診察室に案内すべき」としている。

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