
更年期障害の診断プロセス・検査内容の基本情報


更年期障害の診断をガイドラインから見る

更年期障害診断の4つの留意点
- 更年期の女性が多彩な症状により受診した場合は更年期障害を疑う
- エストロゲンの不足による症状か、それ以外の症状か、あるいはそれらの複合的な原因で発症しているのかを評価する
- 主な症状の原因が器質的な疾患によるものではないと確認する
- 除外診断(他の病気が隠れていないか調べる)では、更年期障害と似た症状を呈する「うつ病」「悪性疾患」「甲状腺疾患」に対して特に注意を払う
ガイドラインによる、日本人女性の更年期症状評価表

- 顔や上半身がほてる(熱くなる)
- 汗をかきやすい
- 夜なかなか寝付かれない
- 夜眠っても寝付かれない
- 興奮しやすく、イライラすることが多い
- いつも不安感がある
- ささいなことが気になる
- くよくよし、ゆううつなことが多い
- 無気力で、疲れやすい
- 目が疲れる
- ものごとが覚えにくかったり、物忘れが多い
- めまいがある
- 胸がどきどきする
- 胸がしめつけられる
- 頭が重かったり、頭痛がよくする
- 肩や首がこる
- 背中や腰が痛む
- 手足の節々(関節)の痛みがある
- 腰や手足が冷える
- 手足(指)がしびれる
- 最近音に敏感である
更年期診断の検査項目

問診と内診
更年期障害の検査の基本は「問診と内診」です。問診により更年期障害が疑われる症状があるか確認し、必要であれば子宮や卵巣の状態を触診する内診を行います。
血液検査
次は「血液検査」です。血液中の女性ホルモンの濃度を調べて、患者さんが更年期に該当するかどうかをチェックします。また、骨粗しょう症や高脂血症の可能性についても調べる場合があります。骨粗しょう症に関しては、別途レントゲンや超音波検査も用いられます。
超音波検査
次は「超音波検査」です。触診だけではわからない、子宮や卵巣の状態を超音波によって画像化して検査します。
細胞検査
次は「細胞検査」です。前述の通り、この年齢だと「悪性疾患」の可能性を疑う必要があります。子宮頚部から細胞を摂取して、悪性疾患ではないことを確認します。
乳房検査
同じ理由で「乳房検査」を行います。乳がんの有無を調べるため、触診やマンモグラフィー(乳房専用のレントゲン検査)、超音波検査を実施します。
更年期検査の費用はいくら?
更年期障害の検査を受けた場合にかかる費用ですが、おおむね5,000円前後で済むことが多いようです。実際の料金は実施した検査内容によって前後しますので、不安な場合は受診予定の婦人科に事前に問い合わせておきましょう。

更年期障害の検査はどのタイミングで受けるべき?

自覚症状が続けば早めに婦人科を受診
更年期の症状は、人によって個人差が大きいです。症状が目立つ場合もあれば、ほとんど自覚症状無く更年期を乗り切れる人もいます。本格的な治療が必要なのは前者なので、更年期障害が疑われる症状が続いている場合、早めに婦人科を受診してください。
一般的に更年期とは45歳~55歳のことであるとされていますが、ストレス等により早い時期から更年期障害を患う可能性もあります。特に40歳以降になればいつ更年期障害になってもおかしくないと考えても間違いではないでしょう。
忙しい場合は更年期障害の検査キットも有効
また、忙しくてなかなか婦人科に検査を受けに行くことができないという場合もあるかと思います。その場合は更年期障害の検査キットを利用することをお勧めします。採尿と検査キットの郵送によって更年期障害の疑いについて検査できますので、まずは検査キットを利用して、必要に応じて婦人科を受診する時間を確保しましょう。
生理中でも更年期障害の検査は問題ない?
一つ注意したいのは「生理中に更年期障害の検査を受ける場合」です。血液検査などには影響しないのですが、子宮がんなどの検査が受けられません。また、検査キットの採尿の際には経血が混じらないように注意しなければなりません。できれば、生理中に婦人科を受診あるいは検査キットを利用することは避けるべきです。
まとめ
更年期障害であると診断されるほどの場合、日常生活に大きな悪影響を及ぼすことが予想されます。検査を受けようと思う場合、ネットで「更年期 検査 東京(お住いの地域)」といった感じで検索して、最寄りの病院や評価の高い病院を探すことをお勧めします。

更年期~更年期障害~の予防法に関連する基本情報をご紹介しています。誰しも訪れる更年期。影響が大きい、小さいと症状は異なりますが、中には更年期障害を患う方も。予防法を意識したときにどういうことに気を付ければいいかなど詳しく解説しています。