「ウエスト/身長比」はメタボリックシンドロームの予測因子か 地域在住の高齢者を対象に分析、愛媛大

日本人の高齢者では、ウエスト/身長比は肥満度(BMI)およびウエスト/ヒップ比と同様に、メタボリックシンドロームの優れた予測因子である可能性があることが、愛媛大学大学院地域医療学講座教授の川本龍一氏らの研究で明らかになった。男女ともに、メタボリックシンドロームのスクリーニングツールとして、ウエスト/身長比のカットオフ値はBMIやウエスト/ヒップ比よりも優れることが分かったという。研究の詳細は「PLOS ONE」4月29日オンライン版に掲載された。

 これまでの疫学研究では、メタボリックシンドロームを予測する身体計測指標として、BMIやウエスト/身長比、ウエスト/ヒップ比といった内臓肥満の指標が用いられている。しかし、これらの測定値のプロトコールに関するコンセンサスは得られていない。川本氏らは今回、地域在住の高齢者を対象とした前向きコホートデータを用いて、ベースライン時の内臓肥満指標と年齢、喫煙や飲酒の習慣、運動習慣、心血管疾患の併存といったリスク因子とメタボリックシンドローム罹患との関連について調べた。

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 川本氏らは、2014年に愛媛県の某保健福祉センターで健康診断を受けた55~95歳の高齢者1,639人(男性720人、平均年齢71±8歳および女性919人、同71±7歳)を対象とした横断研究と、ベースライン時にメタボリックシンドロームを有さなかった377人を対象として、2017年まで前向きに追跡したコホート研究を行った。研究では、BMIとウエスト/身長比、ウエスト/ヒップ比などの身体計測指標とNCEP-ATP III(National Cholesterol Education Program Adult Treatment Panel III)の診断基準に基づくメタボリックシンドロームとの関連について調べた。

 横断研究の結果、ウエスト/身長比は、BMIおよびウエスト/ヒップ比と同様に、男女ともにメタボリックシンドロームの予測に最も優れた指標であることが分かった。コホート研究でも同様の結果が得られ、メタボリックシンドロームの予測能は、男性ではウエスト/身長比が最も高く、女性ではBMIが最も高かった。

 横断研究で示されたウエスト/身長比の感度と特異度は、男性ではそれぞれ71.0%、77.9%(至適カットオフ値は0.52)であり、女性ではそれぞれ79.8%および75.7%(同0.53)であった。一方、コホート研究によるウエスト/身長比の感度と特異度は、男性ではそれぞれ60.7%、73.2%(同0.50)だったのに対し、女性ではそれぞれ75.0%、56.1%(同0.50)であった。さらに、男女ともに、ウエスト/身長比が大きいほどメタボリックシンドロームの有病率は有意に高く、この指標は独立した因子であることも示された。

 これらの結果を踏まえ、川本氏らは「地域在住の日本人高齢者において、ウエスト/身長比はメタボリックシンドロームの有用なスクリーニング指標である可能性が示唆された」と結論づけている。これらを関連づけるメカニズムは明らかになっていないが、同氏らは「年齢や運動習慣、喫煙や飲酒の習慣、心血管疾患の併存などの他のリスク因子とは独立したものである可能性が示唆された」とし、今後、前向きな大規模研究で検証する必要があるとしている。

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参考情報:リンク先
HealthDay News 2019年5月20日
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