増えすぎても増えなくても不安!妊娠後期の体重管理方法

妊娠後期の理想的な体重増加について

妊娠後期に入れば出産ももう間近。頑張ってきた体重管理もゴールは目前です。ところが、妊娠後期の体重コントロールは思いのほか難しいもの。後期における理想的な体重増加量の目安と、上手な体重管理のコツをお教えします。

赤ちゃんとの対面までもう少し。最後まで気を抜かずに体重を管理していきましょう。

  1. 1.妊娠後期の理想的な体重増加ペース
  2. 2.妊娠後期に体重が急増する場合の理由
  3. 3.妊娠後期に体重が増えない場合の理由
  4. 4.体重を管理するための運動
  5. 5.体重を管理するための食事
  6. 6.体重管理は食事と運動の両面から

妊娠後期の理想的な体重増加ペース

妊娠中の体重増加量の目安は、妊娠前の体重によって異なってきます。
まずは妊娠期間トータルでの体重増加量の目安を把握しましょう。

妊娠期間中の体重増加量の目安
妊娠期間を通しての体重増加量は、もともとのお母さんのBMIによって変わってきます。

・BMI18.5未満(痩せ気味):10~12キロ
・BMI18.5~25未満(標準):7~10キロ
・BMI25以上(太り気味):5~7キロ

特にBMIが25以上のお母さんの場合、基本的には医師と相談しながら個別判断となります。最終的にはBMIが28を超えないような体重コントロールが必要です。

妊娠後期の理想的な体重増加量のペース
妊娠後期では、週に1回の妊婦健診を行います。そこで、1週間ごとの体重増加量を知っておくことで、増えすぎなのか増えなさすぎなのかを把握する目安になります。
妊娠後期における1週間の体重増加量の目安も、BMIによって異なります。

・BMI18.5未満(痩せ気味):0.3~0.5キロ
・BMI18.5~25未満(標準):0.3~0.5キロ
・BMI25以上(太り気味):個別対応

この数値は、あくまでも妊娠中期までの体重管理が順調であった場合の目安です。
後期に入る前に、著しく増えすぎたり、増えなさすぎたりした場合は、医師と相談しながら体重管理を行っていきます。

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妊娠後期に体重が急増する場合の理由

妊娠後期に体重が急増してしまった場合、その原因はどこにあるのでしょう?
考えられる要因と、その理由について解説します。

1.食べすぎ
妊娠後期になると、特に食欲が増してきます。これは、出産や産後の育児に備えた自然な現象です。
食欲のままに食べていると、どうしてもカロリーオーバーになってしまいます。
確かに、ある程度は体重を増やしてく必要があります。体力不足で難産になったり、産後の肥立ちに影響する可能性があるからです。
しかし、食事内容にも十分に気を使い、糖質や脂質の摂りすぎにならないようにしなくてはなりません。

2.運動不足
お腹が大きくなるにつれて、動くことが大変になってきますよね。腰痛や恥骨痛などのトラブルもある場合はなおさらです。
体を動かす機会が不足してしまうと、摂取カロリーと消費カロリーのバランスが崩れてしまいます。
特に食べ過ぎているわけではないのに体重が増加してしまう場合、運動不足が考えられます。

3.便秘
妊娠後期には子宮が腸を圧迫するため、便秘になりやすくなります。
体重は脂肪のみが原因で増えるのではありません。
腸の中に溜まった便の重さが体重に反映していることも十分にあり得ます。

4.むくみ
定期健診では、むくみの程度も調べていますね。足を指で押される検査です。
むくみとは、体の中に余分な水分がたまっている状態を言います。
当然、むくみによる水分が体重の増加に反映されます。

5.羊水過多
羊水の量は、妊娠中期の終わりごろにピークを迎え、後期に入ると徐々に減少していきます。
羊水の量が800mlを超えている場合を羊水過多と言います。様々な要因が影響していますが、お母さんが妊娠糖尿病である場合、羊水過多になりやすいと考えられています。
羊水の量には個人差がありますが、多すぎる場合はその分、体重が増えることになります。

6.巨大児
巨大児とは、出生時体重が4000グラムを超えている赤ちゃんを言います。大きく育った赤ちゃんは喜ばしい半面、難産になったり、出産直後にトラブルになる可能性があります。
巨大児には、お父さんかお母さんのどちらかが大きいなどという遺伝的なものと、妊娠糖尿病を原因とする病的なものがあります。
特に、妊娠糖尿病がもとで赤ちゃんが大きくなったことが考えられる場合、出生直後の赤ちゃんに低血糖症状が現れるリスクがあります。

