糖尿病性腎臓病の予防には体重管理も大切――日本人対象の縦断研究より

糖尿病性腎臓病(DKD)は透析導入の主要原因であり、また心血管疾患のリスク因子でもある。そのDKDの抑制には、血糖管理に加え体重管理も重要であることが、日本人糖尿病患者を対象とした縦断研究の結果から示された。川崎医科大学糖尿病・代謝・内分泌内科の中西修平氏らの研究によるもので、詳細は「Diabetes Research and Clinical Practice」9月号に掲載された。

 中西氏らは、2000~2018年に川崎医科大学附属病院の外来へ2年以上継続受診した2型糖尿病患者を対象とする後ろ向き縦断研究を実施。受診開始時の年齢が20歳未満の患者、および受診開始から3年以内に細小血管症が認められた患者を除外して検討した。

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 解析対象となった2,306人(平均年齢61.0±12.2歳)を、HbA1c7%、BMI25をカットオフ値として、血糖管理良好/不良、肥満なし/ありに分け、計4つのグループに群分け。年齢、性別、糖尿病罹病期間、高血圧・脂質異常症の投薬の有無で調整した後のDKD発症リスクを比較した。なお、DKDは高血糖により生じる糖尿病に典型的な「糖尿病性腎症」に加え、加齢や高血圧など高血糖以外の要因も関係して発症・進行する腎障害を含めた比較的新しい疾患カテゴリー。本研究では、eGFR30mL/分/1.73m2未満または尿アルブミン30mg/gCr以上をDKDと定義した。

 追跡期間5.96±6.89年におけるDKD発症リスクは、血糖管理良好かつ肥満なし(HbA1c7%未満でBMI25未満)の群に比し、他の3群はいずれも有意に高かった〔各群のハザード比:HbA1c7%未満・BMI25以上;1.40(P=0.03)、HbA1c7%以上・BMI25未満;1.40(P=0.028)、HbA1c7%以上・BMI25以上;1.54(P=0.008)〕。

 研究グループはさらに、腎症以外の細小血管症についても検討。神経障害発症のハザード比は前記と同順に1.18(P=0.37)、1.83(P<0.0001)、1.62(P=0.005)、網膜症は0.73(P=0.34)、2.58(P<0.0001)、2.22(P=0.001)、細小血管症全体では1.22(P=0.12)、1.43(P=0.002)、1.39(P=0.011)であり、腎症と異なり肥満は有意なリスク因子でなく、HbA1c7%以上が重要なリスク因子として示された。

 肥満は近年、腎機能低下のリスク因子として注目されている。今回の検討でも、神経障害や網膜症では認められなかったBMIの関与が、DKDでは認められた。結論として著者らは「日本人の2型糖尿病患者において、肥満は血糖管理不良と同等のDKD発症リスクである可能性がある。DKDを防ぐには、HbA1c7%未満に加えてBMIを25未満に維持することを考慮すべき」と述べている。

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糖尿病の3大合併症として知られる、『糖尿病性腎症』。この病気は現在、透析治療を受けている患者さんの原因疾患・第一位でもあり、治療せずに悪化すると腎不全などのリスクも。この記事では糖尿病性腎病を早期発見・早期治療するための手段として、簡易的なセルフチェックや体の症状について紹介していきます。

糖尿病性腎症リスクを体の症状からセルフチェック!

参考情報:リンク先
HealthDay News 2019年9月17日
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