胎児に悪影響!妊婦がかかると危ないトキソプラズマ感染症とは

トキソプラズマ感染症について

トキソプラズマ感染症という言葉を聞いたことはありますか?妊娠中に感染してしまうと、お腹の赤ちゃんにも感染して障害がでる可能性があります。そんなトキソプラズマ感染症の症状や感染経路などについてまとめました。

ペットを飼っている人や土いじりを行っている人は必読です。

  1. 1.トキソプラズマ感染症とは
  2. 2.トキソプラズマ感染症の症状
  3. 3.トキソプラズマ感染症の感染経路と潜伏期間
  4. 4.トキソプラズマ感染症が母体や胎児に与える影響
  5. 5.トキソプラズマ感染症の抗体とは
  6. 6.トキソプラズマ感染症の予防・治療法

トキソプラズマ感染症とは

トキソプラズマ感染症という名前を聞いたことがありますか?インフルエンザやノロウィルスなどとは違って、あまりメジャーな感染症ではありませんよね。ですがこのトキソプラズマ、実は私たちのとても身近なところにいるのです。

トキソプラズマ原虫という寄生虫による感染症
トキソプラズマ感染症とは、トキソプラズマ原虫という寄生虫に感染してしまったことを言います。
この原虫は、目には見えないとても小さな寄生虫です。
人間や動物などの細胞内に寄生し増殖していきます。
健康な人がトキソプラズマに感染しても何も問題ありませんが、妊娠中にお母さんが初めて感染する場合、へその緒を通じて赤ちゃんにも感染する可能性がああります。

トキソプラズマはどこにいるの?
トキソプラズマは主に、動物の肉や排泄物、野菜、土などに住んでいます。
簡単にいうと、「どこにでも」います。
トキソプラズマに接触する機会は非常に多いと言えるのです。

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トキソプラズマ感染症の症状

接触する機会の多いトキソプラズマ原虫。
感染してしまうとどのような症状が現れるのでしょうか?

ほとんど自覚症状がない
健康な大人がトキソプラズマに感染しても、基本的に発症することはありません。
トキソプラズマ原虫の感染力は強くないので、人間が持っている免疫機能で十分対処可能なためです。
しかし、疲れや体調不良などによって免疫力が衰えた状態になっていると、トキソプラズマ感染症を発症してしまう事があります。

トキソプラズマ感染症の大きな特徴として、自覚症状がほとんどないことがあげられます。
せいぜい、風邪のような症状が数日間現れる程度です。

トキソプラズマ感染症の感染経路と潜伏期間

どこにでもいるトキソプラズマ原虫。
いったいどのようにして私たちの体の中に入ってくるのでしょう?
トキソプラズマの感染経路と発症率、潜伏期間についてまとめました。

トキソプラズマの感染経路は?
トキソプラズマ原虫は、動物の肉や排泄物、土の中や植物にくっついています。
人間の体への感染経路は、口と眼が中心です。
空気感染もしませんし、ヒトからヒトにうつることはありません。
動物に触れることでも感染はありませんから安心してください。
具体的な感染経路として重要になってくるのが生肉と猫です。
トキソプラズマはほぼすべての動物に寄生しています。

  • 過熱が不十分な肉や生の肉を食べる
  • 生肉を調理した際の手や調理器具の消毒が不十分

などの場合に、手を介して口や眼から感染します。
もう一つのポイントである猫ですが、トキソプラズマの最終的な宿主が猫なのです。
猫の排泄物にトキソプラズマ原虫が含まれているため、猫の糞の処理時に手に付着し、手を介して口や眼から体内に侵入します。
一度でも屋外に出たことのある猫や、多頭飼いの猫の場合、たいていはトキソプラズマ原虫を持っています。
最後に、土や野菜、植物です。
これは主に野良猫や外出自由な猫が原因となります。そういった猫たちが排泄した土には高確率でトキソプラズマが潜んでいます。
知らずに土に触れたり、その場所にある植物や野菜などに触れることでトキソプラズマが人間に移行するのです。

トキソプラズマの潜伏期間はどれくらい?
トキソプラズマの潜伏期間は約1周間程度と言われています。
その期間にトキソプラズマの感染経路にあたる行動を行い、風邪のような症状が現れた場合、念のため感染しているかの検査を行った方がよいかもしれません。

お母さんの感染率はどのくらい?
トキソプラズマ自体はそれほど強い感染力を持っているわけではありません。
トキソプラズマ原虫がお母さんの体内に侵入したとしても、感染する確率は数パーセント以下という非常に低い数値です。

過去にトキソプラズマが体内に侵入した経験があり、トキソプラズマへの免疫を持っている人は約1割程度と言われています。
そのような人はトキソプラズマに対して抗体が作られているので、再度トキソプラズマに接触しても基本的には発症することはありません。
しかし、注意が必要となるのは、妊娠中にトキソプラズマに初めて感染してしまったお母さんです。

トキソプラズマ感染症が母体や胎児に与える影響

妊娠中に初めてトキソプラズマに感染してしまうと、お母さんや赤ちゃんにどのような影響が出るのでしょう?

