野菜や果物の摂取量、足りている成人は10人中1人だけ―米調査

野菜や果物はおいしく健康にもよいが、米国で推奨量の野菜を日常的に食べている成人は9%に過ぎないことが米疾病対策センター(CDC)国立慢性疾患予防・健康増進センター(NCCDPHP)の Seung Hee Lee-Kwan氏らによる研究で明らかになった。

推奨量の果物を食べている成人も12%にとどまっていたという。
詳細は「Morbidity and Mortality Weekly Report」11月17月号に掲載された。

野菜や果物にはビタミンやミネラル、食物繊維などが豊富に含まれ、日常的に十分な量を食べることで心疾患や2型糖尿病、特定の種類のがん、肥満などのリスクが低減されることが分かっている。
このため、米国の食事ガイドラインでは最低でも1日に野菜を2~3カップ相当、果物を1.5~2カップ相当摂取することが推奨されている。

Lee-Kwan氏らは今回、2015年に全米で18歳以上の成人を対象に実施された調査で得られた過去1カ月間の(1)100%果汁(2)果物(3)乾燥豆(4)濃緑色の野菜(5)オレンジ色の野菜(6)そのほかの野菜―の摂取頻度に関するデータを分析した。

その結果、ガイドラインで推奨されている量の野菜を摂取していた成人は全体の9.3%だった。また、果物についても推奨量を摂取していたのは12.2%だった。
さらに、女性に比べて男性で、高齢者と比べて18~30歳の若年者で推奨量の野菜や果物を摂取している人の割合が低いことも分かった。

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このほか、推奨量の野菜や果物を摂取している人の割合には地域差も認められた。例えば、推奨量の野菜を摂取している人の割合が最も高かったのはアラスカ州で12%だったが、ウエストバージニア州では6%にとどまっていた。
さらに、世帯収入が最も高い層ではこの割合は11.4%だったのに対し、貧困層および貧困レベルに近い層では7%だった。

Lee-Kwan氏らは「野菜や果物の摂取を阻む要因を明らかにし、それらを解消するために継続的に取り組む必要がある」とした上で、「野菜や果物の価格が高いこと、入手しにくい場合があることなどが一部の米国人で摂取を阻む要因となっている可能性がある」との見方を示している。

一方、米レノックスヒル病院の管理栄養士であるHeather Seid氏は「茹でた野菜と生の果物でなければ栄養面でのメリットが期待できないわけではない。
例えば、リンゴにシナモンとナツメグをふりかけてローストすればおいしく栄養面でも優れたデザートになる。マッシュポテトの代わりにカリフラワーのピューレと低脂肪乳、オリーブオイルを混ぜ合わせるのもよい」と、柔軟な発想で調理して積極的に果物や野菜を摂取することを提案。

また、冷蔵庫を開けた時にすぐ目に入る中段に野菜や果物を保存したり、キッチンカウンターの上に果物を常備し、それ以外のものを置かないようにするのも、日常的な摂取につながる可能性があると助言している。

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参考情報:リンク先
HealthDay News 2017年11月16日
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