妊娠後期に体重が増えない場合の理由

増えすぎても困りますが、逆に体重増加が少なすぎる場合も不安になりますよね。
体重が増えない要因とその理由についても考えてみましょう。

1.摂取カロリー不足
医師や看護師、助産師などから、「体重!体重!」と耳にタコができるくらい聞かされた経験をしているお母さんは少なくないですよね。
体重を増やさないことに意識が行くあまり、本来摂取しなければいけない栄養素が不足してしまうこともあります。

2.食欲不振
妊娠後期には、子宮が胃や腸を圧迫します。
その結果、胸やけや消化不良、便秘などが起こり食欲自体が低下してしまうことがあるのです。
食欲がわかないことから自然と食事量が減ってしまい、カロリー不足になってしまいます。

3.胎児発育不全
何らかの要因で、赤ちゃん自体の発育が十分でない場合があります。
赤ちゃんが小さく発育が遅い場合、本来増えるはずの赤ちゃんの重さがプラスされないことが原因です。

4.羊水過少
羊水の量が極端に少ない場合も、羊水量が体重に足されなくなるため、体重増加が鈍くなります。

特に、羊水量が100ml以下の場合は羊水過少という病的な状態です。羊水は赤ちゃんにとってクッションとしての役目のみならず、運動や呼吸の練習をする大切なもの。
羊水が少ない場合は、胎児機能不全に陥るリスクも想定されます。

5.ストレスや妊娠中のダイエット
妊娠中の体系変化に対してコンプレックスや嫌悪感を抱いてしまうお母さんも存在します。そのような場合、体重が増えたり体系が変化しないようにダイエットを行うケースもあるのです。
また、多くのストレスを抱えている場合も食欲不振などを招き、体重を十分に増やすことが出来なくなってしまいます。

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体重を管理するための運動

体重管理には、食事と運動を上手に組み合わせることが必要です。
まずは運動による体重管理の方法のコツをお教えします。

有酸素運動で余分なカロリーを消費
妊娠中の体重管理にぴったりなのが有酸素運動です。
有酸素運動は激しい動きは少ないため、お腹への衝撃もほとんどありません。また、脂肪燃焼にも最も効果的なのが有酸素運動なのです。
ウォーキングやマタニティビクスなどがおススメです。
週に2~3回程度、1回30分程度を目安に行いましょう。

ストレッチやヨガ、体操などで筋肉の強化
筋肉が増えると基礎代謝が上昇します。つまり、ただ息をしているだけでも消費カロリーが増えるのです。また、筋肉をつけておくことで出産や育児などにも大きなメリットがあります。

ストレッチやヨガ、妊婦体操を定期的に行い、適度な筋肉をつけましょう。ただし、腹圧をかけるような動作は厳禁です。

体重を管理するための食事

運動だけでは体重管理は上手くいきません。
特に食事は、体重管理だけでなく、お母さんと赤ちゃんの健康にも影響してくる大切な要素となります。
妊娠後期の体重管理を食事面から見ていきます。

体重が増加しすぎの場合の食事のコツ
体重オーバーの原因を食事から見た場合、次の要素が考えられます。

・糖分オーバー
・脂肪分オーバー
・塩分オーバー
・食物繊維不足

これらを解消することで、体重増加のペースを穏やかにしてくれます。
昔ながらの薄味の和食が一番健康的な食事であると言えるでしょう。
さらに、よく噛むことも重要です。噛むことによって、脳の満腹中枢が刺激されます。その結果、食べすぎを防いでくれるのです。消化にも良いですから、食事の際はぜひ意識して噛んでみてください。

体重が増えない場合の食事のコツ
体重が増えない場合を食からアプローチすると、「食べたくても食べられない」ケースと「食べたくない」ケースが考えられます。
まずは前者から。
「一度に1食分食べる」「1日3食」という考えを捨てましょう。少量ずつでもよいので、食べられそうなときに少しずつ栄養補給をしていきます。

そして問題は後者です。
食べたくない原因を見つけ、それを解消しなければいけません。
女性ですから、太ることに抵抗感を覚えるのは当たり前です。しかし、今はあなただけの体ではないのです。お母さんの食事は赤ちゃんのための食事でもあります。
たとえ妊娠中に一時的に体重が増加しても、産後に体重を戻すことは可能です。今は少しだけダイエットをお休みしてみませんか?
そしてストレスなどが原因の場合。
まずは自分のことを最優先で考えましょう。それが赤ちゃんのためになるベストな行動なのです。わがままになるくらいで調度いいかもしれません。

体重管理は食事と運動の両面から

出産までもう少しとなった妊娠後期。体重管理のゴールも目前です。
上手な体重管理は食事と運動の両面からアプローチすることが欠かせません。
体重コントロールに問題がある場合、無理のない範囲で少しずつ生活スタイルの見直しを行ってみてください。

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