子宮筋腫と静脈血栓塞栓症(じょうみゃくけっせんそくせんしょう)

子宮筋腫による病状はさまざまあります。通常、検診・検査などで見つかる場合がほとんどで、自覚症状がなく発見されることもあります。必ずしもすべての人が症状を発症するものではなく、人によっては、生涯無症状といったことも不思議なことではありません。
静脈血栓塞栓症は、本当に何もしなかった場合に起こりうる症状の一つとしてご紹介しています。
医療の学会などで報告されることの症例で比較的多いのが、子宮筋腫は発見されたものの放置してしまったケースです。必ずしも全ての人がそうなるというわけではありませんが定期的な通院をやめてしまい、医師の観察下ではない状態で引き起こすことが多いとも言えます。

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エコノミー症候群。この言葉はニュースなどでもとりあげられて知っている人も多いと思います。長時間同じ姿勢を続けていることで血の巡りが悪くなり、血のかたまり(血栓)ができ、静脈の血流の流れをとめてしまい、下肢の痛みや変色、むくみを引き起こす疾患です。下肢及び急性肺血栓塞栓症…肺静脈を塞いだ場合は呼吸困難に陥ることもあります。
被災地などで車中泊をしており、エコノミー症候群でお亡くなりになる方がいらっしゃるのもこの疾患が原因という場合もあります。
子宮筋腫でも同様な仕組みがおこり、小さいうちはそれほど問題になるケースは少ないのですが、子宮筋腫が10cm、20cmと巨大化していくと子宮内だけでなく、周りの血流の流れを妨げることで、エコノミー症候群と同様の疾患を引き起こす可能性も決して0ではありません。実際の事例でも、大きな状態で発見され、病院にいかずに放置してしまい子宮筋腫が原因で血栓を生じさせたという報告もあります。通院していらっしゃればD-ダイマー(血栓数値)を調べて異常数値に気づき、手術に至らなかった可能性もあります。
あくまでもここに至るまでは、長い年月何もしないと起こりやすい…リスクが高まる可能性がある一例なので、医師にきちんと見てもらっていれば過度に不安がる必要はありません。お腹が重い、おへそあたりに違和感が月経時の血の量が増えたなど少しでも異変を感じたら検査してみるのもリスク回避の意味ではよいかもしれません。

子宮筋腫とは?症状や原因、過多月経や貧血。手術やそれ に伴う費用や入院期間の目安。どういった検査方法があるのかなど詳しく解説しています。