お母さんへの影響は?
トキソプラズマのお母さんへの影響はほとんどありません。
せいぜい風邪のような症状が現れる程度です。
しかし、赤ちゃんへの影響は比べ物にならない位危険なものとなり得ます。

お腹の赤ちゃんへの感染率は?
赤ちゃんへのトキソプラズマへの感染率は、妊娠週数によって大きく異なってきます。
その際に重要なことが、胎盤の完成度と赤ちゃんへの血流量です。
赤ちゃんは胎盤を通じてお母さんと繋がっています。
胎盤から伸びたへその緒から栄養や酸素をもらって成長していくのです。

しかしながら、胎盤から赤ちゃんに届けられるのはいいものばかりとは限りません。
妊娠中のアルコールやタバコなどが良くないとされているのはこのためです。
トキソプラズマもへその緒を通じて赤ちゃんの体内に侵入してしまうのです。

赤ちゃんはトキソプラズマへの免疫を持っていませんから、感染してしまう確率が高くなります。
妊娠初期であればあるほど赤ちゃんへの感染率は低くなり、週数が進むほどに感染率が高くなっていきます。

妊娠初期は胎盤が十分に形成されておらす、赤ちゃんへの血流量も少ないためです。
しかし妊娠後期になると、大きくなった赤ちゃんに送られる血液は増えますから、その分トキソプラズマへの感染率が高くなってしまうのです。
統計的には、妊娠15週ごろまでは10パーセント以下、妊娠30週ごろまでは20~30パーセント程度、それ以降は60パーセント以上と急上昇します。

お腹の赤ちゃんが感染するとどんな影響がある?
赤ちゃんがトキソプラズマに感染した場合の影響も、妊娠週数によって大きく異なってきます。

妊娠初期に感染してしまった場合ほど、先天的な異常をもって産まれてくる確率が高くなります。逆に、後期は感染率は高くはありますが、赤ちゃんの体が出来上がってきているため、障害を持たずに産まれてくるケースもみられます。
妊娠初期での感染では、脳や神経系の異常。
妊娠中期では消化器などの内蔵系の異常。
妊娠後期では眼に関する異常が見られることもあるが、無症状の場合も多い。
赤ちゃんへの影響をまとめるとこのようになります。

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トキソプラズマ感染症の抗体とは

トキソプラズマが赤ちゃんに感染するかどうかは、お母さんがトキソプラズマに対する免疫を持っているかどうかがカギになってきます。
つまり、お母さんがトキソプラズマに対する抗体を持っている場合、赤ちゃんへの感染は起こりません。

抗体とは何か?
さて、抗体とはいったいなんでしょう?
人間の体には免疫機能というものがあります。体の中に病原菌やウィルスなどが侵入して来たとき、それらをやっつけるのが免疫です。
免疫機能が正常に働くと、体の中に抗体というものがつくられます。
抗体とは「敵のやっつけかたマニュアル」のようなものです。
一度体内に侵入した敵の種類ごとに作られるため、次にやってきたときには感染することなく体内から排除できるようになります。
この抗体の仕組みをうまく利用したのが予防接種というわけです。

抗体があるか調べる方法は?
自分の体の中にトキソプラズマに対する抗体が出来上がっているかは、血液検査で調べることができます。
採血によって、血液中の抗体の有無がわかるのです。

通常、産院でも検査は可能ですから、心配な場合は医師に相談してみましょう。

トキソプラズマ感染症の予防・治療法

仮にトキソプラズマに対する抗体を持っていなかった場合、感染予防をしっかりと行わなくてはなりません。
トキソプラズマ感染症の予防法と、万が一感染してしまった場合の治療法を紹介します。

トキソプラズマに感染してしまった場合の治療法とは?
妊娠中にトキソプラズマに感染してしまった場合でも、トキソプラズマを殺す薬を使用すれば赤ちゃんへの感染を防ぐことができます。
完全に防ぐことはできないかもしれませんが、発症率や先天性の異常がおこる確率を大幅に下げることが可能です。
感染が疑われる場合は早急に受診して、薬の服用を開始してください。

トキソプラズマの感染を防ぐためにできること
一番大切なのは何といっても予防です。
トキソプラズマ感染症を防ぐ効果的な方法を紹介します。

  • 生肉やペットのふん、土いじりをは素手で行わない。もしくは十分に手を洗う。
  • 肉は十分に加熱する。
  • 野菜は加熱できるものはしっかりと火を通す。十分に流水で洗う。
  • 調理器具の消毒を十分に行う。
  • 素手で目や口をさわらない。

トキソプラズマは、お母さんが手洗いや食品衛生などといった基本的なことを行えば十分に防ぐことができます。
これらの予防法はトキソプラズマに限らず多くの感染症にも有効ですから、今のうちからしっかりと習慣にしたいものですね。

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